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不妊治療の採卵は静脈麻酔がおすすめです
不妊治療の体外受精とは、排卵前に取り出した卵子と精子の受精を体外で行うことを指します。
卵子を取り出す行程のことを「採卵」と言いますが、痛みを感じることがあるため、静脈麻酔も選択肢です。
静脈麻酔を使うかどうかは医療機関の方針にもよるので、医師と相談の上で決めましょう。
麻酔をして行うことによって不安を軽減できますから、始めての挑戦の時には静脈麻酔がおすすめです。
静脈麻酔のメリットは大きく分けて3つです
静脈麻酔を選択するメリットは、大きく3つ考えられます。
まず静脈麻酔を選択することによって、手術の痛みをほとんど感じることなく、採卵を進められるところです。
痛みから身体が動いてしまう心配もなく、スムーズに施術できるところもメリットでしょう。
意識がある中で採卵を進めると強い恐怖を感じる人もいますので、不妊治療に際するストレスを軽減できることも魅力です。
採卵に伴う痛みのレベルは行ってからわかるところがあり、不安を抱えながら当日を迎えるよりは、麻酔を使う方法が望ましいとも考えられます。
また静脈麻酔といっても、短時間で深く作用するものを使用します。
専門知識を持ったスタッフが安全面に配慮しながら行うのが通常です。
採卵を終えて数分後には覚醒するくらいに調整するため、長時間意識がないわけではありません。
採卵に必要な時間は取り出す卵子の数によっても変わりますが、10~20分くらいが目安です。
この数分後には覚醒すると考えると、意識を失っている時間は1時間に満たないと理解しましょう。
静脈麻酔には一定のリスクも伴います
不妊治療で静脈麻酔を使うことで生じるリスクについても見ておきましょう。
非常にまれなケースとは言われているものの、麻酔に対するショック症状が出てしまって、副作用を強く感じる人もいます。
アレルギー体質など特段の事情があれば事前に医師に申告して、安全に施術を受けられるかの判断を受けてください。
麻酔を使わなかった場合と比較すれば入院期間が長引く傾向もあり、働きながら不妊治療を行う女性であれば、長めの休暇を取得することも考えておきましょう。
身体を動かさずにいることで全身の震えや腰痛が起こる可能性もあり、麻酔が切れてすぐに元通りに動けるわけではありません。
静脈麻酔を行う際にはリスクに関して詳しい説明があり、家族と本人の同意のもとで進められるのが通常です。
不安に感じることは何でも事前に相談して、想定されるリスクやデメリットを理解したうえ、静脈麻酔するかどうかを判断しましょう。
局所麻酔や腰椎麻酔も選択肢の1つです
不妊治療の体外受精を行う際には必ず静脈麻酔を選択するわけではありません。
たとえば特定の部分だけに麻酔をきかせて不安を和らげる方法や下半身にだけ麻酔をかける方法もあります。
静脈麻酔以外の麻酔についていくつか紹介しましょう。
下半身麻酔とも呼ばれる手法です。
背骨の中に通っている太い神経(脊髄)を傷つけないように麻酔薬を注射、下半身の感覚だけをコントロールしていきます。
麻酔が効いている部分に痛みを感じることはなくても、物が触れた感覚が残る人もいるようです。
局所麻酔薬を施術部位に注射を行い、その周辺だけに麻酔をかける方法です。
静脈麻酔や腰椎麻酔よりも麻酔量が少なくてすみ、記憶がなくなる心配もありません。
施術中に痛みを強く感じたら他の麻酔手法に切り替えて、不安を軽減することもできます。
痛みの感じ方には個人差があり、局所麻酔で十分という人もいれば腰椎麻酔や静脈麻酔が望ましい人もいます。
麻酔無しの採卵で苦しい想いをしたことが不妊治療の心理的な障壁になるケースもありますから、ムリがない選択をしてください。
医療機関を選択する際は、希望する麻酔の種類に対応していることを選択基準にし、ストレスなく継続できる環境を整える判断も必要でしょう。
(まとめ)不妊治療では静脈麻酔が使える?
採卵をする時に痛みを感じる人もいるため、医療機関の方針によって静脈麻酔を行うことがあります。
採卵とは、体外受精を進めるにあたって必要な卵子を取り出すことです。
不安を軽減するためにも、ムリがない選択をしてください。
静脈麻酔をするメリットとして、手術の痛みを感じにくいことや施術中に身体を固定できること、恐怖を軽減できることなどが挙げられます。
静脈麻酔は専門知識を持った医師が担当、トラブルが起きないように万全の体制で行われるのが通常です。
静脈麻酔に伴うリスクは、よく起こることではありません。
しかしあらかじめ、このようなものがあるということだけは理解しておきましょう。
また静脈麻酔を使う事で入院期間が長引く場合もあるため、長めの休暇を取るなどして対応するようにしましょう。
静脈麻酔以外にも、一部分にだけ麻酔をかける局所麻酔や下半身だけ痛みを感じることがない頸椎麻酔を選択することができます。
痛みの感じ方や不安に感じる要素は人それぞれ異なるので、自分に合う施術を選択しましょう。