体外受精のロング法は患者さんに合わせたスケジュールを組むことが可能になります


人によって子宮や卵巣の状態には違いがあり、また体外受精をスタートさせる年齢にも個人差があるため、ロング法のスケジュールは患者さんに合わせて計画をします。

とくにロング法ではショート法より治療期間が長くなるため、患者さんの希望や心と体の状態などを考慮することが重要視されています。
体外受精・不妊治療を専門とするクリニックでは、患者さんに寄り添った治療を心がけています。

ロング法は長いスケジュールになる分、妊娠率が上がります

体外受精ではショート法に比べてロング法での治療期間の方が長くなりますが、排卵できる卵子を多く採れるというメリットがあります。

多く採取できるということは、1回の採卵あたりの妊娠率は高くなることに繋がります。
ショート法と違いロング法では、採卵予定の前周期から妊娠しやすくなるための準備をする必要があります。

ロング法の治療スケジュールの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 採卵予定周期の前周期高温期の中頃からおよそ20日間、卵胞の生育、排卵の促進などの働きを抑制させるため点鼻薬を使用
  2. 月経開始よりおよそ3日目から9日間、hMG/FSH注射を併用する
  3. 月経からおよそ11日目にhCG注射で排卵を促す
  4. 月経からおよそ13日目が採卵予定日となる
  5. 採卵日より黄体ホルモンを補充する
  6. 次の生理予定が過ぎた後、妊娠したかどうかの判定を行う

ロング法の治療スケジュールが長くなるのは、点鼻薬の投与期間がショート法より長くなるためです。
スケジュールは長くなりますが採卵できる卵子が多くなるのでその分、採卵を行う回数を減らすことができます。

投薬による副作用のリスクがありますがグレードの高い採卵が期待できます


ロング法に限らず、不妊治療では稀に副作用が起こるケースが報告されています。
投薬により卵巣への刺激が強くなってしまうことがありますが、ロング法の場合は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を発症してしまう可能性が指摘されています。

卵巣過剰刺激症候群とは、卵巣が腫れて腹水がたまってしまうという疾患です。
最初に感じる痛みは卵巣周辺ですが症状が進行すると痛みの範囲が広がり、血栓症を引き起こすことがあります。

通常、排卵直後などには多少の卵巣の腫れや腹水は起こりがちですので、卵巣過剰刺激症候群かどうか見極めることが重要です。
お腹が張る・吐き気がする・喉が渇く・尿の量が減るなどの症状が現れたら、すぐにクリニックに相談しましょう。

このようにロング法では副作用のリスクが指摘されはいますが、排卵誘発剤の力でホルモンを整えるため、質の高い卵胞を作りやすいというメリットがあります。
ショート法よりも質の良い採卵が望め、妊娠成功率が高くなる傾向があるため、不妊治療の中でも受ける人が多く最もスタンダードな治療法と言えます。

またこういった副作用は、クリニックとの連携を深めることでリスクを低減することが可能です。
クリニックでは事前に説明会やカウンセリングなどを行っていますので、不安な点は解消してから体外受精に臨むことができます。

ロング法の治療と仕事は両立させることができます

ロング法での体外受精は治療スケジュールが長引いてしまうこともありますが、クリニックに相談をすることでムリのないスケジュールを計画することができます。

仕事をしながら通院を続けることを難しいと考える患者さんもおられますが、不妊治療や体外受精を専門とするクリニックではこのような現状を考慮した運営をしています。

土日祝日や夜間の診療を受け付けているところも多く、完全予約制のクリニックを選べば待ち時間の心配もする必要もありません。
仕事との両立に難しさを感じるのであれば、一度カウンセリングを受けてみることをおすすめします。

診療時間の幅が広い・駅から近いなど、ムリなく通えると思うクリニックを選ぶところから始めてみましょう。
ロング法での体外受精はどうしても治療スケジュールが長くなる傾向があります。

自分のライフスタイルに沿ってくれるクリニックを見つけることが、体外受精を成功させる鍵と言えるでしょう。

(まとめ)体外受精のロング法はどうやってスケジュールするの?

1.体外受精のロング法は患者さんに合わせたスケジュールを組むことが可能になります

体質や体調・年齢は患者さんによってそれぞれ違いがあります。

ロング法では治療にかかる期間が長くなる傾向があるため、患者さんの希望や状況を最大限に考えて治療計画を立てます。
クリニックではその人に最適な治療スケジュールを提案しています。

2.ロング法は長いスケジュールになる分、妊娠率が上がります

体外受精でロング法の治療スケジュールが長くなる理由は、点鼻薬の使用期間がショート法より長くなるからです。

治療期間が長くなる分、妊娠率が高まるというメリットがあります。

3.投薬による副作用のリスクがありますがグレードの高い採卵が期待できます

ロング法はショート法よりも治療スケジュールが長いため、投薬による副作用が起きてしまうことがあります。

その一方で排卵誘発剤の投与によりグレードの高い採卵が期待できるというメリットがあり、もっともスタンダードな採卵方法です。

4.ロング法の治療と仕事は両立させることができます

ロング法での体外受精と仕事の両立に悩む患者さんが少なくないですが、自分に合うクリニックを選ぶことが治療を続けることに繋がります。

休日や夜間も診てくれる・駅から近いなど、通いやすいクリニックを選んでムリのない治療に取り組みましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師