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ポリープがあると不妊症に悪影響をもたらす場合もあります
不妊症に関連性の深い子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープはいずれもほとんどが良性のものになります。通常は月経不順や不正出血などの症状がなければ経過観察でも問題ありません。
しかし不妊症の場合や、不妊症でなくても妊娠を望んでいる場合は、ポリープがあると受精卵の着床を妨げるなど妊娠に悪影響が出る可能性があるため、手術による切除が推奨されています。
子宮内のポリープはほとんどが良性の腫瘍です
病院で検査をして「ポリープができています」と言われると、ガンの可能性が頭をよぎるかもしれません。しかし幸いなことに女性の子宮内にできるポリープはほとんどが良性腫瘍となっています。
悪性のガン化する可能性もなくはありませんが、0.1%程度とごくわずかであるため、さほど気にする必要はないでしょう。ポリープはきのこ状の腫瘍で、どこにできるかによって子宮内膜ポリープと子宮頸管ポリープの2種類があります。
人によっては1つだけでなく、何個も同時にできることがあるのも特徴です。大きさは数mm程度の小さなものから1cmを超えるものまでさまざまとなっています。
通常、このポリープができてもほとんど自覚症状はありません。もしくは月経不順や不正出血、あるいは生理の出血が多く貧血気味となりやすくなるなどの症状が出ることがあります。
症状が見られない場合は良性であることもあり治療対象とはなりませんが、なんらかの症状がある場合と、不妊症である場合は妊娠の妨げになる可能性があるため保険適用しての治療が可能となっています。
基本的には手術による切除が治療方法です。
ポリープは受精卵の着床を妨げる可能性があります
不妊症の人にポリープが認められた場合、多くは手術して切除することを勧められるでしょう。その理由は、ポリープが子宮内に受精卵が入って着床することを妨害してしまうからです。
いくら健康な卵子と精子を揃えて無事受精卵を作ったとしても、その受精卵が着床できなければ妊娠することはできません。とくにポリープは複数個できることもあり、そうすればより妨げになりやすくなります。
また不妊治療中ではなく妊娠中にポリープが見つかることもありますが、お腹の赤ちゃんに直接影響する可能性は少ないと言われています。
医師の診断次第ではありますが、良性であることもあり妊娠中は手術はしない方針の病院もあるでしょう。
ポリープができる原因は明らかとなっていませんが、炎症や分娩、性病や女性ホルモンの乱れなどが関係していると言われています。そのため手術で切除したとしてもすぐに再発してしまう可能性もあり、安心することはできません。
ポリープを素早く見つけるためにも、不正出血・月経不順・おりものの量の異常などといった予兆には注意しておいた方がよいでしょう。
また念のため生活習慣を整えたり、ストレスなどでホルモンバランスが乱れないようにしておいたりすることも大切です。
ポリープの手術は簡単なものです
低用量ピルなどの使用でポリープを小さくする試みが行われる場合もありますが、基本的にはポリープの治療方法は手術になります。いくら良性とはいえ、手術となると抵抗のある人もいるかもしれません。
しかしながらポリープの手術は通常は日帰りで入院することもなく行える簡単なもので、当然麻酔をかけるため痛みもほぼありません。
さらに保険適用外の治療をすることの多い不妊症の人にとってはありがたいことに、ポリープの手術には保険適用がされるため、費用は数千円から高くても3万円程度です。
ポリープの手術方法には2種類あります。1つは内膜掻爬術、もう1つは子宮鏡下手術です。
いずれも膣~子宮内から器具を挿入し切除します。両者の違いとして、子宮鏡下手術の場合には子宮鏡という専用のカメラを使用することが挙げられます。
子宮内を映しながらポリープを切除していくため、内膜掻爬術よりもスムーズかつ確実にポリープを除去することができるのが特徴になります。なお日帰りとはいえ手術は手術です。
術後数日間は体に負担の少ない生活を心がけた方がよいでしょう。
(まとめ)ポリープは不妊症の原因になるの?
子宮頸管ポリープと子宮内膜ポリープはいずれも良性腫瘍であることがほとんどです。
しかし不妊症においては妊娠を妨げる可能性があるため、できる限り手術で切除することが望ましいとされています。
ポリープは99.9%が良性の腫瘍です。場所によって子宮内膜ポリープと子宮頸管ポリープに分かれ、複数個できることもあります。
自覚症状も少なく経過観察となることもありますが、不妊症の場合は保険適用して手術が可能です。
不妊症の人にとってポリープが悪影響である理由は、受精卵が子宮内に着床することをポリープが妨げてしまうからだと言われています。
原因は明らかになっておらず、無症状もしくは不正出血や月経不順の症状が見られることもあるため気をつけましょう。
ポリープの手術は、保険適用の上日帰りで行うことができます。内膜掻爬術と子宮鏡下手術がありますが、子宮鏡下手術の方がカメラで確実な除去ができるといわれています。
術後数日は安静にした方がよいでしょう。