タンパク質は卵子の成長に影響します


卵子はタンパク質から作られているため、良質なタンパク質の摂取は不妊治療において大切な役割を果たします。タンパク質が足りないと細胞が代謝するための栄養が足りず、卵子の成長に影響を及ぼします。

その他にもタンパク質は体のいたるところで使われている主要な栄養素であるため、意識して高タンパクな食事を心がけるとよいでしょう。

タンパク質は卵子や体と深く関わりがあります

人間の体は約7割が水分と言われています。そしてもう2割を構成するのがタンパク質です。

7割が水分である以上、皮膚・筋肉・骨・血液・臓器などは、ほぼタンパク質でできているといって過言ではありません。そして妊娠において大切な役割を果たす卵子もまた、やはりタンパク質でできています。

さらに皮膚や骨といった目に見えるものだけでなく、さまざまな酵素やホルモンなどに関してもやはりタンパク質でできているのです。

このようにタンパク質は水分の次に人間の体を作る重要な成分であるため、タンパク質が不足すると人間の体は働きが悪くなってしまいます。

実際に不妊治療で悩んでいる人の中には、タンパク質が不足気味で、排卵障害を起こしてしまっている人もいます。

また過度に栄養やカロリーに気をつかいすぎるあまり、結果的にタンパク質が不足してしまっているケースもあります。

高齢で不妊治療や出産をする人も増えていますが、高齢になると代謝が落ちて、卵子の質が落ちやすくなるため、代謝に必要な酵素を作り出すタンパク質を補うことは重要です。

不妊治療のために食生活に気をつかっているのであれば、良質なタンパク質を積極的に摂取するようにするとよいでしょう。

植物性タンパク質を取りましょう


タンパク質というと肉などを思い浮かべる人も多いかもしれません。もちろん、肉に含まれる動物性タンパク質も重要なのですが、それ以上に不妊に悩んでいる人が積極的に摂取すべきだと考えられているのが植物性タンパク質です。

植物性タンパク質を含む食品はいろいろありますが、中でも摂取しやすく栄養的にも優れているものとして、豆乳などの大豆製品を摂取するとよいでしょう。

大豆には妊娠において大切な働きをするエストロゲンと似た働きをすると言われている、大豆イソフラボンが含まれています。

この大豆イソフラボンには抗酸化作用もあり、卵子などが酸化して質が低くなるのを防いでくれると考えられます。

とくに卵子は新しく生産することができず、生まれた時から持っている卵子を大切に使って妊娠に至らなければなりません。そのため卵子の老化を防ぐための対策はとても重要です。

大豆以外にも、植物性タンパク質を豊富に含んでいる食べ物としては、枝豆・そら豆・黒豆など他の豆類や、ナッツ類などが不妊対策としても向いています。

タンパク質だけにこだわらず、バランスのよい食生活をしましょう

良質な植物性タンパク質の摂取は大切ですが、だからといってそればかりを摂取していては、結局栄養バランスを損なうことになりかねません。

また動物性タンパク質にも植物性タンパク質にない種類のアミノ酸などが含まれているため、植物性タンパク質ほどではないにしろ摂取することは重要です。肉だけでなく、魚や卵なども積極的に摂りましょう。

栄養バランスを自分だけで常に保とうとするのはなかなか大変な作業です。またタンパク質の含まれる食材には、当然タンパク質以外の栄養もそれぞれ含まれています。

極端に特定の食べ物ばかりを食べたり、反対に制限したりするのではなく、あらゆる食材をバランスよく摂取するのが、誰にでもできてリスクの少ない方法といえるでしょう。足りない分はサプリメントを使って補っても問題ありません。

肉・魚・大豆製品・海藻・野菜・果物・きのこ・乳製品など、まんべんなくバランスのとれた食生活をして、自然にタンパク質を含む栄養素が体に行き渡るようにしていきましょう。

(まとめ)卵子とタンパク質はどう関係があるの?

1.タンパク質は卵子の成長に影響します

卵子はタンパク質から作られており、タンパク質が足りないと卵子の成長に影響を及ぼします。タンパク質はほかにも人体のあらゆる部分で使われているため、意識して高タンパク質な食事を摂りましょう。

2.タンパク質は卵子や体と深く関わりがあります

人間の体の7割は水分で、2割はタンパク質でできていると言われます。タンパク質が不足すると代謝が落ちたり、排卵障害を起こしたりしやすく、妊娠にも大きく影響します。

とくに高齢での妊娠を望む場合ほど意識してタンパク質を摂りましょう。

3.植物性タンパク質を取りましょう

タンパク質の中でも、不妊治療のために積極的に摂取していきたいのが植物性タンパク質です。とくに大豆に含まれる大豆イソフラボンや、ナッツ類などには妊娠に役立つ栄養素や抗酸化作用などがあります。

適切な摂取で卵子の老化を防ぎましょう。

4.タンパク質だけにこだわらず、バランスのよい食生活をしましょう

いくらタンパク質がよいといっても、その他の栄養素もまた健康や妊娠のためには重要です。

特定の栄養だけ極端に摂るのではなく、肉・魚・大豆製品・海藻・野菜・果物・きのこ・乳製品など、まんべんなく食べていくことで、自然と妊娠のための体が整うでしょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師