パニック障害がある人の不妊治療可否は医師の判断によって決まります


パニック障害に限らずなんらかの病気を持つ人が不妊治療を行う場合、主治医とよく相談のうえ、慎重な判断が必要です。

妊娠許可条件として薬の種類が制限されることもあり、不安定な時期に治療を始めてしまうと、悪化させてしまうリスクがあります。

不妊治療がうまくいっても、出産を迎えるまでに体調や精神状態が不安定になれば、妊娠を継続できない事態となりかねません。

パニック障害が落ち着いている時期に考えましょう

パニック障害治療中の妊娠・出産は、計画的に行うことが推奨されます。
メンタル疾患には波があるため、体調が安定しているタイミングも出てくるものです。

今は不妊治療が難しくても、薬がなくても心身のコントロールがきくタイミングで不妊治療を開始する方法もあります。

「今すぐに始めなければ」と自分の中で決めつけず、前向きに考えましょう。
できることなら、不妊治療とメンタル疾患の専門医がいる医療機関を受診し、連携をとりながら計画を立てる進め方が理想的です。

不妊治療とパニック障害治療のどちらかを諦めるというわけではなく、ムリなく両立できる方法を考えてみましょう。

パニック障害はどんどん悪くなる病気ではなく、適切な治療を受けさえすれば心身が安定する時期がどんな人にも出てきます。
「30歳までには1人目を産む」など自分の中でデッドラインを設定し、気負いすぎることがないように進めてください。

信頼できる医師のサポートを受けることで不安が解消されて、不妊治療ができるところまで回復できるケースもあります。
自分だけで思い悩むことなく、子供がほしい気持ちを医師に話し、判断をあおぎましょう。

パニック障害に対する家族の理解も必要です


パニック障害で不妊治療を始めるにあたって、パートナーの協力も必要です。
完治してから治療を始めるのが理想とはいえ、いつ直るか分からず、一定のリスクを伴っても不妊治療に取り組みたい意向を丁寧に説明しましょう。

パニック障害の治療を行う医療機関によっては、薬の影響を理性的に理解してもらうため、パートナーと一緒に診察を受けるよう推奨することもあります。

健康な女性でも障害を持った子が生まれるリスクはゼロではなく、飲んだ薬の影響が100%ないとは言いきれません。
もしものことがあった時に協力し合って乗り越えるためにも、お互いの意思確認が不可欠です。

不妊治療もパニック障害治療も女性だけが抱え込む問題ではなく、家族の未来を大きく左右するものであり、どんなことがあっても支える気持ちが求められます。

パニック障害が産後に悪化する女性も多いことを考えると、不妊治療の段階からパートナーの積極的なサポートが得られないことには、子育てがうまくいきません。

状況によっては夫婦の両親にも事情を話し、将来の家族生活を具体的にイメージできるようになってから、不妊治療を始めましょう。

自己判断での断薬は危険です

パニック障害は心理的な問題だけではなく、脳内の神経伝達物質のバランス異常も関係すると言われています。
このバランスを制御するため、薬物療法を用いることも一般的です。

指示された通りに薬を服用していないとパニック発作が悪化するリスクもあり、自己判断での断薬は控えてください。

パニック障害を放置したまま妊娠・出産したとしても、子育てがうまくいかなかったり実母に頼りきりになってしまったりと問題が出てくるケースもあります。

産まれてくる子供のためにも適切な治療が必要で、状態がとくに不安定な状況では「今は不妊治療に踏み切るタイミングではない」と割り切ることも必要です。

近いうちに妊娠を希望しているにも関わらず抗うつ剤を飲むことは、不安に感じる人もいることでしょう。
あくまで1つの説ですが、喫煙や飲酒のほうが影響は大きいと主張する医師もいて、過剰に心配する必要はありません。

心身を整えることが妊娠への近道と考えて、出された薬はきちんと飲み、精神療法へと切り替えたり影響の少ない薬に変更したりする判断がなるべく早くもらえるように努めましょう。

(まとめ)パニック障害があっても不妊治療は可能?

1.パニック障害がある人の不妊治療可否は医師の判断次第です

メンタル疾患も含めて何らかの病気がある人の不妊治療は慎重に判断する必要があります。

主治医に事情を話し、不妊治療を始めることはできるのかについて、アドバイスをもらいましょう。

2.パニック障害が落ち着いている時期に考えましょう

パニック障害治療中でも不妊治療をできる可能性はありますが、慎重な判断が必要です。

安全に治療を進めるためにもパニック障害が落ち着いているタイミングを基準に据えて、医師の判断をあおぎましょう。

3.パニック障害に対する家族の理解も必要です

パニック障害の薬の中には不妊治療や胎児に影響を与えるリスクがあるものもあり、家族の理解を必要とします。

パートナーや両親も交えて医療機関に相談し、状況をきちんと把握してもらったうえでの話し合いを進めましょう。

4.自己判断での断薬は危険です

なるべく早く子どもがほしいといっても、自己判断での断薬は控えましょう。

勝手に辞めてしまったことが原因で体調が悪化するリスクもあり、母子ともに影響が出るケースもあります。
出産後のことまで考えて、体調を気遣った判断は大切です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師