不妊治療とダウン症児の出生の確率は関係ありません


ダウン症児の誕生の確率は、赤ちゃん800人~1000人のうち1人くらいだとされています。
この数値は国や地域、人種などに関係のないもので、自然分娩か不妊治療での出産かに関係することもありません。

ダウン症児の出生は一部の遺伝的な要素を除き、偶発的に起こるものです。
不妊治療での出産だからといって、ダウン症児が誕生する確率が高くなるというものではありません。

ダウン症児の誕生は偶発的な要素が大きくその確率は一定しています

ひとくちにダウン症といっても、標準型21トリソミー型・モザイク型・転座型の3種類に分けられます。
ダウン症の多くは偶発的に起こる染色体異常による「標準型21トリソミー型」と分類されるもので、ダウン症全体の約90~95%にのぼります。

標準型21トリソミー型は、通常22対ある染色体のうちの21番目の染色体が対ではなく、3本ある状態のことを意味しているものです。

夫婦の染色体に異常があるために起こるものではなく、夫婦の染色合に異常がなくても偶発的に起こるものだということが分かっており、その確率は800分の1~1000分の1程度とされています。

ただしダウン症児の誕生の確率は、女性の妊娠年齢によって確率が異なるとされており、20代前半の場合は確率が約1000分の1に対し、40代以上になると確率は約100分の1に上がります。

年代によって確率は異なりますが、自然妊娠か不妊治療によるものかという別はなく、自然妊娠でも不妊治療でもその確率に大きな差があるわけではありません。

加齢による卵子の質の低下が関係しているという意見もあります


ダウン症児の誕生の確率は、自然妊娠や不妊治療といったような妊娠するまでの経緯に関係しているという見解はされていません。
これは自然妊娠でのダウン症児の誕生確率と、体外受精など不妊治療を行った場合のダウン症児の誕生確率には差がないためだと考えられます。

ただ、ダウン症児の誕生確率は女性の年齢によって異なっています。
そのため、加齢が卵子の染色体分配に誤りをもたらす原因の1つだと考えられているのです。

女性は自身が赤ちゃんとして誕生したときに、生涯の卵子の素となる原始卵胞をすでに備えています。
原始卵胞は女性と同じように成長、加齢していきます。

35歳の女性であれば卵子も35歳というわけです。
卵子は加齢とともに質の低下が起こり、質が低下することで染色体異常を起こすケースもあります。

質が低下した卵子は受精や着床・妊娠しづらいという傾向にあります。
卵子の加齢を止めることはできません。

しかしより卵子の質を低下させないようにするため、喫煙やアルコール摂取の習慣、ストレスの発散などホルモンバランスを良好に保つ努力はすることができます。
自分にできることとできないことを見極めて、できることに目を向けてしっかりと取り組むことが大切です。

出産に不安がある場合は主治医に直接相談することをおすすめします

さまざまな情報が飛び交う現代社会において、本当の情報や正しい知識を選び取ることは難しいものです。
不妊治療についてはとくに専門分野であるため、間違った情報が出てしまっているというケースも少なくありません。

それは、今回の不妊治療とダウン症の関係についても同じことが言えます。
不確実な情報に惑わされるよりも、不安なことや心配事がある場合には、主治医に積極的に質問してみましょう。

医学的に実証されている内容を聞くことができ、不安なく治療に専念できるようになるでしょう。
ダウン症児の誕生については、妊娠中に受けられる検査もあります。

医師に質問することで、検査の内容やそのリスクなども確認できます。
不妊治療は体の問題だけでなく、精神的な負担がかかるケースも多い治療です。

そのため、少しでも不安や心配をすることなく治療に専念できる専門クリニックを探すことが大切です。
治療を受ける方が不安に思うことをきちんと解決してくれる信頼できる医師やクリニックを探すことをおすすめします。

(まとめ)不妊治療とダウン症って関係あるの?

1.不妊治療とダウン症児の出生の確率は関係ありません

ダウン症児の誕生の確率は、自然妊娠や不妊治療といった妊娠の過程や国や地域、人種などに関係するものではありません。

不妊治療だからといってダウン症児の誕生確率が上がるものではなく、自然妊娠でも不妊治療でもその確率は同じです。

2.ダウン症児の誕生は偶発的な要素が大きくその確率は一定しています

ダウン症全体の約90~95%は、夫婦に染色体異常がなくても偶発的に起こる「標準型21トリソミー型」と分類されるものです。

女性の妊娠年齢によってダウン症児が生まれる確率は異なりますが、自然妊娠か不妊治療かという別はありません。

3.加齢による卵子の質の低下が関係しているという意見もあります

自然妊娠か不妊治療かによるダウン症児誕生の確率は大きな差がないとされています。

女性の年齢によるダウン症児誕生の確率には差があるため、加齢による卵子の質の低下をゆるやかにできるよう努力してみましょう。

4.出産に不安がある場合は主治医に直接相談することをおすすめします

ダウン症と不妊治療との関係に不安が残る場合は、主治医に直接尋ねてみましょう。
ダウン症は妊娠中に受けられる検査もあります。

治療を受ける方の不安を取り除き、きちんとした情報を教えてくれる信頼できる医師やクリニックを探しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師