ビタミンが不足すると卵子の質が低下すると言われています


妊娠するためには、卵子が大きく育ち、受精するだけの力を持っていなければなりません。しかしビタミンが不足すると卵子が育つための環境が整わない状態になることや、あるいは育っても受精する力を持っていない、いわゆる質が低下した状態になりやすくなります。

ビタミンにはほかにも妊娠に関係するさまざまな効果があるため、適切な摂取が重要です。

ビタミンDが妊娠しやすい体を作ります

卵子や妊娠に影響するビタミンにはさまざまなものがあります。その1つがビタミンDです。

ビタミンDは免疫力を高めるのに役立つことでも知られていますが、卵子の形成にも影響することがわかってきました。またビタミンDが不足していると、受精卵の着床率が低下するという説もあります。

ビタミンDは卵子の質や体外受精での妊娠率、卵巣機能など妊娠に関する体のさまざまな機能に深く関わっていると考えられているため、適量のビタミンD摂取が妊娠を全体的にサポートしてくれるでしょう。

ビタミンDは比較的不足しがちと言われていて、適切な摂取量は5.5ug/日が目安です。ビタミンDは太陽の光に当たることで、体内で生成することができます。

また食事からももちろん摂取することが可能です。ビタミンDはとくに魚に多く含まれています。

具体的には、鮭・いわし・しらす干し・さんまなどに豊富に含まれているほか、魚以外でもきくらげや干し椎茸などに多く含まれています。

サプリメントで補充しても問題ありませんが、過剰摂取すると、高カルシウム血症や腎機能障害を起こすことがあるため注意が必要です。

ビタミンEは不妊症に役立ちます


不妊治療の強い味方となってくれるのがビタミンEです。ビタミンEはそもそもラットの実験において抗不妊因子として発見されたという経緯があります。

ビタミンEはトコフェロールという名前で呼ばれることもありますが、このトコフェロールとは「子供を産む力を与える」という意味だということでも知られています。まさに不妊治療のためのビタミンといえるでしょう。

具体的な効果としては、真っ先に挙げられるのが抗酸化作用です。卵巣の中の卵子は長年卵巣の中で保存される過程で徐々に酸化していき、その質が低下していってしまいます。

質が低下すると受精能力が落ちたり、大きく育たなかったりするため、妊娠率も下がってしまうのです。そこでビタミンEを摂取することで、体の抗酸化力を上げれば、卵子の酸化を遅らせることができると考えられています。

卵子は新しく体内で作ることができないため、今残っている卵子をできるだけよい状態で維持することが妊娠率を高めます。さらにビタミンEには抗酸化作用のほかにも、ホルモンバランスを整える効果もあると言われているのもポイントです。

ビタミンEは主にアーモンドに大量に含まれています。その他にはかぼちゃやアボカドなどもよいでしょう。

ちなみにビタミンEはビタミンCと同時に摂取することでより効果を見込むことができます。

ビタミンB群がストレスを減らすのに役立ちます

ビタミンD・ビタミンE・ビタミンCが、妊娠に役立つ主なビタミンとして知られていますが、もう1つ忘れてはいけないのがビタミンB群です。ビタミンB1・B2・葉酸・ナイアシンなど複数の種類があるビタミンB群は、メンタル面でとくに効果を発揮すると考えられています。

ビタミンB群は不安やストレスを解消するのに役立つため、不妊治療でストレスが溜まりがちな夫婦の心を安定させてくれます。

実は不妊の原因にはストレスが影響していることも多いのです。またストレスが加わるとホルモンバランスが乱れたり、それによって卵巣機能が低下したりして、卵子の質も落ちやすくなってしまいます。

ビタミンB群は、B1だけ、B2だけ、というように単体で摂るのではなく、ビタミンB群全体をまんべんなく摂取することで相互に作用し、より高い効果を得られます。

ビタミンB群は主に豚肉や、豚や牛や鶏のレバー、魚介類やほうれん草などの野菜類に多く含まれているのが特徴です。

このように不妊治療の上で役立つビタミンはさまざまなものが存在しています。過剰摂取はかえって危険であるため、適量を守ってバランスよく摂取し、妊娠へと繋げていきましょう。

(まとめ)卵子にビタミンはどう影響するの?

1.ビタミンが不足すると卵子の質が低下すると言われています
ビタミンが不足している状態では、卵子が受精するだけの力を持たないなど、卵子の質が低下しやすくなります。ビタミンは卵子以外にもさまざまな影響を及ぼすため、不足しないようにしましょう。
2.ビタミンDが妊娠しやすい体を作ります

ビタミンDは卵子の質はもちろん、着床率や卵巣機能など妊娠におけるさまざまなところに影響すると考えられています。ビタミンDは魚に多く含まれているのが特徴です。

また体内で作ることもできます。適量を摂取しましょう。

3.ビタミンEは不妊症に役立ちます

ビタミンEは「子供を産む力を与える」という異名を持つほど妊娠と関わりの深い栄養素です。抗酸化作用により卵子の老化を防いだり、ホルモンバランスを整えたりすると考えられています。

アーモンドに多く含まれていて、ビタミンCとの同時摂取が理想です。

4.ビタミンB群がストレスを減らすのに役立ちます

不妊治療はなにかとストレスが溜まりがちです。ビタミンB群はストレスや不安を和らげてくれる効果があるとされているため、ストレス対策として役立つでしょう。

豚肉やレバー、魚介類などに多く含まれているため、まんべんなくビタミンB群を摂りましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師