目次
体外受精で受精卵を戻す数は1~2個です
体外受精のなかでは、培養した受精卵を子宮に戻すという段階があるのですが、このとき子宮に戻す受精卵の数は1~2個と定められています。
この数は年齢などによって異なり、34歳未満の場合は1個のみ、35歳以上の場合や続けて妊娠で至らなかったときなどには2個になるのです。
受精卵を持出す数がこれだけ限られているのは、多胎妊娠を防ぐためという理由があります。
そのため、決して焦ったりこれで最後だと思い詰めたりせず、リラックスした気持ちで体外受精にのぞみましょう。
体外受精は体外で受精させて培養させた胚を子宮に戻します
体外受精で子宮から卵子を取り出すときに重要となるのは、多く採卵することです。
採卵された卵子は特殊な培養液で数時間培養されて精子との受精を待ちます。
受精卵は細胞分裂を開始すると胚と呼ばれます。
通常移植されるのは受精してから2~3日後、もしくは5日目です。
この期間は、体内に似た環境を作る「インキュベーター」という機械の中で胚が成長します。
培養された胚は子宮内に移植されます。
多胎妊娠のリスクを避けるために、一度に移植する胚の数は制限されています。
学会のガイドラインでは34歳未満で1個、35歳以上の人や連続で妊娠に至らなかった人で2個までです。
胚移植後は病院で30分ほど安静にした後、その日のうちに帰宅できます。
その後は運動、夫婦生活など普段と変わりなく生活を送ることができます。
胚移植のタイミングや方法はその時の受精卵の質などから医師と相談のうえで、決定します。
妊娠率を上げるためにも胚移植後は心身に負担をかけない生活を送るようにしましょう。
胚移植後の過ごし方にも気を配りましょう
胚移植をした後、妊娠判定までは2週間程度必要です。
この期間は期待と不安を強く感じるかもしません。
着床しやすい身体を作るためにどんなことを気をつければいいのでしょうか。
この時期に限らず、妊活中は身体の冷えは大敵です。
身体を冷やすことで血行が悪くなり、卵巣に酸素や栄養が十分に行きわたらなくなることがあります。
その結果として卵巣機能を低下させてしまうことにもつながると考えられています。
妊娠しやすい身体を作るには規則正しい生活やバランスがとれた食事は欠かせません。
食生活の乱れはホルモンバランスを崩します。
妊娠しやすい身体は生まれてくる赤ちゃんが育つためにも必要です。
タバコやお酒の嗜好品も控えましょう。
過度のストレスは女性ホルモンの分泌を妨げます。
妊娠しにくくなるともに、妊娠の継続も難しくなるでしょう。
ストレス解消にウォーキングなどの適度の運動を取り入れることも効果的です。
受精卵を凍結保存することもできます
一回の胚移植で戻すことができる受精卵は1~2個です。
しかし一回の体外受精でいくつもの受精卵が得られることもあります。
このようなケースでは余剰受精卵をマイナス196度の液体窒素で凍結保存することが可能です。
もしもその周期に妊娠できなかったとしても、次回以降の周期で凍結胚を解凍して胚移植をおこなうことができるのです。
凍結胚移植は排卵誘発剤を大量に使用する必要がないため、身体への負担も少なくなると考えられています。
着床環境もよいため、着床率が高くなる可能性もあるでしょう。
もしも一回の体外受精で妊娠したとしても、第二子を希望する場合に凍結受精卵を使うこともできます。
受精卵の凍結は何年もの間、状態を変化させないままに保存することができます。
病院によって保存期間は違いますが、多くの病院では希望すれば保存期間を延長できます。
ただし受精卵は融解した後に変性することがあります。
さらに天災や火事など、万が一の災害によって保存されている凍結受精卵を失ってしまう可能性も考えなくてはいけません。
このようなケースの扱いは病院と取り決めておくのが一般的です。
あらかじめ説明を受けてリスクやメリットを理解しておきましょう。
(まとめ)体外受精で受精卵を戻す数ってどのくらい?
子宮に戻す受精卵の数は年齢や条件によって決まっています。
34歳未満の場合は1個、35歳以上や連続で妊娠に至らなかったときは2個です。
これは多胎妊娠のリスクを避ける目的で定まっています。
受精卵は培養されたのちに子宮に戻されます。
多胎妊娠を防ぐために戻す受精卵の数は1~2個と決められています。
胚移植後は入院の必要はなく、帰宅後は普段通りの生活を送ることができます。
胚移植の方法はいくつかあるので医師との相談の上決定します。
胚移植後、無事に着床して妊娠を継続するためには日常の過ごし方も大切です。
女性ホルモンを乱すようなストレスや不規則な生活、冷えは避けるようにしましょう。
妊娠しやすい身体は、赤ちゃんにとっても育ちやすい環境になると考えられます。
一回の胚移植で使うことができる受精卵は1~2個ですが、受精卵を保存して使うことは認められています。
受精卵は数年間保存可能と言われています。
最初の胚移植で妊娠しなかった場合や、出産後に第二子が欲しい場合などに利用することも可能です。