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卵子がどのくらい生きるのかは卵子の状態で異なります
卵子は他の細胞と異なり、新しく作られるわけではありません。そのため卵子がどのくらい生きるのかという答えの鍵は排卵にあります。
卵巣の中の卵子は、排卵されてから24時間ほどで受精能力を失い、寿命を迎えます。卵子がいつ排卵され、どのくらい生きるのかをあらかじめ知っておくことが、妊娠の確率を高める秘訣です。
卵子の年齢は本人の年齢と同じです
髪や皮膚、血液など、人間の体を構成するあらゆるものは細胞分裂を繰り返すことによって日々新しいものに生まれ変わっています。しかし卵子の場合は実は事情が異なります。
卵子の場合は女性の体内でその都度生産されているわけではないのです。女性は生まれてくるその時に卵子をすでに体の中に数百万個持った状態でいます。
そして一生をかけてその卵子を少しずつ使うことで妊娠に備えるのです。
つまり実質卵子の年齢は本人の年齢とイコールということになります。また蓄えられている、卵子のもととなる原始卵胞は年齢を重ねるごとに少しずつ自然消滅して行きます。
その上、初潮を迎えたあともやはり自然消滅は続き、加えて毎月排卵が行われるようになることから、その排卵でも月に千個程度が失われていきます。
こうして最終的に残り千個以下になることで閉経となるのです。
そのため卵子がどれくらい生きるのかが妊娠に関わるのは主に排卵後のことになります。閉経前であれば常に卵巣の中に卵子のもとが保存されているため、全体数は減っていくものの、卵子そのものの寿命は実質ありません。
排卵された卵子には寿命があります
卵子がどのくらい生きるのか、時間を気にする必要があるのは主に排卵時です。毎月、原始卵胞という卵子が成長するための袋の中で、卵子が複数成長していきます。
最終的にもっとも大きく育った1つが選ばれ排卵され、この排卵された卵子が精子と結びつくことで受精卵となるのです。
しかしこの時、卵子が精子と結びつくことができるだけの能力を持っている時間は限られています。
卵子が排卵されてから寿命そのものは24時間と言われていますが、受精が実質可能な時間はそのうちたったの6~8時間しかありません。
また精子の方にも卵子よりは長いものの3~5日という寿命があり、しかも射精後、卵子と結びつくことが可能な状態に変化するためには5、6時間を要します。
すなわち仮に射精と排卵が同時だとタイミングが合わずに受精できない確率の方が高くなってしまうのです。
精子の方が寿命は長いため、あらかじめ排卵日の3日前~当日までに射精し、精子と卵子とが出会う卵管膨大部で精子が待機していた方が、受精確率が高くなります。
排卵日を正確に調べましょう
排卵されたあとの卵子の寿命はシビアです。妊娠確率を上げるためには、排卵日を事前に調べて、可能な限り正確な予測を立てておくことが重要となります。
排卵日は複数の方法で調べることが可能です。まず誰でも簡単な方法は基礎体温を調べることです。
排卵期が近づくと、2、3日の間だけ0.3~0.6℃ほど体温が下がります。そして排卵後は体温が上がっていくのです。
ごくわずかな変化であるため、0.01℃単位で測れる婦人体温計を使い、細かくグラフにつけていくのが望ましいでしょう。
排卵日前後で体温が落ちるため、正確な排卵日を知ることはできませんが、自分のリズムを知る目安として役立ちます。
またもう1つの方法はおりものです。排卵期が近づくとおりものは透明で、においは少ないものの、卵の白身のようなどろっとした状態になり、量も多くなります。
こちらも基礎体温と同様に目安の1つとするとよいでしょう。
さらに正確に予想したいのであれば、薬局で購入できる排卵日検査薬を使用すれば36時間以内に排卵が起こるかどうかを調べられます。
また婦人科でエコー検査をして卵胞の成長状態を調べてもらう方法もあります。
(まとめ)卵子はどのくらい生きるものなの?
卵子が生きていられる時間は、排卵後24時間と言われています。卵子はそのままでは他の細胞のように新しく作られて分裂したり消滅したりするというサイクルにありません。
卵子がいつ排卵されるのかを事前に知っておくことで妊娠計画に役立つでしょう。
卵子は通常の細胞のように新しく作られるのではなく、生まれた時から体の中に持っているものです。排卵と自然消滅により数を減らしていき、千個以下になると閉経となります。
そのため全体数は減るものの寿命という概念はあまりありません。
卵子の寿命が重要となるのは排卵時です。排卵された卵子は24時間しか生きることができません。
その上、受精能力があるのは6~8時間のみです。この間に精子と出会う必要があるため、排卵日の3日目~当日までに精子が体内で待機しているのがベストです。
排卵後の卵子の寿命は24時間しかないため、排卵日をできるだけ正確に予測することが妊娠の秘訣です。
基礎体温を測ったり、おりものを観察したり、あるいは排卵日検査薬を使用するなどで、排卵日を予測することができます。