葉酸はいつからいつまで必要?妊娠前から摂るべき?画像
妊活中や妊娠中に、葉酸サプリの摂取を検討している方は多くいらっしゃいます。しかし、具体的にいつから摂り始めればよいのでしょうか。
この記事では、葉酸を摂り始める時期と、摂取が必要となる期間について解説します。

葉酸はいつからいつまで摂取する必要がある?

葉酸は妊娠の1ヵ月前からを目安に、妊娠中・出産後・授乳中までの積極的な摂取が推奨されています。
ここからは、葉酸の役割や期間についてより詳しく解説します。

そもそもなぜ葉酸が必要なの?

妊娠中に葉酸が必要といわれるのは、摂取することで胎児の神経管閉鎖障害や低体重、流産リスクを下げられるからです。

葉酸はビタミンB群のひとつで、胎児の細胞分裂や妊婦の血液を作るサポートの役割を担います。葉酸が不足すると、赤ちゃんの神経系(脳や脊髄)に障害が生じる恐れがあります。
また妊婦の血液が作られないとうまく栄養を運べなくなり、低体重や早産・流産のリスクが高まるといわれています。そのため、特に妊娠中は葉酸の積極的な摂取が推奨されています。

詳しくは下記の記事でも解説しています。
>「妊活・妊娠中に葉酸を摂る理由は?いつから飲む?不足のリスクと摂り方も解説」を読む

摂り始めの目安は妊娠1ヵ月前から

厚生労働省の基準では、「妊娠の1ヵ月前から」葉酸を摂り始めるよう示しています。ただしこれはあくまで目安です。
実際にいつ妊娠するかはわかりませんので、妊活や不妊治療中の期間に葉酸を意識的に摂取するのが望ましいといえます。

妊娠初期に葉酸が特に必要になる

葉酸が特に重要とされる時期が、妊娠初期です。妊娠初期(妊娠6週末まで)は、お腹の中で胎児の神経管が形成される重要な期間です。この時期に神経管の形成に異常が生じると、神経管閉鎖障害となる可能性が高まります。

神経管閉鎖障害には、主に次のようなリスクがあります。

  • 脳が変形する、または欠損する「無脳症」
  • 神経が脊椎管の外に出て、下半身麻痺などを引き起こす「二分脊椎」
  • しかし葉酸を摂ることで、これらのリスクを低減できることがわかっています。そのために、特に妊娠初期の葉酸の摂取が重要とされているのです。

    妊娠中期以降は摂取しなくてもいい?

    妊娠初期を過ぎ、妊娠中期に入ると安定期となります。初期流産のリスクが減少してつわりも収まる時期ですが、妊娠初期を過ぎても葉酸は重要な栄養素に変わりはありません。妊娠中期以降の葉酸の摂取は、胎児の細胞分裂を助けて正常な発育をサポートしてくれます。また妊婦の貧血防止にも効果があります。

    さらに出産後や授乳中も、産後の回復や母乳の生成を助けるのに役立ちます。したがって、葉酸は妊娠前から出産後および授乳期間まで、摂取するべき栄養素であるといえます。

    ただし葉酸の必要摂取量の目安は、時期によって異なるため量の調整が必要でしょう。
    出産後の葉酸の摂取についてはこちらの記事でも解説しています。
    >「葉酸は出産後も飲むべきなの?」を読む

    妊婦が摂取すべき葉酸の量の目安

    食事から摂る葉酸の1日の摂取推奨量は12歳以上であれば男女問わず240μg程度ですが、妊婦の場合は必要量が増え、通常の食事以外からも葉酸を補うことが望まれます。

    葉酸の必要摂取量は、時期によって次のように異なります。

    妊娠前~妊娠初期

    妊娠前から妊娠初期の必要摂取量は、1日あたり640μgです。通常の2倍以上の摂取量が必要になるため、食事だけでなくサプリメントを利用して葉酸を摂取するようにしましょう。
    食事から240μg、サプリメントから400μg摂取するのが理想的です。

    葉酸は妊娠前から積極的に摂ることが勧められています。妊活中・不妊治療中の方も、バランスのよい食事を意識するとともに、葉酸サプリメントを利用して摂取するようにしましょう。

    妊娠中期~妊娠後期

    妊娠中期から後期の必要摂取量は、1日あたり480μgです。妊娠初期に比べると必要量はやや減少しますが、葉酸は妊娠中に欠かせない栄養素のひとつです。葉酸には造血作用もあるため、胎児に十分な栄養を運ぶためにも必要になります。
    食事から240μg、サプリメントから240μg接種するのが望ましいです。サプリメントの葉酸含有量を見直して、量を適宜調整するとよいでしょう。

    出産後・授乳中

    出産後・授乳中も引き続き葉酸が必要になります。1日あたりの必要摂取量は340μgです。葉酸は出産後、母体の回復を助けたり、ホルモンバランスを整えたりする役割も果たします。また、母親の血液から作られる母乳の生成もサポートしてくれます。

    必要摂取量は340μgのため、普段の食事だけでも賄える量ではあります。しかし普段の食生活が乱れていたり、葉酸を意識した食事が摂りづらい方はサプリメントを活用して調整するのもよいでしょう。

    葉酸はサプリメントで摂取しても問題ない?

    葉酸はサプリメントで摂取しても問題ありません。ただし、普段の食事からも葉酸を摂り入れ、付加的にサプリメントで補うのが望ましいでしょう。

    一方で、妊娠中はつわりで十分な食事がとれない方も少なくありません。そのような場合も、無理せずサプリメントを活用して調整しましょう。

    葉酸の過剰摂取は悪影響?飲み忘れたらどうする?

    葉酸の耐容上限量は、1日900〜1,000µgです。この上限を超えると過剰摂取となり、体調不良や胎児に悪影響が及ぶリスクもあるといいます。
    特にサプリメントは手軽に飲みやすいため、過剰摂取に注意しましょう。飲み忘れた場合もまとめて必要以上に摂取するのではなく、各サプリメントに記載の用法用量を守って服用してください。

    葉酸の過剰摂取についてはこちらの記事でも解説しています。
    >「妊婦が葉酸を過剰摂取するとどうなるの?」を読む

    妊娠や不妊についてお悩みなら六本木レディースクリニックへ

    妊活や不妊治療中の方は、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。また、すでに妊娠中の方も、産後から授乳期間まで、意識的に葉酸を摂取することが望まれます。ただし、サプリメントは過剰摂取とならないように、時期によって量を調整することが大切です。

    六本木レディースクリニックは、不妊治療専門のクリニックです。不妊の原因やお身体の状態、置かれている環境など、患者さま一人ひとりに合った「オーダーメイド治療」を実施しています。不妊にお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。


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    監修医情報

    六本木レディースクリニック
    小松保則医師
    こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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    経歴
    帝京大学医学部付属溝口病院勤務
    母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
    国立成育医療研究センター不妊診療科
    六本木レディースクリニック勤務
    資格・所属学会
    日本産科婦人科学会 専門医
    日本産科婦人科学会
    日本生殖医学会
    日本産科婦人科内視鏡学会

    運営者情報

    運営クリニック 六本木レディースクリニック
    住所 〒106-0032
    東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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    院長 小松保則医師