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体外受精の際はピルの他にブセレキュアやスプレキュアなどの点鼻薬が処方されることがあります
体外受精の際には、ピルのほか、膣坐薬や貼り薬などさまざまな薬が処方されることがありますが、そのうちのひとつにブセレキュアやスプレキュアのような点鼻薬があります。
体外受精の際には使用の仕方によって、排卵を抑制したり、反対に排卵を誘発したりするなどの効果を期待して使用されます。
排卵をコントロールするために用いられる点鼻薬です。
体外受精時の点鼻薬には排卵誘発効果と排卵抑制効果があります
体外受精での不妊治療中には、ピルとは別に、ブセレキュアやスプレキュアなどのような点鼻薬が処方されることがあります。
スプレキュアの後発薬(ジェネリック医薬品)がブセレキュアで、ブセレキュアの方が費用を少し安く抑えられます。
これらの点鼻薬は、使い方によって排卵誘発効果や排卵抑制効果が期待されます。
誘発と抑制とでは全く正反対の効果になるため、使い方は医師の指示にきちんと従うことが大切です。
短期間使用することで排卵を誘発する点鼻薬の効果のことをフレアアップ効果と言います。
GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)は脳の視床下部に対して性腺刺激ホルモンの分泌を促す働きをするのですが、点鼻薬もまた、GnRHと同じ働きをするため、排卵誘発剤として使用するというわけです。
短期間の使用では排卵を誘発する点鼻薬ですが、長期間使用すると卵胞ホルモンの成分であるエストロゲンの分泌が低下し、排卵を抑制します。
点鼻薬による排卵抑制効果は、体外受精時の排卵コントロールとしてだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫などの症状がある場合、排卵を抑えて病巣を小さくする時にも使用されます。
点鼻薬は病院に通いにくい方でも使いやすい薬です
ブセレキュアやスプレキュアなどのように、体外受精の際に処方される点鼻薬は、1日3回自分で左右の鼻に8時間おきに噴霧(1日計6回)するのが一般的です。
自分で噴霧するといっても特段難しい作業はなく、手軽に行えるため、点鼻薬は仕事をしている方など病院やクリニックに通いにくい方にも使いやすい薬だと言えるでしょう。
手軽である反面、ブセレキュアやスプレキュアは自己管理する薬であるため、ピルと同じく決められた時間に噴霧するのを忘れてしまったり、噴霧が上手くいかずに不十分であったりした場合、期待される効果が得られない可能性があることを念頭に置いておく必要があります。
前述したように、使う期間やタイミングによって期待される効果が正反対になるため、点鼻薬を使用する際には医師の指示を正しく守ることが重要です。
点鼻薬であるため、風邪や花粉症の際の噴霧を心配する方もいますが、鼻の粘膜から成分を吸収するため、風邪や花粉症の時でも安心して使用できます。
気になる場合は噴霧する前に鼻をかんでおくとよいでしょう。
点鼻薬の副作用は頭痛・眠気・胸の張りなどが挙げられます
点鼻薬の副作用としては、頭痛・眠気・胸の張りやそれに伴う痛み・発疹・不眠などが挙げられます。
多くの場合は、副作用は点鼻薬の使い始めが多く使い慣れるにしたがって、副作用を感じにくくなるとされています。
しかし中には重篤な副作用が出るケースもあり、点鼻薬を使用する際には体調の変化に注意しましょう。
重篤な副作用としては、アナフィラキシーショック・ふさぎこむようなうつ症状・脱毛・心筋梗塞・血小板減少などが報告されています。
精神症状などは自分では気が付かないことも多いため、誰かに指摘された場合は、主治医に報告しておくと安心です。
副作用の多くは短期的な症状ですが、副作用の出方や強さには個人差が大きく、副作用が長引いてしまうケースもあります。
あまりに副作用がきつくつらい場合や、いつまでも副作用の症状がなくならない場合、めまいや息苦しさ動悸を感じる場合などは、なるべく早く医療機関を受診し主治医の指示を仰ぎましょう。
(まとめ)体外受精でピルの他に点鼻薬が処方されることがある?
体外受精時には、自然に起こる排卵を抑制したり、反対に排卵を誘発したりする目的で、ブセレキュアやスプレキュアなどの点鼻薬が用いられることがあります。
排卵のコントロールをするために処方されることが多い薬です。
スプレキュアの後発薬がブセレキュアで、体外受精時によく用いられる点鼻薬です。
点鼻薬を短期間使用することで排卵誘発効果が見られ、長期間使用すると反対に、排卵抑制効果が期待できます。
正反対の効果になるため、使用は医師の指示に従うことが大切です。
ブセレキュアやスプレキュアといった点鼻薬は、1日3回自分で左右の鼻に8時間おきに噴霧します。
自分でできるため手軽ですが、ピル同様噴霧を忘れたり不十分だった場合は、期待され効果が発揮されない可能性もあるため使用には注意が必要です。
点鼻薬の副作用は、頭痛・眠気・胸の張りや痛み・発疹・不眠など様々ですが、多くの場合は使い慣れることで副作用を感じにくくなります。
アナフィラキシーショック・脱毛・うつ症状など、重篤な副作用が出るケースもあるため体調の変化には注意が必要です。