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体外受精で着床後もさまざまな理由で胎児が育たないこともあります
胚移植を行ったあと、着床後も胎児が育たず流産してしまうことがあります。
多くの場合は胎児側に原因があり、予防することはできないとされています。
このような形での流産の起こりやすさは、自然妊娠でも体外受精でも割合に差はないとされています。
母体に原因があり流産する場合は、治療を行うことで妊娠を継続できる可能性があります。
胎児に原因があり、着床後流産してしまうことがあります
ひとくちに流産といっても胎児が育たなくなる時期によって、流産の原因が異なり、流産の種類も分けられます。
着床したあと、妊娠のごく初期に起こる流産を化学流産といいます。
化学流産は全妊娠の45%程度あるとされ、発生件数は非常に多いものです。
化学流産の発症率は、自然妊娠の場合でも、体外受精の場合でも数値に大きな差はみられません。
化学流産が起こる原因は、胎児の染色体の異常によるものだとされています。
言い換えると、受精卵の染色体に何らかの異常がみられると、着床しても胎児が育たないことがほとんどだということです。
体外受精の胚移植前に受精卵のグレードをデリケートにチェックするのも、染色体異常の有無を確認するためもあります。
流産する理由はさまざまで、理由が解明されていないケースもあります。
化学流産は流産の中でも最も件数が多いものです。
基本的に、胎児の染色体異常が原因で起こる流産は防止策がないとされ、防ぐことができません。
自然の現象だと受け止めるようにしましょう。
流産を繰りかえす場合は不育症である場合があります
体外受精での胚移植後、無事に着床しても、妊娠が継続できず、流産や死産を3回以上繰り返す場合は、両親かそのどちらかに遺伝性の疾患があったり、女性のホルモンバランスの異常があったりなど、なんらかの疾患があるという場合があります。
このような母体が原因と考えられる場合は、妊娠が継続できるように治療をすることができます。
化学流産の場合は、防止策がありませんが、母体に何らかの原因がある場合は、ある程度防止策として治療を進めることが出来る点が、2つの流産の大きな違いです。
無事に着床しても胎児が育たないことを「不育症」と言います。
不育症は、生まれつき子宮の形に異常がある場合や、ホルモンバランスの崩れにより子宮内膜がはがれやすい状態である場合、免疫に異常反応が起こり、胎児を外敵とみなして胎盤近くに血栓ができてしまう状態などさまざまな原因が関与しています。
医師は血液検査や超音波検査で不育症の原因をさぐり、対処法を考え治療して次の妊娠に備えます。
不妊や不育症の原因の特定は非常に難しく、中には原因がはっきりとわからない場合もあります。
ストレスをためないように心がけることも大切です
着床後、胎児が育たず不育症と診断された場合は、その原因に対処するようホルモン剤を服用するなど医師と話し合いながら治療をすすめます。
治療は医師やクリニックと二人三脚で行いますが、並行して、自分で出来る範囲で不育症の原因につながることを排除していきましょう。
妊娠の継続にはホルモンのバランスが重要になります。
規則正しい生活を送り、自律神経の乱れを改善してホルモンバランスが整うように心がけましょう。
またダイエットは栄養の偏りが出てしまうため、おすすめできません。
妊娠しやすい体作りをサポートするとされるビタミンEを積極的に食事で摂りいれたいところです。
不妊や不育症は悩みや不安が多く、心身ともに負担の大きなものですが、ストレスを感じると血管が収縮し、酸素が胎盤に伝わりにくくなります。
ストレスをためないように、意識してゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう。
喫煙や受動喫煙も同じく血管を収縮してしまうため、喫煙習慣がある方はできるだけ禁煙できるように生活を改善することをおすすめします。
(まとめ)体外受精で胚移植、着床後胎児が育たないことはある?
体外受精で着床後も胎児が育たずに流産してしまうこともあります。
胎児側に原因がある場合と、母体側に原因がある場合があり、胎児に原因がある場合は予防ができません。
母体に原因がある場合は治療することで妊娠継続率を高めることができます。
自然妊娠でも体外受精でも胎児が育たず着床後すぐに流産してしまうことがあります。
件数も多く全妊娠の45%程度を占めます。
妊娠のごく初期に流産することを化学流産といい、胎児の染色体の異常が原因で起こります。
着床しても、流産や死産を3回以上繰り返す場合は、不育症かもしれません。
子宮の形に異常がある人や、ホルモン異常で妊娠が継続しにくい場合、自己免疫異常で流産させてしまう場合など、母体に原因が考えられる場合は対処法の治療を行うことができます。
胎児が育たず流産を繰り返す不育症が疑われる場合は、医師と相談して改善のための治療をすすめます。
同時に自分でもできることを取りいれてみましょう。
ストレスは血管を収縮させ胎盤に酸素が送りにくくなるため、ストレスをためないように心がけましょう。