筋腫が不妊原因になっている場合は、子宮筋腫の手術後に体外受精を行うケースが一般的です


子宮筋腫があっても妊娠している方もいますが、不妊状態が続くようであれば子宮筋腫が原因なのでは?と疑います。

検査を行い子宮筋腫が不妊の原因になっているようであれば、体外受精よりも先に子宮筋腫の手術を行うのが一般的です。
子宮筋腫の手術にもリスクはあるため、どちらを優先するかは主治医とよく話あって決めましょう。

子宮筋腫が不妊の原因になっていることがあります

子宮筋腫があっても妊娠している方もいれば、手術が必要になる方もいます。
子宮筋腫と一口に言っても、筋腫の大きさや数、出来る場所によって、妊娠に影響を及ぼす場合と及ぼさない場合があります。

なかでも、筋層内筋腫や粘膜下筋腫と呼ばれるものの場合は、卵管を圧迫してしまうケースが多く、妊娠に良くない影響を与えることが多いとされます。
子宮筋腫の位置や数、大きさなどが不妊の原因になっているのでは?と疑われる場合は、手術によってその子宮筋腫を取り除きます。

とくに多発性とよばれるいくつも筋腫ができてしまう方の場合は、手術のあと1年以内から不妊治療をスタートさせるケースが多いでしょう。
なぜならば多発性の子宮筋腫の場合、再発する可能性が高めであるため、一度筋腫を取り除いても、しばらくすると元のように状態が戻ってしまうことがあるためです。

子宮筋腫をとりのぞき、子宮内膜の状態が落ち着いた段階で、体外受精も検討しながら不妊治療をすすめることをおすすめします。

子宮筋腫の様子は子宮卵管造影検査やMRI検査などで調べます


子宮筋腫は自覚症状がほとんどないため、気が付かずに過ごしているという方も少なくないと言われています。
子宮がん検診や定期健診のタイミングなどで見つかることもそれほど多くありません。

そのため子宮筋腫を見つけるためには、子宮筋腫かどうか、そうであればどこにどのように出来ているのかを詳しく調べる検査を受ける必要があります。

子宮筋腫を見つけるための検査は、問診や内診・超音波検査や血液検査などの一般的な女性の検査のほかに、MRI検査や子宮鏡検査・子宮卵管造影検査・子宮内膜組織検査などを行います。

MRIでは筋腫の場所や大きさの特定や子宮肉腫なのか子宮筋腫なのかを調べます。
子宮鏡検査では粘膜下筋腫や筋層内筋腫の可能性を調べ、子宮卵管造影検査では、卵子の通り道である卵管が筋腫によってふさがっていないかどうかを検査します。

子宮内膜組織検査は、がんの有無や肉腫の可能性などを探ります。
検査は基本的には激しい痛みを伴うものはなく、麻酔なしで行えるものばかりです。
ただし痛みの感じ方は人それぞれなので、生理痛のような鈍痛を感じるという方もいらっしゃるようです。

子宮筋腫の手術と体外受精の治療のどちらを優先するかは主治医と相談して決めましょう

子宮筋腫の検査を行い、筋腫の大きさや数、出来た位置などを把握し子宮筋腫が不妊の原因であろうとされる際は、先に子宮筋腫を取り除く手術を行い、そのあとに体外受精などで不妊治療を行います。

しかし実際には子宮筋腫と不妊との関係性が不明確で医師でも判断がつきにくいケースがあります。

そのような場合、多くのケースでは、手術で筋腫を取り除く前に、いくつかの不妊治療を実際に行って様子を見てみて、それでも妊娠の可能性が低いようであれば、不妊の原因が子宮筋腫によるものではないか?という見解が下されます。

子宮筋腫の手術は成功率の高い手術ではあるものの、リスクがないわけではありません。
とくに多発性の子宮筋腫の場合は、再発する可能性も高く、手術を行うタイミングも難しいものです。

年齢が高いほど妊娠のタイミングも限られてくるため、子宮筋腫の手術を先に行うかどうかは、年齢や他の子宮関係の疾患の有無なども考慮して考えることをおすすめします。
子宮筋腫の手術を先にするかどうかは主治医とよく相談して決めましょう。

(まとめ)体外受精の前に子宮筋腫の手術をした方が良い?

1.筋腫が不妊原因になっている場合は、子宮筋腫の手術後に体外受精を行うケースが一般的です

子宮筋腫が不妊の原因になることがあります。

そのような場合は、体外受精の前に子宮筋腫の手術を行うことがあります。
子宮筋腫の手術にもリスクがあるため、子宮筋腫の手術と体外受精のどちらを優先するかは主治医と話し合いましょう。

2.子宮筋腫が不妊の原因になっていることがあります

子宮筋腫の大きさや数、出来た場所を考慮し、それらが不妊の原因になっていると考えられる時は、体外受精を行う前に子宮筋腫の手術を行います。

とくに多発性の子宮筋腫の場合は、再発しやすいため手術後比較的早い段階で不妊治療をスタートします。

3.子宮筋腫の様子は子宮卵管造影検査やMRI検査などで調べます

子宮筋腫は自覚症状がほとんどなく、子宮がん検診や定期健診で見つかることも滅多にありません。

子宮筋腫の有無や場所の特定、不妊の原因の有無などは、子宮卵管造影検査やMRI検査などで調べてはじめて分かる場合がほとんどです。

4.子宮筋腫の手術と体外受精の治療のどちらを優先するかは主治医と相談して決めましょう

子宮筋腫が不妊の原因だと断言できないような曖昧な状態の場合は、子宮筋腫の手術と体外受精のどちらを優先するかは、判断が難しいものです。

女性の年齢やその他の子宮系疾患の有無などを考慮して、主治医と相談しながら決めることをおすすめします。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
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院長 小松保則医師