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不妊治療でよく使われるピルは2種類です
不妊治療の体外受精でよく使われるピルは、低用量ピルと中用量ピルの2種類です。
低用量ピルとは、1錠あたりの卵胞ホルモン(エストロゲン)量が30マイクログラム~40マイクログラムくらいになっている種類を指します。
一方中用量ピルとは、1錠あたりの卵胞ホルモン(エストロゲン)量が50マイクログラムになっている種類です。
ホルモンの配合量によって期待される効果や副作用の強さなど細かい違いはありますが、使用される目的は変わりません。
副作用が強い時には種類を変えることもできます
ピルの種類によって、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配分量が変わってきます。
体質や抱えているトラブルに適したピルを使うことにより卵巣を休ませる狙いから、複数種類が活用されている状況です。
女性のトラブルに対して幅広く活用されるピルも、体質との相性はあります。
吐き気やめまい、胸の張りなど副作用が強くて「とても継続できない」と感じるようなら、種類を変えることはできないか聞いてみましょう。
一般論にはなりますが、低用量ピルより中用量ピルの副作用が重くなる傾向があります。
副作用リスクが高いことを考慮しても服用するメリットがあることから、あえて中用量ピルを選択する医療機関が出てくるのですが、指示通りに飲めないようではあまり意味をなしません。
副作用の感じ方には個人差があって、問題なく飲める人もいれば、とても続けられない人もいます。
ピルを服用するタイミングによっても副作用の感じ方が変わってくるケースがあり、体調との相談が必要です。
副作用を感じたらなるべく早く医療機関に相談して、具体的なアドバイスをもらいましょう。
次の受診まで待つ必要はなく、電話で相談するのも一案です。
マーベロンは低用量ピルに含まれます
不妊治療の体外受精でも使われるマーベロンは、低用量ピルにあたるピルです。
低用量ピルの中での分類だと「第3世代」と呼ばれるもので、アンドロゲン作用という副作用を抑えた種類として登場しました。
アンドロゲン作用とは、体毛が濃くなる・ニキビが増えるといった男性化症状が出てしまうことを指します。
筋肉が増えることで体重増加が気になる女性もいるようです。
第2世代低用量ピルで問題視されたアンドロゲン作用を防ぐように作られた種類が第3世代ということです。
ホルモン量を3段階に変化させることによって、より自然なリズムに近づける工夫もなされています。
黄体ホルモンが徐々に増えていくことで、身体の中で行われているホルモンバランスの制御に近いリズムになる理屈です。
同じマーベロンでも21錠タイプと28錠タイプがありますが、効果としては変わりません。
28錠タイプには、薬を飲むリズムが崩れないようにプラセボ錠7錠が入っているだけのものです。
21錠タイプが出された場合は休薬期間を自分できちんと把握して、スケジュール通りに服用しましょう。
プラノバールは中用量ピルに含まれます
不妊治療で出されるプラノバールは、中用量ピルにあたります。
不妊治療の体外受精で使うほか、月経困難症・過多月経・子宮内膜症の治療にも使われる種類です。
プラノバールの服用を続けると卵胞ホルモン(エストロゲン)の働きで子宮内膜が育ち、妊娠しやすい状態に整えてくれます。
プラノバールを1期分のみ切ったタイミングで子宮内膜は維持できなくなり、生理が起こる流れです。
生理日程をある程度コントロールすることにも長けた種類にあたるので、特別なイベントを控えた時にも使われます。
生理をわざと長引かせたりイベントの後にずらしたりして、体調を整える目的です。
飲むにあたっての注意点ですが、肝機能障害・子宮筋腫といった特定の疾患がある人の服用は、慎重な判断が求められます。
不妊治療を行っている医療機関で既往症を伝えているはずですが、伝え漏れが万が一あれば、プラノバールを飲み始める際に確認しましょう。
低用量ピルと比較して副作用が起こりやすい種類だからこそ、注意事項の基礎知識がないとリスクです。
飲み始めはとくに体調管理に気をつけて、相性を見極めましょう。
(まとめ)不妊治療で使われるピルにはどんな種類がある?
不妊治療で使われるピルの種類は、低用量ピルと中用量ピルの2種類です。
2種類の大きな違いは卵胞ホルモン(エストロゲン)の配合量で、それぞれ決まった分量が含まれています。
使用する種類は医療機関の方針によって決められますが、副作用が強くて続けられない状態の場合は、変更をお願いすることもできます。
一般的には低用量ピルのほうが副作用は軽く、抵抗なく飲める人が多いようです。
具体的な名前で見ておくと、不妊治療に使われる低用量ピルは「マーベロン」です。
比較的新しい世代の薬で、男性化副作用を軽減した種類にあたります。
ホルモン量を3段階で変えることにより身体の中で行われる分泌リズムに近づけているところも特徴です。
中用量ピルにあたる薬は「プラノバール」というものです。
不妊治療のほかに婦人科系疾患の治療や生理スケジュールコントロールに採用されることがあり、特別な薬ではありません。