卵子が劣化する原因は酸化ストレスです


卵子が劣化する主な原因は、酸化ストレスだと考えられています。
呼吸によって体内に酸素を取り入れることにより、体内に入った酸素が酸化を起こします。

人間は酸素がなければ生命を維持できないため、酸化そのものは生きていくために必要です。
しかし酸化によって細胞が傷つけられることもあります。

酸化を抑える機能が低下した状態が酸化ストレスであり、卵子の質が低下する原因になると言われています。

活性酸素が卵子の劣化を招く原因になります

卵子が劣化する原因は、体内の活性酸素が増え過ぎて酸化ストレスとなり、細胞が傷つけられるからだと考えられています。

呼吸によって体内に取り込まれた酸素のうち、約2%が活性酸素になると言われています。
活性酸素には身体に悪いものだというイメージがありますが、体内の細菌やウィルスを退ける働きを持っているのです。

しかし殺菌力が強いため活性酸素が増え過ぎると、細胞や遺伝子を攻撃して酸化させてしまいます。
酸化は卵細胞にも及ぶため、卵子が劣化する原因となるのです。

活性酸素に攻撃された細胞は細胞を構成する成分が酸化して、栄養素を取り入れたり、不要なもの排出したりする機能が劣化します。

細胞の核がダメージを受けると、細胞が死滅してしまうこともあります。
卵子が成熟するには、ミトコンドリアという小器官の働きが必要です。

ミトコンドリアには、細胞のためのエネルギーを作る役目があります。
とくに生殖に関わりの深い細胞である、卵子と精子に多く存在していると言われているのです。
活性酸素はミトコンドリアの質の低下を招き、卵細胞へのエネルギーの供給を妨げます。

結果として卵子の劣化に繋がり、妊娠率が下がる原因となります。
酸化ストレスから身を守るためには、活性酸素が過剰になるのを抑える必要があります。

ミトコンドリアの機能低下は20代から始まっているとされ、劣化を完全に止める方法はありません。
しかし活性酸素に対抗する機能を高める努力をすれば、劣化を遅らせる効果が期待できるでしょう。

生活習慣の改善が抗酸化作用を高めます


活性酸素に対抗する機能のことを、抗酸化作用と呼びます。
抗酸化作用を高めるには、生活習慣の改善が効果的だと考えられているのです。

つまり生活習慣の乱れが卵子を劣化させる原因になると言えます。
生活習慣を改善して、抗酸化作用を高めましょう。

食生活を見直す

生活習慣が乱れている人ほど、栄養バランスの悪い食事や欠食が習慣化しやすいです。
好き嫌いをなくし、さまざまな栄養素を摂取しましょう。

ナッツや大豆に含まれるビタミンEは、抗酸化作用を持つ栄養素の代表的存在です。

適度な運動をする

運動不足も、活性酸素がたまる原因だと考えられています。
軽めの運動を取り入れると、抗酸化作用を高める効果が期待できます。

ただし激しい運動をすると体内に入る酸素量が増え、酸化ストレスの原因になるので注意しましょう。

タバコとアルコールを控える

タバコの有害性については知られていますが、タバコを吸うと活性酸素が発生しやすくなります。

アルコールが肝臓で分解される時も、活性酸素が発生します。
妊娠を望むのであれば、タバコとアルコールを断つ努力をしましょう。

加齢も卵子が劣化する原因になるため不妊治療は早めに受けましょう

酸化ストレスだけでなく、加齢も卵子が劣化する原因となります。
妊娠しにくくなる年齢には個人差がありますが、35歳を過ぎたあたりから妊娠率は大きく低下すると言われています。

どんなに健康的な生活を送っていても、加齢による肉体の劣化をとどめることはできません。
少しでも妊娠する確率を上げるためにも、不妊治療はできる限り早いタイミングで受けましょう。

女性が生殖可能な年齢を過ぎてしまえば、不妊治療を行っても思うような効果が出にくくなってしまいます。
将来の妊娠・出産を見据えて、信頼できるクリニックを受診するのがおすすめです。

女性によくある子宮筋腫や子宮内膜症も、不妊の原因になります。
事前の検査で婦人科系疾患が見つかれば、早い段階で不妊のリスクを摘み取ることができるでしょう。

(まとめ)卵子が劣化する原因とは?

1.卵子が劣化する原因は酸化ストレスです

卵子が劣化する原因は、酸化ストレスであると考えられています。

呼吸によって体内で酸化が起きますが、酸化を抑える機能が低下していると、酸化ストレスがたまって細胞を傷つけます。

2.活性酸素が卵子の劣化を招く原因になります

卵子の劣化を招く原因になっているのは、活性酸素が増え過ぎているためだと考えられます。

活性酸素が持つ殺菌力は、細菌やウィルスを防ぐのに必要不可欠です。
しかし過剰になるとミトコンドリアを劣化させ、結果的に妊娠率が下がる原因になります。

3.生活習慣の改善が抗酸化作用を高めます

活性酸素は生活習慣の乱れによって、発生しやすくなると考えられています。

生活習慣の乱れは卵子が劣化する原因になるので、規則正しい生活を心がけて抗酸化作用を高めましょう。

4.加齢も卵子が劣化する原因になるため不妊治療は早めに受けましょう

加齢も卵子が劣化する原因になるため、年齢が若いうちに不妊治療を受けることが望ましいです。

将来の妊娠・出産を見据えて検査をしておけば、不妊のリスクを下げることにも繋がります。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師