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不妊治療でも使われるヘパリンとは不育症の治療薬です
ヘパリンとは、不育症の原因の1つである抗リン脂質抗体症候群治療で使われる薬です。
抗リン脂質抗体症候群になってしまうと、血栓ができやすくなったり胎盤の機能が損なわれたりすることで、妊娠を継続できないことも多いとされます。
せっかく不妊治療がうまく進み妊娠にいたっても、赤ちゃんが育ちにくい環境では、出産までいたりません。
そこで不妊治療段階から将来に向けた説明がなされることがあります。
不育症の原因は抗リン脂質抗体症候群以外にもあります
不育症の原因が抗リン脂質抗体症候群以外にある場合、ヘパリンを使用するとは限りません。
抗リン脂質抗体症候群以外の原因として、子宮奇形・夫婦の染色体の問題・胎児の染色体の問題などが考えられます。
抗リン脂質抗体症候群は唯一治療可能な疾患として知られていて、きちんと対策をすることで、死産や流産を避けるための対応を行うことが可能です。
不育症以外に、心筋梗塞・脳梗塞・肺塞栓症といった命に関わる疾患につながる恐れもあるため、医師に相談してください。
抗リン脂質抗体症候群の検査には、リン脂質中和法や蛇毒法が検討されます。
抗リン脂質抗体が陽性となったら症状の継続が見られるかを確認し、抗リン脂質抗体症候群を特定する流れです。
ただし万が一陽性判定が出ても、約半数ほどしか抗リン脂質抗体症候群診断がつかないという説もあり、過剰に心配する必要はありません。
陽性判定でも無治療で出産に成功する人もいるので、安心材料を得るためにも、見識を持った医師に相談することが大切と言えるでしょう。
ヘパリンには副作用リスクもあります
ヘパリンを使用する時の注意点として、副作用リスクが挙げられます。
もっとも注意が必要なのは、ヘパリンと血小板第4因子の複合体に対する抗体ができてしまって、血小板が減少するリスクがあることです。
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)があると、血栓ができやすくなり、逆効果となりかねません。
長期使用による副作用として骨量の低下が認められるケースもありますが、一時的な症状と言われています。
ヘパリンを中止すれば元に戻ると言われていて、あまり心配する必要はありません。
妊娠初期にヘパリンを飲んでも胎児に対する奇形リスクはないと考えるのが通説です。
胎盤ができてからは胎児に移行するリスクがなく、影響はないものとされています。
軽い副作用としては、肝酵素(AST・ALT)の上昇・肝機能障害・アレルギー症状などが起こるリスクがありますが、使い続けることで軽減するケースが多いようです。
医師の指導の通りに使えば心配はないレベルと言われていますが、気になる副作用を感じた時には医療機関に相談しましょう。
不育症や不妊の治療は医療機関選びが大切です
不育症に対してアスピリンとヘパリンを出すタイミングは、抗リン脂質抗体症候群の確定診断を受けてからが望ましいと言われています。
きちんと検査をしないで薬を処方する医療機関に問題視する声もあるため、知見が豊富な医師に相談することが大切と言えるでしょう。
不妊治療に関しても言えることではありますが、信頼のおける医療機関選びを徹底することが第一です。
確定診断を受ける前に薬を使い始めると、保険適用できないので自己負担になってしまいます。
効果が出ないばかりか薬代ばかりがかさみ、授かることができなかったら、とても悲しくなるものです。
知見を持った医療機関に相談すれば、ムダな費用がかかるという結果は少なくとも阻止できます。
抗リン脂質抗体症候群であることがはっきりした段階で薬を使用すべきことを知っていれば、セカンドオピニオンを求める選択も可能です。
適切な検査がないまま薬を出されたときは「この薬は何のために飲むのでしょうか」と質問するのもよいでしょう。
自分の身体と将来に関わることですから、医療機関任せにはしないで、基本的な知識を持っておく必要があります。
疑問に感じたことは放置せず、医師とのコミュニケーションを図る気持ちも大切です。
(まとめ)不妊治療で使われるヘパリンとは?
ヘパリンは、抗リン脂質抗体症候群の治療薬です。
妊娠を継続できない不育症の原因とも言われる抗リン脂質抗体症候群を改善すべく、治療の中で活用されます。
不妊治療がうまく進み、授かった時に備えて説明がなされる薬です。
不育症の原因は抗リン脂質抗体症候群以外にも考えられるため、ヘパリンが必ず使われるわけではありません。
子宮奇形・染色体トラブルなども不育症の原因になることを理解しておきましょう。
ヘパリンを使う時には、血栓症や骨量低下など副作用リスクが伴うことを理解しましょう。
妊娠初期に使用しても胎児に対する影響は出ないというのが通説で、軽い副作用は使い続けるうちに軽減されると言われています。
抗リン脂質抗体症候群の確定診断が出たタイミングでアスピリンとヘパリンの服用をスタートするのが望ましく、不育症の原因がはっきりしない状態で使われる薬ではありません。
信頼のおける医療機関で治療を受け、症状改善を目指しましょう。