目次
体外受精の胚移植後は、体に負担をかけない生活が大事です
体外受精で培養した受精卵を体内に戻す胚移植を行った後は、着床、妊娠を成功させるために安静にしていなければならないと思われがちです。
しかし基本的に体や心に過度な負担をかけなければずっと横になって安静にしている必要はなく、ごく普段通りの生活で問題ないとされています。
ただ体力が著しく消耗する激しい運動は控えたほうがよいなど、日常生活で気を付けたいこともあるので覚えておきましょう。
ストレスを溜めないように普段通りの生活を送ることが大事です
体外受精で胚移植を行った後は、着床がうまくいくか、妊娠できるか心配になってしまう方もいるでしょう。
しかし心配のあまり毎日の生活に対し、神経質になりすぎるとストレスが溜まると、着床を妨げることにもなりかねません。
ほぼ普段通りの生活で問題ないので、あまり気にしすぎないようにし、リラックスして過ごすことがまず大事です。
ただ胚移植後は日常生活で避けたほうがよいこともあるので、覚えておきましょう。
胚移植では子宮に器具を入れるので、多少なりともダメージを受けています。
そのため雑菌などが入り込んで感染症を起こさないように、当日は自宅での入浴はもちろん、温泉や水泳などは控えシャワーに留めておきましょう。
さらに夫婦生活も3日位は控え、衛生面からも避妊具を使用することが大事だとされています。
また長距離や長時間に及ぶジョギングや自転車での移動も、医学的に証明はされていませんが、控えた方がよいと言われています。
そして栄養バランスよい食事を心がけ、冷たい飲み物や体を冷やす生野菜などの摂りすぎにも気を付けましょう。
体外受精の胚移植後から妊娠判定までは、約2週間とされています
体外受精では、卵子と精子を受精させてから培養液で分割・生育させた後、受精卵を戻す胚移植が行われます。
胚移植には、受精後3日目の受精卵を移植する初期胚移植と、受精後5・6日目の受精卵を移植する胚盤胞移植などの方法があります。
初期胚移植後、受精卵は分割を繰り返しながら胚盤胞に成長し、2・3日かけて子宮内膜で絨毛という根を張りながら潜り込んで固定され着床となります。
一方で胚盤胞にまで成長した受精卵を移植する胚盤胞移植の場合は、着床までは1日程度だとされているのです。
着床は自然の流れで行われるので、様子を見守ることになりますが、子宮内膜を分厚くして着床しやすい環境を整えるためにホルモン剤などが投与される場合もあります。
そして体外受精の胚移植後から約2週間後に、妊娠判定を行うクリニックが多いとされています。
着床後はHCGというホルモン量が増加するので、尿検査でホルモン量を調べて妊娠の有無を判断します。
妊娠判定までは落ち着かない日々ですが、あまり思いつめないようにしましょう。
体外受精後は、体に不調が出る場合もあるので注意しましょう
体外受精後は、体に異変を感じることがあるのであらかじめ知っておくと安心です。
まず着床が成功すると出血する場合もあります。
着床出血は、体外受精に限らず自然妊娠でも起こりうることで「おしるし」とも呼ばれています。
通常はごく少量の出血になりますが、月経の時のような多めの出血が起きた場合や、出血が数日続く場合は医師の診察を受けたほうがよいでしょう。
さらに着床後はhCGホルモンの分泌量が増えますが、このホルモンは卵巣を刺激するのでお腹の張りを感じる場合もあります。
また着床痛といって腹痛や腰痛を感じたり、ホルモンバランスが崩れやすかったりすることから頭痛や吐き気・消化不良などの症状が現れるケースもあります。
こうした症状は妊娠超初期症状と言って、妊娠が成立した際に感じる体の不調とされています。
もちろん感じ方には個人差があり、妊娠していても全く何も異変を感じないという方もいます。
あまり過敏になりすぎないで、心配ならば担当医に相談してみましょう。
(まとめ)体外受精の胚移植後に気を付ける事とは?
体外受精で胚移植を行った後は、安静にしなければと思われがちですが、そうではありません。
できる限り心身に過度な負担をかけないように気を付ければ、普段通りの生活が送れます。
体外受精の胚移植後は、ストレスが体には良くありません。
神経過敏になりすぎないように、できる限りリラックスして過ごすことが大事です。
入浴や夫婦生活、激しい運動などを控えるといった注意点もあるので覚えておきましょう。
体外受精の胚移植で、受精卵が子宮に戻されると絨毛という根を張りながら、子宮内に潜り込みやがて着床します。
妊娠すると徐々にhCGというホルモン量が増えるため、約2週間後に尿検査により妊娠判定が行われるという流れになっています。
胚移植後に着床すると、おしるしと呼ばれるごく少量の出血やお腹の張り、吐き気などの妊娠超初期症状が現れることがあります。
症状の有無や程度には個人差がありますが、出血が多い・続くなど、明らかな異変がある場合などは早めに担当医に相談してみましょう。