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体外受精で治療時にはエストラーナというテープ状の薬が処方されることがあります
体外受精での不妊治療の際には、これまで内科などで使ったことのない薬が処方されることがあります。
そのうちのひとつに、テープ状の貼り薬があります。
エストラーナという名前で、貼るタイプのホルモン剤です。
決まった時間に飲まなければいけないピルとは異なり、テープ状の薬は飲み忘れる心配がないため、便利ですが、皮膚の弱い方にはおすすめできません。
エストラーナはテープ状のホルモン剤です
不妊治療の際には、さまざまなタイプの薬が処方されることがあり、処方された薬によっては効果や使い方、副作用などが心配になるということも少なくありません。
経口薬や点鼻薬など様々な種類がありますが、その中でもエストラーナという薬はテープ状になっており、下腹部や腰部の肌に直接貼り付けるタイプのものです。
エストラーナテープはエストラジオールが主成分となるホルモン剤で、不足しているホルモンを補う目的で処方されます。
皮膚の表面から成分が吸収されて血中に入り、体の中で作用します。
処方される枚数や、下腹部に貼る枚数には個人差があり、その方のホルモン値に合わせて医師が処方します。
2日ごとに、医師に指示された枚数を守って貼りかえます。
貼るのを忘れた場合は、気がついた時点で1回分を使い、2回分を同時に使わないようにすることがポイントです。
間違えて多く貼ってしまった場合はすぐにクリニックに連絡を取り指示を仰ぎましょう。
エストラーナテープは下腹部のおヘソ辺りに貼り付けて使います
エストラーナの大きさは2.6×2cm程度の小さなテープです。
うすい橙色の貼り薬で、下腹部のおヘソ付近に貼るのが一般的です。
腰部や臀部(お尻)に貼っても問題ありませんが、ベルトラインに貼るとこすれて剥がれやすくなるためおすすめできません。
皮膚から成分を直接吸収するため、傷がある部分や湿疹、皮膚炎やかぶれがある部分には貼らないように注意しましょう。
また胸部へ貼るのは絶対に避けてください。
皮膚が弱いかたは、テープによりかぶれる場合があります。
なるべく肌の薄い部分を避けることをおすすめします。
お風呂上りやスポーツのあとなど、汗をかいた場合は、特にかぶれやすくなるため、貼り換える場合は肌をきちんと乾かして、水分を取ってから行うようにしましょう。
かぶれ防止対策としては、同じ場所に貼らないように、毎回貼る場所をずらしたり、テープをはがしたあとは保湿剤をぬったりするなどの方法がおすすめです。
水ぶくれができるような場合は、主治医に相談してテープ状のホルモン剤以外のホルモン剤に変更できないか確認してみましょう。
副作用には胸の張りや痛み、性器からの不正出血などがあります
どのような薬にも効果とともに、副作用がつきものです。
エストラーナテープの場合、副作用は主に、胸の張りや胸の痛み・性器からの不正出血・頭痛・吐き気・嘔吐・むくみ・倦怠感などがあります。
副作用の出方は個人差が大きく、1つの症状だけが出る場合もあれば2つ以上の症状が合わさって出る場合もあります。
副作用の症状の強さにも個人差があり、まったく副作用が出ないという方も少なくありません。
エストラーナテープの副作用のうち、重篤な症状として呼吸困難やじんましん、全身のひどい倦怠感などはアナフィラキシーショックの症状の可能性が高いため、すぐに医療機関に連絡を取り指示を仰ぎましょう。
まれに血栓症の原因になることもあるため、足の痛みや浮腫、しめつけるような胸の痛みや息切れが現れた場合も医療機関を受診することをおすすめします。
ホルモン剤は、テープ以外にも経口薬や膣坐薬、ジェル状の塗り薬など様々な形状のものがあります。
副作用の症状が強く、テープの使用が辛い場合なども、テープ以外のホルモン剤へ変更できないか主治医に尋ねてみましょう。
(まとめ)体外受精時にはテープ状の薬が処方されることがある?
体外受精での不妊治療時には、エストラーナというテープ状の貼り薬が処方されることがあります。
経口薬と異なり飲み忘れる心配がなく非常に便利ですが、貼ったまま日中過ごすため、皮膚の弱い方はかぶれやかゆみが出ることもあります。
エストラーナテープは下腹部の肌に直接貼って使うテープ状のホルモン剤です。
貼る枚数はその方のホルモン値によって決められるため、医師の指示通りに使うことが大切です。
2日毎に貼り換えるようにし、使い忘れた場合は気が付いた時に1回分を使います。
エストラーナテープは、傷やかぶれ、湿疹がある部分を避け、下腹部の肌に直接貼り付けます。
胸部に貼るのは特に避けてください。
また肌が弱いとテープでかぶれてしまうこともありますから、かぶれやかゆみが酷い場合には、主治医に相談しましょう。
副作用には胸の張りや胸の痛み、性器からの不正出血、頭痛、吐き気などがあります。
アナフィラキシーショックや血栓症が疑われる症状が出る場合もあり、そのような症状が出た場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
使用中は体調の変化に気を付けましょう。