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葉酸の働きが、疲れにくい体を作ることに役立ちます
葉酸には、疲労回復などの効果があるとは考えられていません。しかし葉酸の持つ細胞分裂を助ける働きや、タンパク質の合成を助ける働き、また赤血球の合成を補助する働きなどが組み合わさることより、結果的に疲労回復に役立っているという可能性は考えられます。
疲れにくい体を目的として葉酸を摂取するのであれば、葉酸以外のほかの栄養素もあわせて摂取していくとよいでしょう。
葉酸の働きが、新陳代謝の活性化に繋がります
疲れやすいという状態にはさまざまな理由が考えられます。生活習慣が乱れていてホルモンバランスが崩れていたり、精神的あるいは肉体的ストレスを感じていたり、内臓の機能が落ちて体に負担がかかっていたりと、その原因は多岐にわたるため、一概に葉酸を摂取すれば疲れにくい体になるとは言い切れません。
しかしながら葉酸は細胞分裂を助け、タンパク質やDNAの合成などに深く関わります。体中のあらゆる細胞の移り変わり、つまり新陳代謝には欠かせない栄養素であるため、葉酸が十分に体に足りていることで、体内の機能が活性化しやすくなると考えられるでしょう。
また葉酸はウイルスから体を守る白血球の生成にも関わります。そのため葉酸を摂取することで免疫力の向上にも役立つはずです。
その他、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの合成にも関与することから、精神的にも疲れにくくなることが考えられます。このように葉酸は体中のあらゆるところに関わるため、積極的な摂取が最終的に、疲れにくい体を得ることに繋がるでしょう。
葉酸には造血補助作用があると考えられています
葉酸と疲労との関係で、もう1つ知っておきたいのが貧血防止に関する効能です。葉酸は造血のビタミンと呼ばれていて、主に赤血球を作り出すことに関係しています。
貧血というと鉄不足によるものが一般的ですが、葉酸が不足しても赤血球がうまく作れずに貧血となってしまうのです。血中のヘモグロビン濃度が低下している状態や赤血球が足りない状態を貧血と呼びます。
赤血球は体中に酸素を運んでいるため、赤血球が足りないと体全体が酸素不足に陥るなどして、内臓などの機能が低下してしまいやすくなるのです。その結果として体がだるかったり、疲れやすくなったり、めまいやふらつきを感じたり、すぐ息切れしてしまったりなど、全体的に体の疲労を感じることが多くなります。
葉酸を摂取することで効率的に赤血球が作られるため、貧血防止につながり結果的に疲れにくい体を作ることに役立つでしょう。この場合、葉酸だけではなく鉄やビタミンB12も赤血球の合成に関係するため、同時に摂取することで、より効率よく体内で葉酸を利用することができると考えられています。
他の栄養素もあわせて摂取しましょう
葉酸はビタミンB群に属する栄養素です。実は葉酸のようなビタミン類は、単独で摂取するよりも、他の相性のよい栄養素と一緒に摂取することで、お互いに助け合って作用すると考えられています。
そのため葉酸の効果を得たいのであれば、まずは葉酸を不足しないように摂取した上で、他の栄養素も同時に摂取していく必要があるのです。葉酸と相性のよい栄養素としては、ビタミンC・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12などが挙げられます。
マルチビタミンなどのサプリメントを利用するのが便利です。
葉酸を摂取する上で、1つ注意しておきたいのが葉酸不足を引き起こす生活習慣です。実は飲酒や喫煙を好む場合、体内でうまく葉酸が吸収されなかったり、葉酸を通常より多く消費してしまったりして、葉酸不足に陥ってしまっていることがあります。
そのため積極的に緑黄色野菜などで葉酸を摂取していても、葉酸不足で疲れやすくなってしまうケースもあるのです。日頃から飲酒や喫煙が習慣になっている場合は、サプリメントなども利用して、過剰摂取にならない程度に多めに葉酸を摂取するとよいでしょう。
(まとめ)葉酸を摂取すると疲れにくいって本当?
葉酸には特別、体が疲れにくくなるといった効果は見込めません。しかし細胞分裂や造血の補助など葉酸ならではの役割を果たした結果、疲れにくい体を作ることに役立っている可能性はあります。
体が疲れる原因はさまざまであるため、葉酸が必ず効果的であるとは限りません。しかし葉酸を摂取することで、内臓機能が活発になったり免疫力が上がったりしやすくなるため、全体的に疲れにくい体を得やすくなるでしょう。
葉酸は貧血防止に効果的とされる栄養素です。貧血になると、めまい・ふらつき・疲れやすい・だるいなどの症状が出やすくなります。
葉酸や鉄などを摂取すれば貧血も解消され、疲れやすいなどの症状が緩和することもあるでしょう。
葉酸は他の栄養素と協力して働くため、他のビタミンなどを一緒に摂取することが葉酸を効率よく利用するコツです。また飲酒や喫煙の習慣は体内の葉酸を消費してしまうため控え、葉酸の意識的な摂取を心がけましょう。