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卵子や卵巣の年齢は血液検査で調べます
卵子の年齢は血液検査である程度、判断することが可能です。
不妊治療の血液検査では、AMH(アンチミューラリアンホルモン)の値を女性の卵巣予備機能を調べる基準としています。
卵巣予備機能は卵巣の年齢とされており、AMHの値によって卵巣内に残る卵子の数を予想できるようになります。
卵巣内の卵子は女性の年齢と共に徐々に数が減り、AMHの値も低くなっていきます。
ただし個人差もあるため、AMHの値が低いからといって卵巣が老化しているとも言い切れません。
一般的な認識として、卵子は女性の実年齢と同じだけ年齢を重ねるとも考えられています。
AMHは卵胞から分泌されるホルモンのことです
AMHは卵胞から分泌されるホルモンで、AMHの値は卵巣内に残る卵子の数を知るための基準とされています。
個人差があるため、AMHの値だけでは卵子や卵巣の年齢を断定できませんが、AMHの値が高いと年齢が若いと判断されています。
AMHの値が高いということは、AMHを分泌している卵胞の数が多いという判断材料になるのです。
反対にAMHの値が低い場合は、AMHを分泌している卵胞が少ない=AMHを分泌していない卵胞も減少している、と考えられます。
卵巣に残っている卵子の数が多ければ、卵巣の年齢は若いということになるのです。
卵子の質がよいのか、そうではないのか判断するには、女性の年齢を基準に考えた方がよいと言われています。
女性の年齢が上がれば、それだけ卵子の年齢も上がり、卵子の老化が進んでいると考えられるのです。
AMHの値は誤差が生じることがあります
人間の身体の中ではさまざまなことが起きているため、検査結果に誤差が生じる可能性は考えられます。
AMHは体調などによって変化しやすいホルモンの値であるため、数値に誤差が生じやすいという特徴があります。
しかし数値の多少の増減に関して、あまり神経質に考える必要はありません。
きっかりと正確な数値が出ない可能性があるということを、覚えておきましょう。
誤差の範囲は、プラスマイナス15%程度だと言われています。
AMHの値は卵巣に残る卵子の数を予測するものですが、AMHの値が高いからといって、妊娠しやすいというものでもありません。
たとえばAMHの値が高くても不規則な生活を送っていれば、不妊を招く可能性があると充分に考えられます。
またAMHの値がゼロに等しくても、不妊治療を経て出産に至ったケースも実在するのです。
大切なのは卵子の数よりも、問題なく受精ができる質を保った卵子が残っているかどうかになります。
AMHの値が高過ぎる時は多嚢胞性卵巣症候群の疑いがあります
検査で測定されたAMHの値が高過ぎる場合は、多嚢胞性卵巣症候群を発症している可能性があります。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣内に卵胞ができても、排卵がされなくなる症状のことです。
発症すると次のような症状が現れるとされています。
- 月経不順や無月経
- 排卵障害
- 黄体ホルモンの分泌不全による出血
- 男性ホルモンの増加によるニキビや多毛
また卵巣内に小卵胞が多数出現することによって、卵巣に腫れが生じることがあります。
小卵胞がネックレスのように連なっているため、「ネックレスサイン」とも呼ばれています。
多嚢胞性卵巣症候群が発生する原因について、詳しいことはまだ判明していません。
内分泌の異常、もしくは糖代謝の異常が原因ではないかと言われています。
黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモンのバランスが乱れ、卵胞の発育を妨げます。
排卵がないと黄体化ホルモンが増えやすくなるという、悪循環に陥ります。
多嚢胞性卵巣症候群はインスリンの増加を招き、男性ホルモンの分泌を過剰にすると言われています。
男性ホルモンが増えることにより、月経不順が起こりやすくなります。
多嚢胞性卵巣症候群の治療には、不妊治療でもよく使われる排卵誘発剤が用いられます。
症状が重くならないうちに、早めに対処することが肝心です。
(まとめ)卵子や卵巣の年齢を検査する方法とは?
不妊治療では、血液検査によって卵巣予備機能を調べます。
血液検査で判明したAMHの値によって、卵巣内に残る卵子の数の予測ができるようになります。
一般的に、卵子は女性の実年齢と同じだけ年齢を重ねるとも言われています。
AMHは発育過程の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣内にある卵子の数を予測する基準とされています。
血液検査でAMHの値が高ければ、AMHを分泌している卵胞の数が多く、卵巣機能の年齢が若いと判断されることになります。
血液検査で判明するAMHの値は誤差が生じることがあり、小数点以下まで正確な数値が出るわけではありません。
AMHは、体調や生活習慣の影響で変動しやすいホルモンの値になるため、誤差が生まれやすくなります。
AMHの値が高過ぎる場合は、多嚢胞性卵巣症候群の可能性があります。
原因がよくわかっていないため、専門のクリニックで定期的な検査を受けるようにしましょう。
発症した場合は早めの治療が望ましいです。