酵素も葉酸も妊婦には必要ですが、正しい摂取が大切です


酵素は妊婦が栄養を効率よく使うために欠かせず、葉酸もまた赤ちゃんの健やかな成長のために欠かせない栄養素です。どちらも、不足しては妊娠中影響があるでしょう。

しかし葉酸と酵素だけが重要というわけではなく、たとえば酵素だけを摂取していれば葉酸は不要というわけでもありません。それぞれなぜ必要なのかを理解して正しい摂取を心がけましょう。

酵素はさまざまな栄養を体内で利用するために必要です

よく酵素がよいと言われますが、酵素とは具体的にどのようなものなのか知らないという人もいるでしょう。酵素を簡単に言ってしまうと、体内に栄養が入った時、その栄養を体内で使うために必要な物質ということになります。

たとえば葉酸は赤血球の生成を補助するなど造血作用に欠かせないことで知られていますが、葉酸が赤血球を生み出すためには、葉酸が体内に入った後酵素の力を借りて吸収しやすいよう変化しないといけないのです。そしてさらにその酵素の働きを亜鉛が助けるというような関係になっています。

酵素の力がなければ、葉酸を摂取しても体の中で働くことができなくなってしまうでしょう。そのため酵素の摂取は多くの栄養を必要とする妊婦にとっても重要なのです。

また1つの酵素ですべての栄養素を担当するわけではなく、それぞれの栄養素を働かせるための酵素がそれぞれ存在します。酵素ドリンクなどに何種類もの酵素が含まれているのはこのためです。

酵素が多く含まれているのは生野菜など、生の食べ物です。妊婦となると薬もうかつに飲めませんが、サプリメントなどに関しても注意した方がよいでしょう。

できる限り食べ物から積極的に酵素を摂取できるようにしていきましょう。

葉酸は赤ちゃんが神経管閉鎖障害を起こすリスクを下げます


一方で葉酸は酵素以上に妊婦に必須ともいえる栄養素です。その理由として、妊娠初期の葉酸の摂取が、赤ちゃんの神経管閉鎖障害という先天異常のリスクを下げるということが挙げられます。

神経管閉鎖障害は、妊娠のごく初期、4~5週に起こると言われるものです。赤ちゃんの神経管という部分が塞がってしまい、脊椎外に脊髄が飛び出てしまう二分脊椎、また無脳症といった、流産にも繋がる重大な障害が起こります。

葉酸を摂取することで、このリスクを50~70%も引き下げると言われています。そのため妊娠前から積極的に摂取していくのが最善なのです。

酵素も重要ですが、神経管閉鎖障害を防ぐのは葉酸であるため、葉酸をまず摂取していくべきでしょう。ただしこの先天異常が起きる神経管は6週末で形成がほぼ完了します。

そのため6週以降、長くとも妊娠4ヶ月以降に葉酸を摂取しても障害を防ぐ効果はありません。妊娠初期は葉酸を重要視して、後期に入ったら酵素も意識していくことで、両方の効果をよく得ることができると考えられます。

両方を同時に摂取する際は注意が必要です

酵素と葉酸、どちらも体内で必要なものであるため、両方を同時に摂取することは問題ありません。しかし食べ物から摂取するならともかく、サプリメントやドリンクなどを利用する場合は少し注意が必要です。

まず妊娠中ということから、一番心配なのが体調変化の問題です。普段ならなんともないものでも、妊娠中という特殊な時期に摂取することで体調を崩してしまうことや、お腹の赤ちゃんに影響してしまう可能性がないとは限りません。

また複数のサプリメントなどを併用すると、メーカーの意図しない使い方となり、飲み合わせが悪くなることも考えられます。その他、病院でなんらかの薬を処方された際、その薬ともやはり相性を考えなければなりません。

妊婦用のものや添加物のできる限り少ないものを選ぶだけでなく、病院に相談してみるのが一番確かな方法です。

またサプリメント等は簡単に使えることから、過剰摂取になる心配もあります。いくら体によいといっても、摂りすぎはかえって害になってしまうこともあるのです。

使用方法や目安量を守り、また酵素や葉酸以外の栄養素もまんべんなく摂るようにしましょう。

(まとめ)妊婦には酵素と葉酸が重要なの?

1.酵素も葉酸も妊婦には必要ですが、正しい摂取が大切です

妊婦が栄養を体内で使用するためには酵素が必要です。また葉酸も赤ちゃんの健全な成長に欠かせない栄養素となります。

ほかにも必要な栄養素はあるため、それぞれの有用性を知って正しい摂取をしていきましょう。

2.酵素はさまざまな栄養を体内で利用するために必要です

酵素は、栄養が体内に吸収されてそれぞれの働きをするために欠かせない存在です。栄養を摂取しても酵素がなければ意味がないがゆえに、重要な役割を果たしています。

生野菜など生の食べ物から積極的に摂取しましょう。

3.葉酸は赤ちゃんが神経管閉鎖障害を起こすリスクを下げます

葉酸は妊婦に対しては、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを下げるという大きな役割を果たしています。妊娠初期における葉酸の摂取は欠かせないといってよいでしょう。

初期は葉酸、それ以降は酵素も意識して摂取するのが大切です。

4.両方を同時に摂取する際は注意が必要です

葉酸と酵素、両方を同時に摂取しても問題ありません。しかしサプリメントやドリンクには葉酸や酵素以外のものも含まれているため、相性や添加物には注意が必要です。

また過剰摂取もリスクがあるため控えましょう。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師