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体外受精で戻す卵の数は多すぎるとリスクにつながります
体外受精で戻す卵の数は、ガイドラインによって1~2個と決まっています。
これは多胎妊娠を避けるためです。
多胎妊娠は一人だけ妊娠する場合と比べて、リスクが大きくなってしまいます。
使わなかった精子も凍結保存できるのでムダにはなりません。
子宮の環境を整えたり、次の子の準備をしたりするためにも、凍結保存は有効な方法と考えられています。
多胎妊娠を避けるため、戻す卵の数は決まっています
体外受精は受精した卵子を培養してから子宮に戻す方法です。
採卵時にできるだけ質がよい卵子を多く取り出すことがポイントになります。
しかしどれだけ多くの卵子を取っても子宮に戻す卵の数は1個か2個と定められています。
多く戻せばそれだけ妊娠率が上がりそうに感じますが、なぜ数が決まっているのでしょうか。
戻す卵の数が決まっているのは多胎妊娠を避けるためです。
胎児が1人のことを単胎、双子より多い時を多胎と呼びますが、多胎は単胎と比べてリスクが高まる傾向があると言われています。
低出生体重児になるリスクは単胎児の10倍、死産率・周産期死亡率・乳児死亡率も単胎児の2~5倍と考えられています。
体外受精で戻す卵の数は多ければいいわけではありません。
多く戻すことで着床しても、その後のリスクを高めてしまうことがある得るのです。
受精卵の条件に問題がなければ、戻す数は1個でも着床して妊娠に至る可能性はあります。
また使用しなかった受精卵は凍結して保存できるので、次のタイミングに回して使用することもできるのです。
受精卵を凍結保存することには多くのメリットがあります
体外受精では受精卵の凍結が一般的になってきています。
受精卵ができたときにマイナス196度で一気に凍らせるため、劣化することなく保存できると言われています。
凍結することで妊娠率が高くなる可能性も示唆されています。
これは、凍結した受精卵が着床しやすくなるというような意味ではありません。
なぜ妊娠率が上がるかというと、一旦凍結を行う事によって受精卵を戻すタイミングをコントロールできるからです。
体外受精は採卵前に排卵誘発剤を使用します。
しかし排卵誘発剤を使うことでつくられる身体のベストコンディションと、受精卵のタイミングが合わないことがあるのです。
そんなときに、受精卵を凍結させる方法を利用する事で、一番いい時期の子宮で受精卵を迎えるよう調整することが可能になると言われています。
凍結することは多胎妊娠を避けるためにも有効と言われています。
凍結することで周期を合わせて1個ずつ子宮に戻すことが可能になるからです。
専用の凍結保存タンクで保存され、規定の保管料を支払うシステムです。
施設によって保存料金は違います。
出産して落ち着いてから次の子を考えたいというときに、残りの受精卵でトライすることもできるのです。
卵子凍結を選択する女性もいます
体外受精で作られた受精卵は液体窒素で凍結することで何年も保存することができますが、同様に受精していない卵子も凍結可能です。
今すぐ妊娠する予定がない女性が、卵子を採取して保存しておくことも選択肢の一つとして注目されるようになりました。
いずれ妊娠したいが、現状はキャリアに集中したい、結婚相手をじっくり選びたいと考える女性にとっては朗報と考えられています。
それだけではなく、未婚で若くしてがんになってしまう女性もいるでしょう。
凍結技術を使えば治療を始める前に卵子を凍結しておき、治療を終えてから妊娠を検討するということもできると考えられています。
卵子の凍結しておくことで、そういったケースでも子どもをあきらめなくて済むことが可能になるでしょう。
ただ若い時の卵子を凍結していても、高齢での妊娠出産はリスクが伴います。
卵子凍結を選択する場合は医師からの説明を受けて、リスクや費用について十分な理解が必要です。
病院によって年齢などの条件があるケースもあるので、あらかじめ調べておきましょう。
(まとめ)体外受精で戻す卵の数は多ければ多いほどいいの?
体外受精で子宮に戻せる卵の数は1~2個と決まっています。
卵を多く戻して多胎妊娠してしまうと、出産に伴うリスクをあげることになってしまいます。
凍結保存を用いることもできますから、焦らず不妊治療に取り組みましょう。
体外受精で、子宮に戻せる卵の数は1個または2個と決まっています。
これは単胎よりもリスクが高い多胎を避けるためです。
培養した受精卵は凍結して保存できるため、次の周期や第二子のために取っておくこともできます。
子宮に戻さなかった受精卵は結保存が可能です。
凍結することで、子宮にとってベストな時期に胚移植を合わせることができます。
一度目の胚移植で妊娠に至らなかった場合、次の子の妊娠を希望する場合など凍結受精卵には多くのメリットがあります。
受精していない卵子も凍結保存をすることが可能です。
女性の中では、若い段階で卵子の凍結を選択する人もいます。
ただ出産には適した年齢があり、いつでも妊娠できるとは限りませんから、人生設計についてもよく考えましょう。