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体外受精でよく耳にする卵胞とは、卵子の元になる細胞のことです
卵胞は卵巣の中にある細胞で、原子卵胞から発達していくことによって卵子になっていきます。
卵胞は生まれた時から持っており、その数は体細胞のように分裂して増やすことはできません。
そして月経とは関係なく周期のたびに1000個程度ずつ消滅していくため、加齢とともに卵子をつくる機会が減っていくと言えます。
体外受精にチャレンジする時卵子の質が良くなることを心がける方は多いですが、この場合すでに元になる卵胞はできているのでより理想的に成熟させて、受精・着床しやすい環境をつくることが大切です。
卵胞が成熟し次第に卵子になっていきます
月経周期のうち排卵に向けて卵胞が準備を整えていきますが、まず原始卵胞が成長してそれまで1層だったものが数層になり、顆粒膜細胞に変化します。
1次細胞とも呼ばれるものですが、この層がさらに厚くなっていくと2次細胞になり、これは卵胞腔のある場所によって前胞状卵胞と胞状卵胞の二つにわけられます。
2次細胞がさらに時間をかけて成熟すると卵子となって排卵されていきます。
大きさを比較すると、初めは0.1~0.3mmだった1次細胞が2次細胞で0.2~0.4mmほどへ成長し、さらに排卵する頃には2mmほどにまで大きくなっていくのです。
それから、原子卵胞から卵子に成長するまでは、1周期の間に行われるのではなくもっと長い時間をかけて成長させていくといいます。
詳しく解説すると、原始卵胞から1次卵胞へ育つまでには150日程度かかり、2次細胞から排卵までには85日ほどかかると言われています。
また1次細胞までは自発的に成長することからすべての卵胞が同じペースで育っているわけではないため、いろいろな成長段階の卵胞が存在することになるのです。
体外受精は年齢が若い方が成功率が上がりやすいです
生まれた時からすでに持っている卵胞は、思春期・生殖期の頃から減り始め年齢を重ねるごとに少なくなっていきます。
そのため、単純に考えると年齢の若い人の方が卵胞の数も多く、妊娠するチャンスが多いと言えるでしょう。
体外受精についても同じで、卵子を採りだして精子と受精させてから子宮へ戻すという方法のため、質のよい卵子があった方が成功率も高くなりやすいのです。
しかし年齢と共に減少したとしても少しでも卵胞があれば妊娠できるのでは、と思う方もいるでしょう。
実は、年齢を重ねるにつれて正常な性質を持った卵子の数が減ってくるとされており、もし受精できたとしても着床しなかったり成長が途中で停まってしまったりして、妊娠・出産に至らない可能性が高くなってくるのです。
最近では若い人の中にも妊娠しづらい人が増えてきていますが、卵胞の数は年齢の若い人の方が多いはずなので、体外受精などの成功率は年齢が低いほど高くなることが期待できます。
質のよい卵子をつくるために自分でもできることがあります
年齢が上がるにつれて卵胞の減少は止められませんが、質のよい卵子へと成熟していくためのお手伝いは自分でもできることがあります。
クリニックで不妊治療に取り組みつつ、次のような生活改善を行ってみてはいかがでしょうか。
冷えは卵子の質に影響するという説がありますが、冷えによって血流が悪くなり卵巣へ栄養が行き渡りにくくなることで卵胞の成長に影響を及ぼす可能性があるのです。
そのため、体を温めると血流が良くなりやすく栄養の運搬と不要な物の排出がスムーズになることから、健やかな卵子の成長が期待できます。
健康的な生活を送っていると活性酸素が増える機会はあまり多くありませんが、現代社会では活性酸素が増えやすい生活を送る人がほとんどです。
たとえばこれらのものが活性酸素の増加に関わるとされています。
- 食べ過ぎ
- 運動不足
- 過激な運動
- 喫煙
- 過度のダイエット
- 過度のストレス
喫煙は完全に辞めることがおすすめですが、その他は適度な範囲でとどめるようにしましょう。
(まとめ)体外受精でよく聞く卵胞とはどんなもの?
卵胞は生まれた時から卵巣の中に持っている細胞で、成熟すると卵子になっていきます。
その数は増やすことはできず周期ごとに1000個ずつ減っていくため、年齢と共に卵胞の数が減ると言えます。
原始卵胞から1次卵胞へ、そして2次卵胞へ育ち卵子となって排卵されていきます。
これらの成長は一度の月経周期で起こることではなく、原始細胞から1次細胞までで150日間もかかり、卵巣の中にはあらゆる成長段階の卵胞が存在することになります。
加齢とともに卵胞の数は減少するので、簡単に考えると若い人の方が体外受精で成功しやすいということになります。
若い人でも妊娠しにくい人は増えていますが、卵胞の数は多いはずなので年齢の低い人の方が体外受精の成功率があがると期待されます。
質のよい卵子へ成長させるためには、日頃の生活習慣の改善もおすすめです。
体を温めたり動かしたりして血流を良くするほか、活性酸素を増やさないために食べすぎず運動も適度にし、喫煙している場合は禁煙をしましょう。