卵子が妊娠に向くピークは26歳といわれています


妊娠を希望する人の中には、自分の体内にある卵子が現在、妊娠するのに向いている状態なのか、それともピークを過ぎて妊娠が難しくなっているのか悩む人もいるかもしれません。卵子の質がよく、妊娠しやすいピークはだいたい26歳と言われています。

とくに30代後半をすぎてからは一気に妊娠率が下がっていくため、ピークを過ぎてからの不妊治療は計画的に行いましょう。

卵子は加齢とともに減っていきます

実は、卵子は女性の体内で日々新しく作られているわけではありません。女性は生まれた時に200万個ほどの卵子を体内に持っており、その生まれ持った卵子を少しずつ使って妊娠の準備をします。

生まれ持った卵子を使い切ってしまえば、もう妊娠することはできません。つまり女性の一生のうち、卵子の数のピークは生まれたその時なのです。

生まれ持った200万個の卵子は、年齢を重ねるごとにどんどん消費されていきます。当然、初潮がこなければ妊娠することができませんが、初潮が始まる思春期の頃には、すでにほとんどが自然消滅しており、卵子の数は20万~30万個にまで減っています。

実質、この20万個~30万個が妊娠可能な女性が持つ卵子の数のピークとなります。ただし初潮が始まったばかりの段階では女性の体はまだ成長期にあり、子宮や骨盤など、子供を体内で育てるための準備が完全には整っていません。

そのため妊娠確率が高い適齢期としてはだいたい26歳がピークと言われています。

排卵日前2日~3日が妊娠のピークです

卵子はただ体内に存在するだけでは受精と結びつきません。卵子が精子と出会い受精卵となるためには、受精できるよう、精子と出会う前に成熟している必要があります。

卵巣の中では、ホルモンの影響を受けて毎月数十~千個ほどが卵胞という卵子を育てる袋の中で育っていき、そのうちもっとも成熟した1つが首席卵胞として選ばれます。このたった1つが精子と出会うことで受精に至るのです。

そして選ばれなかった残りの卵子はしぼんで消滅してしまいます。

選ばれた卵子は、長くても24時間ほどしか生きることができません。さらにそのうち受精できる時間は12時間程度と言われています。

一方で精子の寿命はそれよりは長く、射精から卵子のある場所までたどり着くのに5、6時間、そして卵子と結びつくことができる時間がだいたい48時間~最長で72時間までとなっています。

この2つを組み合わせると、実はもっとも妊娠に向いたタイミングは排卵日当日ではなく、排卵日前2~3日ということになります。

卵子の方が寿命が短いため、寿命が長い精子があらかじめ体内に入って待っていた方が、受精可能な時間が長くなるというわけです。妊娠の確率を上げるためにも、このタイミングを覚えておきましょう。

卵子の数や質を落とさないようにしましょう

卵子の数は毎月の排卵で徐々に減っていき、残り千個程度になったところで閉経となります。しかし数が減ったからといって、それだけで妊娠の確率が下がるというわけではありません。

加齢とともに妊娠確率が下がっていくのには、実は卵子の数ではなく、卵子の質が関係しています。質のよい卵子は育ちもよく、精子と出会った時に受精しやすくなります。

一方で卵子の質が悪いと、精子と出会っても受精に至らない可能性が高くなります。そのため不妊治療をする上で卵子の状態を気にする場合は、数だけでなく質も重要視していかなければなりません。

卵子の質は、加齢による卵巣機能の低下や、ストレスなどでどんどん下がっていきます。そのため卵子をよい状態でとっておくためには、日頃から規則正しい生活を心がけ、栄養バランスに気を遣った食事を取り、ストレスを溜めずに過ごすことが大切です。

卵子の質は、とくに30代後半になると一気に落ちて行く傾向にあり、それが妊娠率の急落に直結しています。卵子の数はAMHという血液検査で調べることができますが、質は調べることができません。

数と質の両方に気を遣い、計画的に不妊治療に臨みましょう。

(まとめ)卵子が受精しやすいピークはいつ?

1.卵子が妊娠に向くピークは26歳といわれています

卵子は26歳頃をもっとも妊娠確率が高いピークとして、それ以降はどんどん下がっていきます。

とくに30代後半になってからは妊娠確率が急落していくため、ピークを過ぎてからの不妊治療は計画的にした方がよいでしょう。

2.卵子は加齢とともに減っていきます

実は卵子の数がもっとも多いピークは生まれたその時です。女性の卵子は新しく作られるわけではなく、生まれた時から加齢によってどんどん減らしていきます。

妊娠するための体の準備が整い、妊娠確率が高くなるのがだいたい26歳とされています。

3.排卵日前2日~3日が妊娠のピークです

卵子は卵巣で育ち、排卵されなければ精子と結びついて受精することができません。排卵された卵子は12時間ほどしか受精能力がなく、精子の力はだいたい48時間をピークとしています。

そのため妊娠のピークは排卵日前2~3日とされているのです。

4.卵子の数や質を落とさないようにしましょう

卵子は減っていきますが、それだけで妊娠の確率が下がるわけではありません。卵子が受精するためには質も重要です。

ストレスや加齢などで質はどんどん下がるため、規則正しく健康な生活を心がけていきましょう。また卵子の数は調べることができます。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師