体外受精では、専用針で卵胞を刺して卵子を吸い取る取り方をします


体外受精では、精子と受精させるために卵子の採取が行われます。
膣内の様子を超音波画像で確認しながら、卵胞に専用針を刺して中の卵子を吸い取るという取り方をします。

痛みが不安だという方には、麻酔を使うこともできる上に体への負担も少ないとされています。
また1回の採卵で1個の卵子ではなく、複数採取されるのが一般的です。

体外受精の卵子の取り方において、痛みを少なくするために麻酔が使われることがあります

体外受精は、卵子と精子を取り出して受精させ、受精卵である胚を子宮に戻して着床を促すという治療法です。

そのため成熟した卵子の排卵を促し、採取する採卵が必要となります。
しかしどのような取り方をするのか分からない、体への負担や痛みなどが心配だという方もいるでしょう。

採卵は一般的に、膣に超音波装置を入れて内部の様子を画像に写しながら、直接専用の針で卵子を包む卵胞を刺して、中の卵子と卵胞液を採取するという取り方で行われます。

体への負担を考慮して、世界標準の17Gという太さの針よりも、さらに細い20Gという極細針が使われることもあります。
一般的に痛みが少なく、体へのダメージの心配もほぼないとされています。

ただ痛みの感じ方には個人差があるので一概には言えません。
点滴による静脈麻酔を使用してもらえば、意識がない間に採卵を終えることができます。

また静脈麻酔の他にも麻酔テープを張ることで、針を刺す際に感じることもある鈍痛が和らぐとされています。
採卵の施術に入院は必要なく、しばらく安静にして異常がなければ帰宅できます。

採卵後は仕事へ戻ることや、普段と変わらない生活を送ることができます。
他にも鎮痛剤として、痛み止めの座薬が処方されることもあります。

1回の採卵では、1個のみならず複数の卵子が採取されます


体外受精における採卵時に採取する卵子の個数は、卵胞の数によって違ってきます。
というのは採取した卵子がすべて成熟した卵子とは限らず、未成熟の場合もあるからです。

ただ成熟卵子は精子と受精させますが、採卵時に未熟卵子でも、その後成熟すれば受精可能となります。
また受精卵は20時間ほど経過すると、通常2つの核が出現します。

しかし3個以上核が出てくる場合もあり、この受精卵は正常な受精が行われていないため移植には使えません。
そして受精卵は細胞分裂が進み、2日後には4分割、3日後には8分割し初期胚として発育します。

さらに5~7日目には胎児や胎盤の元となる部分が見え始め、着床寸前の状態となる胚盤胞まで成長します。
ただし受精卵も移植できるまで順調に発育しないものが出てくる可能性もあります。

つまり採卵した卵子のいくつかは、移植に使えないこともあるのです。
また受精卵は凍結保存して次回の体外受精に備えることもできるとされています。

そのため、採取の際はできるだけ多くの卵胞を得ることができるように、複数の卵子を摂取する取り方で行われます。

体外受精のために採卵できる卵子の数は、年齢と共に減っていくとされています

体外受精で採取される卵子は、受精後に全てが順調に育つとも限らず、また受精卵の凍結保存も可能なため、複数採卵されるのが一般的です。
ただ卵子は年齢とともにその数が自然に減少していき、その後増えることはないとされています。

卵子を包む卵胞の元となる原子卵胞は、産まれる時に約200万個もありますが、初潮を迎える頃には170万個程度、20代には30万個程度とかなり減少してしまいます。

さらに月経の周期ごとに排卵があるので1000個程減っていくため、1日に換算すると40個程度失っていることになるのです。
そして30代後半には2~3万個程度しか残されておらず、その後もどんどん減り続けます。

卵子は精子と違って、新たに作られることがないので、加齢と共に減少するばかりで数にも限りがあるとされています。
体外受精では卵子の数よりも質が重要だとも言われていますが、やはり数が確保できないと受精させることも難しいでしょう。

年齢を重ねるとより卵子が減ってしまうので、不妊かもしれないと不安になったらできるだけ早く専門のクリニックで相談されることをおすすめします。

(まとめ)体外受精ではどのような卵子の取り方をするの?

1.体外受精では、専用針で卵胞を刺して卵子を吸い取る取り方をします

体外受精の採卵は、複数の卵胞に専用針を刺して卵子を吸い取るという方法で行われます。

希望すれば麻酔も使用できて入院の必要もなく、体への負担も比較的少ないとされています。

2.体外受精の卵子の取り方において、痛みを少なくするために麻酔が使われることがあります

体外受精の採卵時は、痛みを考慮して細い針を使用する場合もあります。

また静脈麻酔や座薬の痛み止めなどを使うこともできるとされています。
採卵後はしばらく安静にし、異常がなければ帰宅し、日常生活に戻れます。

3.1回の採卵では、1個のみならず複数の卵子が採取されます

採取した卵子は、中には未成熟な卵子が含まれている場合もあります。

さらに受精卵は順当に育たない可能性もあり、移植しない分は凍結保存もできるので1回の採卵では複数の卵子を取るのが一般的です。

4.体外受精のために採卵できる卵子の数は、年齢と共に減っていくとされています

卵子の数には限りがあるとされ、誕生時から年齢を重ねるごとに排卵が行われる度に、その数は減少していきます。

新たに作られることもないため、不妊で悩んでいるなら、できるだけ早い段階で専門のクリニックに相談したほうがよいと言えます。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

詳しくはこちら

経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
お問い合わせ 0120-853-999
院長 小松保則医師