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卵子凍結が医療費控除適用になるのは医師の診断によるといえます
医療費控除とは1年間で支払った医療費が高額になった場合に、確定申告で申告をすると所得税が還ってくる制度です。
卵子凍結は基本的に保険対象外のため、卵子凍結にかかる費用は高額になります。
できれば高額になった医療費がいくらかでも戻ってきてほしいと思うところですが、卵子凍結費用が医療費控除の対象になるためにはまずは医師の診断があるかどうかが重要になります。
卵子凍結は医療費控除の対象になりにくい施術です
医療費控除は基本的に医師の診断によって治療と認められた場合に、治療にかかった高額な費用が支払った税金から戻ってくる制度です。
保険適用・保険適用外にかかわらず、この条件を満たしている場合には医療費控除の適用になる可能性が高いといえます。
卵子凍結は、主に悪性腫瘍の患者が化学療法や放射線療法などを受ける前に行う場合や、未婚女性が将来妊娠を望んだ時のために備えて年齢が若い卵子を保存する場合などに行われます。
将来に備えて卵子凍結をする場合には、医師の診断や治療とは関係ないため、医療費控除の適用外になるのです。
悪性腫瘍の療養のために受ける化学療法などは生殖機能を低下させることがあり、20代や30代の方でも化学療法後に卵巣機能が低下して排卵が難しくなる可能性があります。
この場合に化学療法前に行う、必要性が高いといえる卵子凍結でも「治療・療養」ではなく「予防」と考えられると、医療費控除の対象にはならないといえます。
治療として必要な施術と医師に診断された場合には医療費控除の対象になる可能性があるので、迷うときには医師に相談してみるといいでしょう。
通常の不妊治療には医療費控除が適用になります
不妊症の治療費には保険が適用にならないものがありますが、ほとんどの不妊治療が医療費控除の対象になっています。
不妊治療にはタイミング法や人工授精、体外受精、顕微授精、サプリメントなどさまざまな方法があります。
特定の病気にかかっているなどのはっきりした原因がない場合にはひとつずつの施術をステップアップしていく方法で妊娠を目指すのです。
タイミング法や人工授精などの一般的な不妊治療は保険適用の施術ですが、さらに医療費控除の対象にもなっています。
また保険適用外で高額な医療費がかかる体外受精などの高度生殖医療も医療費控除の対象です。
ただ不妊治療で行われる 検査や投薬などを行う場合にはそのときの投薬の目的や内容などによって医療費控除対象にならない場合もあります。
高額な医療費を支払うことが多い不妊治療では医療費控除で戻る金額は大きいです。
少しでも家計の負担を軽減させるために、できる範囲で医療費控除の申告を行うとよいでしょう。
卵子凍結にかかる費用には採卵などの費用も含まれます
卵子凍結には凍結時だけでなく、卵子凍結前の診察や検査・排卵誘発・採卵・卵子凍結などの費用がかかります。
病院によっても施術費用は異なりますが、凍結卵子の数が増えるほどかかる費用が高くなり、卵子10個を凍結する場合には約50万円~の費用がかかるでしょう。
そして卵子凍結した後には1年ごとに卵子凍結保存の更新料がかかり、病院によっても異なりますが凍結保存料は大体卵子凍結容器1本(卵子約2個まで凍結可) につき5万円程度~の費用がかかる場合が多いです。
卵子凍結後に妊娠を望んだ時には、凍結した卵子を融解して顕微授精を受けることになります。
卵子凍結や顕微授精は保険適用外ですが、顕微授精は医療費控除の適用になりさらに各自治体からの助成金が適用になる場合もあるのです。
顕微授精などの不妊治療費用に助成金が支払われるためには妻の年齢が43歳までに不妊治療を開始している夫婦である(内縁含む)などの要件があります。
自分達が要件に当てはまっているかどうか、まずはお住まいの自治体の制度を調べてみましょう。
医療費控除が受けられない場合にも、他の不妊治療と併用して施術を行う際にはその助成金で費用負担が軽減される場合もあります。
さまざまな制度を利用することで、大きくなりがちな不妊治療の費用負担を少しでも減らすことができるようになるでしょう。
(まとめ)卵子凍結は医療費控除の対象になる?
医療費控除は1年間の医療費が高額になった場合に確定申告をすると税金が戻ってくるという制度です 。
医師の診断があるかどうかで卵子凍結が医療費控除の対象となるかがわかります。
卵子凍結は化学療法の前に行う場合やなるべく年齢が早いうちに行いたいという方の場合など、主に将来の不妊を予防するために行う施術です。
そのため医療費控除の対象となる「医師の診断で治療と認められた場合」とは異なることが多いといえます。
体外受精や顕微授精などの保険適用外の不妊治療では1回の施術費用も高額になります。
ほとんどの不妊治療が医療費控除の対象となっているので、できる範囲で医療費控除の申告を行うことで少しでも家計の負担を減らすことができます。
卵子凍結には排卵誘発や採卵などの費用がかかります。
また妊娠を望んだ時には卵子を誘拐して顕微授精を受けるため、顕微授精の費用も必要です。
医療費控除や助成金などさまざまな制度を利用してなるべく費用負担を減らすようにするといいでしょう。