不妊治療の着床後は安静にすることが望ましいです


不妊治療の着床後は妊娠が成立したばかりの大切な時期なので、ムリをせず安静に過ごすことが望ましいです。
運動する習慣があっても過度な運動は行わず、ウォーキングなどの運動不足にならない程度の有酸素運動を取り入れましょう。

また冷えは身体にさまざまな悪影響を及ぼすので、身体を冷やさないように気をつけましょう。
子宮内膜に根を下ろしたばかりの受精卵が健やかに育つことを心がけ、仕事や家事の面においてもムリをしないことが大切です。

着床に至るまでの流れを知って着床後の過ごし方について考えましょう

「妊娠」とひとことで言っても、不妊治療で妊娠に至るまでには一通りの流れがあります。
まずは不妊治療で着床するまでの流れを知り、着床後にどのように過ごせばよいのかについて考える材料としましょう。

排卵

生理から2週間ほど経つと、卵巣の中で育った卵胞から卵子が出てきます。
これが排卵であり、月に一度だけ卵管を通って子宮に向かって移動します。

女性が持つ卵子の数は生まれつき決められていて、精子のように新しく作られることはありません。
不妊治療において基礎体温を正しく測り、排卵日を予測することが重要なのは卵子の数に限りがあるためです。

受精

排卵された卵子が受精できるタイムリミットは長くて8時間ほどと言われており、精子が寿命の尽きる2~3日以内に卵子と出会えなければ受精できません。

精子は1日あたり1000万~1億個ほど作られますが、このうち1回の射精で旅立つ精子は2~3億個にとどまります。

さらに膣内の環境は酸性であるため、酸に弱い精子はその多くがここで旅を終えることになり、卵子が待っている卵管までたどり着ける精子はわずか数個です。

卵子と出会えたすべての精子が受精できるとは限らず、卵子の膜を最初に破った精子だけが卵子の中に入ることができます。

卵子と精子の核が融合することで受精卵となり、10日ほどかけて細胞分裂を繰り返しながら卵管を通り、子宮に到着します。

着床

子宮にたどり着いた受精卵は2~3日後、子宮内膜の環境が整ったタイミングで着床します。
受精卵が子宮内膜に完全に根づくと着床完了となり、それから10日ほど経った頃に妊娠反応が出ます。

着床後の過ごし方のポイントは規則正しい生活です


不妊治療の着床後の過ごし方において、求められていることはとてもシンプルです。
妊娠はデリケートなものなので、着床後にどうするべきかという問いには、「規則正しい生活を送りましょう」が答えとなります。

生活習慣というのは人それぞれ身についているものなので、規則正しい生活と言われても戸惑うこともあるでしょう。

以下を参考にしていただき、何か相談したいことがあれば、速やかにクリニックを受診しましょう。

葉酸を摂る

葉酸はビタミンB群の一種であり、厚生労働省も妊娠・出産を望む女性に対して葉酸の摂取を推奨しています。
葉酸は妊娠初期に摂取すべき栄養素とされ、サプリメントとして提供しているクリニックもあります。

お酒とタバコを控える

妊娠・出産を望むのであれば、お酒とタバコは絶対に控えなければなりません。
自分の健康を損なうだけでなく、受精卵の成長にも悪影響を及ぼします。

充分な睡眠をとる

疲労とストレスを解消するには、質のよい睡眠をとることが不可欠です。
睡眠不足はホルモンの分泌を妨げる原因となります。

着床後にさまざまな症状が見られることがあります

不妊治療で着床した場合、身体から妊娠を知らせるサインが出ることがあります。
妊娠初期の症状には個人差がありますが、気になることがあればすぐ医師に相談しましょう。

  • 月経の遅れ
  • 吐き気
  • 下腹部の痛み
  • 胸の強い張り
  • 貧血やめまい
  • 疲労感
  • 頻尿
  • 身体のほてり
  • おりものの増加
  • 着床出血

着床出血については生理と誤解してしまうケースがあるため、もう少し詳しく述べていきます。
着床出血とは子宮内膜に着床した時に起こる出血のことを指します。

生理の時の出血とは異なり、茶色を帯びたドロッとしたおりもの状のもの、もしくは少量の血液が2~3日ほど出ます。

これまでの生理周期を振り返り、もし生理予定日よりも早い段階で出血が見られた場合は着床出血の可能性があるので、クリニックを受診しましょう。

(まとめ)不妊治療の着床後はどんなことをするの?

1.不妊治療の着床後は安静にすることが望ましいです

不妊治療の着床後は過度な運動などを避け、安静に過ごすことが求められます。

子宮内膜に定着したばかりの受精卵を育てていくためにも、仕事や家事の面においてもムリをしないことが大切です。

2.着床に至るまでの流れを知って着床後の過ごし方について考えましょう

排卵→受精→着床と妊娠には一通りの流れがあり、このうちのいずれかに支障が出ても妊娠は成立しません。

妊娠に至る壮大なドラマを知ることで、着床後にどのように過ごすべきか考えてみましょう。

3.着床後の過ごし方のポイントは規則正しい生活です

充分な休息をとり、規則正しい生活を送ることが不妊治療の着床後に求められる過ごし方です。

なにか特別なことしなければと焦る必要はなく、安静にしてリラックスすることが大切です。

4.着床後にさまざまな症状が見られることがあります

不妊治療の着床後には、妊娠を知らせるさまざまな症状が出ることがあります。
吐き気や下腹部の痛み、胸の張りなどのほかに着床出血が起こる場合も考えられます。

なんらかの兆候を感じたら、速やかにクリニックを受診するようにしましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師