着床は、受精卵が子宮内膜に根を張って胎盤を作る重要なプロセスです。妊活や不妊治療に取り組むにあたり、まずは着床・妊娠に至るメカニズムや着床後の症状などを知っておきましょう。
この記事では、受精から着床までにかかる日数や着床率を上げるためにできることなどを解説します。
目次
性交から妊娠までのメカニズム
妊娠に至るには、大まかに「受精→子宮内へ移動→着床」という過程を辿ります。
まず性交によって女性の子宮内に精子が入り込みます。精子と卵子が卵管内で巡り合い、融合して受精卵となります。
その後、受精卵(胚)は胚分割をしながら移動し、子宮内膜へ辿り着きます。そして十分に成熟した状態の胚盤胞が子宮内膜に入り込むことで、着床となり妊娠に至るという流れです。
受精から着床までどのくらいかかる?
受精してから着床までは、最短でも1週間前後かかるのが一般的とされています。
ここでは、自然妊娠と体外受精の着床までの期間の違いや、妊娠判定日について解説します。
受精から着床までの期間は1週間前後
自然妊娠の場合、着床までの期間は一般的に1週間前後といわれています。
具体的には、受精卵が子宮まで到達するのに3〜4日程度、そこから根を張り着床するまで6日程度かかるといわれています。着床までの期間には個人差もあるため、1週間以上かかる場合もあります。
着床=妊娠ではない?妊娠判定はいつ?
着床したからといって、妊娠が確定するわけではありません。胎児の心拍を確認できて初めて妊娠確定となります。着床したばかりでは心拍の確認ができず、流産するリスクもあるからです。
月経予定日から1週間生理が遅れている場合、妊娠している可能性が高いといえます。妊娠検査薬などで、陽性反応を確かめることも可能です。その後も月経が遅れている場合、必ず医療機関を受診して正確な妊娠判定をしてもらいましょう。
なお、体外受精の場合は胚移植をしてから10日前後に、医療機関で妊娠判定を実施します。
体外受精の場合、着床までの期間は?
体外受精の場合、着床までの期間は受精卵(胚)の状態によって異なります。
4〜8分割した初期胚の場合は移植後3〜5日程度、さらに分割が進んだ胚盤胞の場合は移植後1〜2日程度で着床するとされています。
自然妊娠と体外受精の着床までのプロセスに大きな違いはありません。ただし、体外受精の場合は体外で受精させて、受精卵を培養する期間があります。したがって体外受精の着床までの期間は「移植してから」でカウントし、受精卵(胚)の状態によって異なるのです。
また、体外受精では成熟した受精卵を受け入れるため、身体の状態を調整する必要があります。妊娠判定までホルモン補充をおこない、胚の日数と身体の状態を合わせて着床率を上げます。
着床するとどんな症状が出る?
着床後は「妊娠超初期」とも呼ばれ、身体に変化が起こることがあります。体調不良のような症状が出たり、人によっては感じない方もいたりと個人差があります。
以下のような症状を把握しておくと、妊娠可能性のサインとしていち早く気付くことができるでしょう。
〈着床後の主な症状〉
- 少量の出血
- 下腹部痛・腰痛
- つわり(吐き気・だるさ)
- 胸の痛み・張り
- おりものの変化
- 貧血・めまい
- 頭痛・偏頭痛
着床後の症状については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
>「受精・着床後の症状は?妊娠超初期症状についても解説」を読む
スムーズな着床のためにできることは?
妊娠を成功させるためには、着床率を上げることがひとつのカギとなります。スムーズな着床を促すために、日常生活でできることから始めてみましょう。
規則正しい生活を送る
まずは規則正しい生活リズムに整えることから意識してみましょう。起きる時間や寝る時間、食事の時間などが不規則になっている場合、体内リズムも乱れて影響を及ぼす可能性があります。
また過度なストレスも身体に悪影響を及ぼします。規則正しい生活を心がける十分な睡眠や食事をとることで、ストレスも軽減できるでしょう。
バランスのよい食事を心がける
ホルモンバランスを整えたり、健康な母体作りをおこなったりするためにも、バランスのよい食事が重要です。脂っこい食事やお菓子、インスタント食品などはなるべく控えた方がよいでしょう。
タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルなど、必要な栄養素をバランスよく取り入れた食事を心がけてみてください。
身体を冷やさない
身体の冷えは血行不良となり、卵巣機能を低下させてしまう可能性があります。ウォーキングなどの適度な運動を取り入れて血流を改善し、身体を冷やさないようにしましょう。出産に向けた体づくりとしても有効です。
葉酸や鉄分を摂取する
妊娠や出産に欠かせないのが、葉酸と鉄分です。葉酸が足りていないと、胎児の神経系の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。鉄分は、子宮内膜を作るのに欠かせない栄養素です。子宮内膜に十分な厚みがないと、着床できず妊娠に至らないこともあります。
日頃の食事から意識して取り入れ、加えてサプリメントも活用して積極的に摂取するようにしましょう。
タバコやアルコール、カフェインは控える
喫煙は子宮内膜の血流を低下させることで、着床しづらくなる可能性があります。さらに卵巣機能の低下、卵子の質の低下、染色体異常の増加なども懸念されるため、禁煙することをおすすめします。
また、過度な飲酒やカフェインの摂取も、卵巣機能の低下につながる可能性があるため控えましょう。
その他
服用している薬によっては、着床や妊娠を妨げる可能性があります。必ず医師に確認しましょう。特に体外受精で胚移植した直後などは、医師の判断に従い安静に過ごすことが大切です。
「妊娠かな」と思ったら?目安とすべきこと
妊娠の可能性に気付いたら、月経予定日1週間過ぎた頃に妊娠検査薬などで確認してみましょう。適切なタイミングで検査をしないと、正確な反応がみられないため注意が必要です。目安は月経予定日から1週間後です。
しかし最終的には、正確な妊娠判定を受けるために医療機関を受診しましょう。なお、体外受精の場合は指定された妊娠判定日まで待つことが多いですが、異変があれば相談しましょう。
妊娠超初期に注意すべきこととリスク
妊娠超初期は胎児の発達に重要な時期であり、女性の身体にも変化が現れます。
特に妊娠超初期〜初期の段階では、流産リスクが高いため注意を払う必要があります。
不正出血や痛みがある場合、切迫流産の可能性も考えられます。「出血=流産」とはなりませんが、状態が1週間以上続く場合は、医療機関を受診しましょう。
妊活や不妊についてお悩みなら六本木レディースクリニックへ
受精から着床までの期間は、一般的に1週間前後とされています。また体外受精では、初期胚の場合「移植後3〜5日程度」、胚盤胞の場合「移植後1〜2日後」とされています。いずれも個人差があり、それ以上の日数がかかるケースもあります。
着床後は妊娠超初期の症状が出たり、胎児にとっても重要な時期であるため、あまり神経質にならずリラックスして過ごすことがおすすめです。
六本木レディースクリニックは、不妊治療・体外受精の多くの実績を持つクリニックです。一人ひとりのお身体に合わせた「オーダーメイド治療」を提案し、無理なく続けられる治療計画を考えます。妊活や不妊でお悩みの方は、まずはカウンセリングにてお話をお聞かせください。