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不育症の疑いがある場合、体外受精で治療中にバファリンが処方されることがあります
頭痛薬のイメージが強いバファリンですが成分であるアスピリンの効果を期待して、体外受精の際に処方されることがあります。
体外受精で着床しても妊娠が継続できないというケースが数回続く場合は、不育症の疑いがあります。
不育症にもさまざまな原因がありますが、そのうちのひとつにバファリンが効果を発揮するとされています。
バファリンの成分アスピリンが不育症に効果があるとされています
体外受精で胚移植を行い、無事に着床しても、流産してしまい妊娠を継続できない体質の方がいます。
妊娠が継続できずに流産を数回繰り返す場合には、医師は不妊症ではなく不育症を疑います。
不育症の原因は様々ですが、そのうちのひとつに「抗リン脂質抗体」の存在があります。
抗リン脂質抗体が体内にあると、胎盤の中に血栓ができやすく、胎児(胎芽)に酸素や必要な栄養が届かないという事態につながります。
このようなことが原因で不育症になっている場合、小児用バファリンやバイアスピリンという薬剤を服用することで、血液を凝固しにくくすることができるとされています。
小児用バファリンやバイアスピリンを使用した治療法を、低用量アスピリン療法といい、不育症の治療では比較的ポピュラーな治療法です。
アスピリンを使った治療では、その量が1日あたりに60~100㎎細かく規定されているのも特徴です。
低用量アスピリン療法を行う際には、ヘパリン療法といって、抗凝固作用があるヘパリンを太ももや腹部に自己注射する治療を同時に行うこともあります。
バファリンは妊娠前から飲み、妊娠35週目頃ストップします
不育症の原因のひとつであるとされる抗リン脂質抗体が血栓を作りにくくするために小児用バファリンやバイアスピリンを服用するのですが、そもそも抗リン脂質抗体とは何なのでしょうか?
抗体とは本来、外部から侵入した物質から体を守るために存在するものですが、過剰に反応すると自分自身のタンパク質に対しても反応してしまうことがあります。
こういった状態を自己抗体と呼び、抗リン脂質抗体も自己抗体のうちのひとつです。
半分は自分の遺伝子である受精卵や胎児に対しても、異物とみなし排除しようとしてしまうのです。
そのため、あらかじめ体内の環境、とりわけ血液の状態を固まりにくいように整えておく必要があります。
不育症の改善にバファリンを服用する場合は通常、体外受精で妊娠する前から飲み始めます。
飲み終わりの時期は、クリニックや主治医の判断により異なりますが、妊娠16~35週目ごろとするのが一般的です。
飲み終わりの時期は、これまでの流産の回数や抗リン脂質抗体の値によって変わります。
服用する期間などは自己判断せず、医師の指示に従うことをおすすめします。
不安がある場合は主治医に質問してみましょう。
不育症にはストレスをためないことも大切です
抗リン脂質抗体があると、血液が凝固しやすく血栓ができやすい傾向にありますが、自分でできる不育症対策もあるため、できることから取りいれていくことをおすすめします。
胎児がお腹で育つには、血液から受け取る酸素や栄養が必要になります。
不妊症や不育症に悩む方の多くは、自分の体質を責めたりパートナーとの関係に悩んだりするなど、多大なストレスを抱えています。
しかしストレスが強くかかると血管が収縮することや、免疫機能が低下することなどが分かっています。
不安や悩みはたくさんあり、尽きることはありませんが、自分やパートナーを責めすぎないように、意識してゆったりと過ごすことが大切です。
ストレスだけでなく、喫煙習慣も血管を収縮させるためおすすめはできません。
妊娠できた時に胎児の影響も考え、今から禁煙に取り組んでみてはいかがでしょうか?
ストレッチやピラティスなどで体の歪みを改善しながらストレスを解消するのもおすすめです。
体質改善のために、栄養バランスのとれたおいしい食事を取りいれたり、自律神経を整えるために質の良い睡眠を得るようゆっくりと眠れる時間を設けたりするのも良いでしょう。
(まとめ)体外受精で不妊治療中バファリンが処方される理由は?
バファリンの成分であるアスピリンは不育症に効果を発揮するとされています。
体外受精で胚を移植後、無事に着床しても流産を繰り返す場合は、不育症の疑いがあり、妊娠する前の高温期からバファリンを服用することがあります。
体内に抗リン脂質抗体があると、胎盤に血栓ができやすく、胎児に必要な酸素や栄養が届かず、流産を起こしてしまいがちです。
小児用バファリンやバイアスピリンを服用することで、血液を凝固しにくくすることができ、不育症の治療に取り入れられています。
抗リン体脂質抗体が血栓を作りにくくする環境をあらかじめ整えておくために、バファリンは妊娠する前から飲み時始めるケースが多いものです。
飲み終わりの時期は流産経験や抗リン脂質抗体の値によって異なるため、主治医の指示に従うことをおすすめします。
過剰なストレスや喫煙習慣は血管を収縮させることが分かっています。
不安や悩みも多くあり、それらと向き合うのが難しいのが不妊症や不育症ですが、なるべくストレスを溜めずにゆったりと過ごすように心がけることをおすすめします。