ストレスによって卵子の質が変化するといわれています


妊娠するためには、健康な卵子が大きく育ち、受精するだけの力を持っていなければなりません。しかし日々の生活の中で過剰なストレスがかかると、健康な卵子が育ち無事受精卵となるまで、一連の流れのどこかに支障が生じてしまいます。

そのためストレスをできるだけ減らしていくことが、不妊治療では重要なことです。

卵子の大きさと質が妊娠のしやすさに繋がります

卵巣の中にある卵子は、どれでも妊娠する力を持っているわけではありません。最初、卵子は原始卵胞というごく小さな細胞として存在しており、この原子卵胞が複数ホルモンの影響を受け、数ヶ月をかけて排卵のために成長していきます。

そして最終的にもっとも大きい卵胞が選ばれ、卵巣を飛び出して排卵されるのです。一見、もっとも大きく育った卵胞が一番優れているように考えられがちですが、実はこれはたまたま大きく育ったというだけになります。

卵子の大きさももちろん妊娠のしやすさに影響するのですが、もう1つ重要なのが、その卵子の質です。卵子によって、受精できる力は異なります。

卵子の質が高ければ高いほど精子と出会った時受精卵となる確率が高くなるのです。卵子の質が低いと、ごくわずかな確率を乗り越えて精子と出会ったとしても、受精に至ることができません。

そしてこの卵子の大きさや質を決めるのが、体内のホルモンバランスや卵巣機能になります。ストレスが溜まると女性ホルモンなどのバランスが乱れ、卵巣機能が低下しやすくなります。

そのためストレスを溜めない生活を心がけて体質を整え、卵子の大きさと質が落ちないようにすることこそが、妊娠のしやすさに繋がるのです。

ストレスが今残っている卵子の質を変えてしまいます


男性は精巣の中で新たに精子を作ることができますが、実は女性は卵子を新しく体内で作ることができません。女性は生まれ持った200万個ほどの卵子を、年齢を重ねながら少しずつ使っていき、37歳ほどで2万5000個ほどにまで落ち、最終的に千個以下の段階になったところで閉経となります。

つまり30歳の女性が持つ卵子は体内で30年も保存されていた卵子ということになるのです。それだけの長期間体内にいる以上、体調が変われば必然的に卵子の状態も変わっていってしまいます。

またストレスなどを若いうちから溜め込んでいると、それだけ長い時間卵子もストレスに晒され続けることになるのです。さらにストレスだけでなく、加齢も卵子の質を落とす原因になります。

そのためいかにして卵子をストレスから守り、よい状態で最後の妊娠まで保ち続けるかということが重要です。一度落ちてしまった卵子の質を、自然に元に戻すのは難しいことになります。

質が悪くなかなか妊娠に至らない時は、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激して、卵子が育ちやすい環境を整えたり、プラセンタ注射などでホルモンバランスを整えたりなどの方法があります。

ストレスを溜めないように心がけましょう

ストレスは不妊治療にあたって大きな敵となります。不妊治療中はとくに、なかなか妊娠に至らない不安で、ただでさえストレスを溜めやすい時期です。

普段より意識してストレスフリーな生活を心がけましょう。またストレスというのは嫌なことがあった時のような精神面のものだけでなく、不規則な生活など体に対するダメージも含まれます。

できるだけ規則正しく健康的で、リラックスできる環境を整えて下さい。早寝早起きを心がけ、ビタミンなどが豊富な栄養バランスの整った食事を取り、適度な運動をして、喫煙や過度な飲酒を控えましょう。

また趣味に没頭するなど、心の余裕を持つことも大切です。その他に悩みは一人で抱え込むより、パートナー・産婦人科の先生・専門のカウンセラー・友人などと共有した方が、心を軽くすることができます。

ストレスは溜まりすぎると不妊だけでなく、うつや自律神経失調症、その他さまざまな病気などにもつながりかねません。また逆にストレスが解消された瞬間に、妊娠に成功したという人もいます。

たかがストレスと考えず、自分の心身の様子に十分注意していきましょう。

(まとめ)卵子の状態にはストレスが関係するの?

1.ストレスによって卵子の質が変化するといわれています

日常生活の中で過剰なストレスがかかると、健康な卵子が育つのに悪影響を及ぼします。卵子がうまく育たないと受精能力が落ちてしまうなどの問題が発生します。

ストレスを溜めない生活が、健康な卵子を育てるのには大切です。

2.卵子の大きさと質が妊娠のしやすさに繋がります

ストレスが溜まると、ホルモンバランスが崩れるなどして卵巣機能が低下しやすくなります。卵巣機能が低下したままだと、卵子が成長したり、受精する力を維持したりするのが難しくなるのです。

そのためストレスを溜めないことが妊娠のしやすさに繋がります。

3.ストレスが今残っている卵子の質を変えてしまいます

卵子は新しく生産することができないため、ストレスが長期間かかっていると、同じだけ卵子もストレスに晒されることになります。すると卵子の質が落ちてしまい妊娠が難しくなってしまうのです。

質のよい卵子のためには、ストレスへの対策も大切と言えます。

4.ストレスを溜めないように心がけましょう

ストレスには精神面だけでなく肉体面のことも含まれます。規則正しい生活や趣味によるリラックス、気心知れた相手への相談など、ストレス解消の方法を多く持っておきましょう。

ストレスと不妊は大きく関係するため、適切なケアが必要です。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師