不妊治療で喧嘩を避けるためにお互いのサポートが必要です


不妊治療を行う上で喧嘩を起こさないためには、夫婦2人でのサポート体制をしっかりとつくることが大切です。

男性側は女性へしっかりとコミュニケーションを取り、女性はよりストレスの少ない環境を作るために工夫することが大切と言えるでしょう。
また相談センターや臨床心理士によるカウンセリングなどを利用するのも1つの方法です。

喧嘩によるストレスは不妊治療にも影響が出る可能性があります

不妊治療をしても結果が出ないと、お互いを責めてしまい喧嘩に発展してしまうことがあります。
しかしストレスは不妊の妨げになりやすいことは知っておく必要があるでしょう。
強いストレスは交感神経を優位な状態にしてしまいます。

副交感神経はリラックスしているときに優位になっているため、不妊治療のストレスと夫婦喧嘩のストレスが重なり合えば、交感神経が優位になっているといえるでしょう。

妊娠率とストレスの関係性は、科学的な報告もあります。
ストレスが高い状態は唾液中にαアミラーゼが増加するため、論文ではこの数値を用いてストレス値を計測しました。

するとストレス値が高いグループでは妊娠率が低く、不妊治療の期間が長くなることがわかったのです。

強いストレスは自律神経を乱す原因となってしまいます。
ストレスがかかっている状態は体にとって危機的な状況となり、生殖率を上げて子孫を残すことより、体の存続を優先させなければなりません。

このような状況では、不妊治療が上手くいかず、長引いてしまう可能性があるでしょう。
不妊治療が上手くいかないと夫婦喧嘩に発展し、ストレスが不妊治療を長引かせる負のスパイラルに陥っていないか考えてみてください。

男性が女性側をサポートする心遣いが必要です


不妊治療を受けた人に調査をしたところ、7割の女性が1人で病院に行くと答えたのに対し、男性はパートナーと行くと答えた人が8割でした。

つまり女性は自分が不妊症ではないかと考えたとき、まず自分の問題を考えて1人で病院を受診することになります。
それに対し男性側は妻に問題がないことがわかり、その段階で自分も受診してみようとなるのでしょう。

不妊治療ではじめて受診する傾向からもわかるように、女性はパートナーからの十分なサポートが得られないうちに受診する可能性があります。
男性側はパートナーと受診している人が多いことから、十分なサポートが得られていると考えられるでしょう。

不妊治療時のパートナーのサポートを質問したところ、男性は44.4%の人が十分サポートしてくれた、40.0%がそれなりにサポートしてくれたと答えているデータがあります。

つまり合計で、84.4%の人がパートナーからのサポートを得られたと考えています。
一方で女性側は、34.1%が十分サポートしてくれた、37.1%がそれなりにサポートしてくれたと答えました。
男性と比べてどちらの割合も低く、サポートが得られたと考える割合は71.2%です。

女性が男性に望むのは、不妊治療に関心を持ってほしい、話を聞いてほしいといった、コミュニケーションについてでした。
このことから男性はもっと不妊に協力的になり、女性の話を聞くことが喧嘩を防ぐ解決策となりそうです。

カウンセリングを受けるのも1つの対策法です

夫婦2人で話し合っても不妊の不安が解消されないなら、専門家に相談してみるのも1つの解消法です。
たとえば都道府県や指定都市などに設けられた不妊専門相談センターを利用する方法があります。

不妊治療の医療機関に相談しにくいことある場合にも対応が可能です。
相談は窓口で直接行う方法や、電話での相談も受け付けています。
センターによっては不妊に悩む人たちが集まり、悩みを語り合える場を提供しているところもあるようです。

不妊専門相談センターは、医師・助産師・保健師などが対応してくれます。
利用は無料となっているため、不妊に関する夫婦間の問題や、治療に関することなど、なんでも相談してみましょう。

または臨床心理士によるカウセリングを受けて、不妊による問題を解消する方法もあります。
なかには夫婦でカウセリングを受けることで、夫婦2人の新たな生き方を見つけるという方も少なくないと言います。

クリニックによってはカウンセリングを医院で実施している場所もあるので、そういった場所を利用してみるのもよいかもしれません。

(まとめ)不妊治療による夫婦喧嘩を解消する方法はありますか?

1.不妊治療で喧嘩を避けるためにお互いのサポートが必要です

不妊治療中は夫婦そろって不妊のためのサポート体制を築くことが喧嘩を避ける秘訣と言えるでしょう。

普段の生活でコミュニケーションを増やしたり、ストレスを緩和したりすることなどが大切です。
またカウンセリングなどを利用するのもよいでしょう。

2.喧嘩によるストレスは不妊治療にも影響が出る可能性があります

ストレスと不妊症の関係は、科学的な点での報告例があります。

唾液中にαアミラーゼが多いとストレスが高くなり、数値が高いグループで不妊率が高く治療の期間も長引くことがわかっているのです。

3.男性が女性側をサポートする心遣いが必要です

不妊治療を受けるカップルで、男性側は女性からのサポートは十分受けられていると感じるのに対し、女性側は男性より少ない割合でした。

女性は男性に対し、不妊に興味を持ってほしい、話を聞いてほしいと考えているのです。

4.カウンセリングを受けるのも1つの対策法です

不妊に対する問題が夫婦2人で解消できないと感じる場合は、無料で受けられる不妊専門相談センターや、臨床心理士によるカウセリングを受けてみましょう。

専門家に話を聞いてもらうことで、新たな解決策が見つかる場合もあります。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師