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コーヒーが体外受精の成功率を下げるという医学的実証はされていません
コーヒーを飲むと体外受精の成功率が下がってしまうという証明はされていません。
また摂取によるリスク評価もされていないため、コーヒーに対する捉え方は実にさまざまです。
コーヒーは妊活に良くないものと考え、体外受精中にコーヒーを飲むことを禁止、もしくは飲む杯数を限定しているクリニックもあれば、コーヒーに悪影響はないものとしてとくに制限を設けていないクリニックもあります。
コーヒーの摂取量に関する共通基準はなく、国によっても摂取量の定めはまちまちです。
体外受精にコーヒーが良くないとされる理由はカフェインです
コーヒーがこのような話題に挙がってしまう理由は、カフェインを含んでいることにあります。
カフェインを摂取することで交感神経が刺激されホルモンバランスが崩れてしまい、自律神経が乱れてしまう原因になると考えられています。
コーヒーは眠気覚ましとしても広く好まれていますが、覚醒作用があるのはカフェインが交感神経を刺激するためです。
自律神経失調症は生理不順の原因となることがあり、不妊に繋がるとされています。
他にもカフェインによって、冷え・めまい・吐き気・下痢・興奮・不安・震え・心拍数の増加が起こると言われています。
カフェインのデメリットばかりがクローズアップされてしまう理由として、コーヒーが好きな人は日に何杯も飲む傾向があるということが挙げられます。
カフェインの一日あたりの摂取量は一般的には400㎎が目安とされています。
コーヒー100mlには約60㎎のカフェインが含まれていますので、仮に毎日10杯ものコーヒーを飲むとするとカフェインを過剰摂取している可能性があります。
カフェインは体質や体格などによって安全に摂取できる量に違いがあり、適切な摂取量の基準は人それぞれです。
カフェインにはガンの進行を抑える効果があるという科学的なデータも報告されており、身体に悪いものと言い切ることはできません。
また摂りすぎなければ交感神経が適切に働き、集中力アップの効果があるとも言われています。
コーヒーに関わらず限度を超えて摂取すれば、どんなものでも身体に負担をかけてしまうことを心得ておきましょう。
コーヒー以外にもカフェインを含むものがあります
カフェインを含むものはコーヒーだけではありません。
身近な飲食物の中には、カフェインが含まれているものが実に数多くあります。
それぞれ飲み物100mlにあたり、どれぐらいカフェインが含まれているのか、見てみましょう。
様々な飲料会社、国民生活センターなどの提供する情報に基づいたデータはこちらになります。
- 玉露(約160mg)
- 煎茶(約20mg)
- 紅茶(約30mg)
- ウーロン茶(約20mg)
- コーラ(10~19mg)
また下記のものは1本あたりのカフェイン含有量です。
- エナジードリンク(22~142mg)
- 栄養ドリンク(30~50mg)
- 眠気覚ましドリンク(100~150mg)
そのほかに意外かもしれませんが、医薬品にもカフェインが含まれていることがあります。
とりわけカフェインを多く含む代表的なものが以下の3つであり、含有量は服用1回分あたりの数値を明記しています。
- 総合感冒薬(25mg)
- 解熱鎮痛剤(80mg)
- 鼻炎用カプセル(100~150mg)
ノンカフェインの医薬品もありますがカフェインの有無に関わらず、体外受精の治療中は飲み合わせを考慮し、服用したい場合は必ずクリニックに相談をしてください。
自己判断で服用してしまうと思わぬ副作用が起きてしまうことも考えられます。
体外受精中でも安心してコーヒーを楽しむ方法があります
カフェインの影響が心配だけれども、どうしてもコーヒーが飲みたいという時は、カフェインレスのコーヒーを選びましょう。
カフェインをまったく含まないデカフェと呼ばれるものや、たんぽぽコーヒーならカフェインの影響を心配することなくコーヒーを楽しむことができます。
たんぽぽコーヒーはたんぽぽの根を焙煎したもので、コーヒー豆は使用されていません。
昔からたんぽぽの根は「蒲公英(ほうこうえい)」という名で知られており、漢方薬として使われた長い歴史があります。
たんぽぽコーヒーは香ばしい風味がし、くせがないのでとても飲みやすいです。
妊活中とはいえ、大好きなコーヒーを我慢するのは辛いものです。
我慢することがストレスになり、ストレスが体外受精に悪影響を与えてしまうという事態は避けたいところです。
体外受精とコーヒーの相互関係は不確かな部分も多いため、飲む量などで不安があればクリニックに訊いてみましょう。
ストレスを抱え込まず、穏やかな気持ちで妊活ライフに臨んでください。
(まとめ)体外受精の治療中にコーヒーを飲んではいけないの?
コーヒーが体外受精の成功を妨げるという医学的実証はされていないため、コーヒーに対する考え方にはクリニックによって違いがあります。
コーヒーの摂取量については国際的な共通基準もなく、国によっても判断が分かれるところです。
コーヒーに含まれるカフェインが不妊の原因となる冷えや自律神経の乱れを招くと考えられています。
とはいえ、その多くが過剰摂取によるものであり、適量に摂取すればガン予防や集中力が上がるなどのメリットも報告されています。
コーヒー以外の飲料や医薬品にもカフェインが多く含まれている場合があります。
とくに医薬品を服用したい場合は副作用を防ぐためにも、必ずクリニックに相談するようにしましょう。
安心してコーヒーを楽しみたい時は、カフェインレスのコーヒーを飲みましょう。
たとえばたんぽぽコーヒーは、コーヒーに似た香ばしい味わいがします。
またコーヒーの影響が心配な時はクリニックに相談し、適切なカフェイン摂取量を把握しましょう。