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体外受精しても陰性になる原因は人によって違います
体外受精をしても妊娠に至らないのは、多くの場合は卵子か子宮に原因があります。
35歳以上で不妊のケースでは、その7割以上が卵子が原因と言われています。
他に子宮が原因のケースもありますが、不妊の原因がわからないケースも珍しくありません。
新しい治療法を試したり、妊娠しやすい身体を作ったりすることで妊娠に至るケースも多いので治療を続けていきましょう。
35歳以上になると卵子が原因となって体外受精で妊娠しない割合が増加します
体外受精をしてもなかなか妊娠しない原因の多くは胚にあると言われています。
妊娠にもっとも重要なのは胚の染色体だといわれ、構造異常などがあれば胚は着床しません。
グレードがよい胚であったとしても、あくまで見た目の評価なので構造異常や染色体の異常は発見できないのです。
一般的な流産胎児の染色体を検査すると7割から9割に染色体異常が見つかるとも言われています。
卵子の染色体異常の割合は34歳以下で4割・36歳で6割・40歳以上では9割を超えます。
女性の老化は受精卵の老化です。
卵子は女性が生まれたときから卵巣内に保存されています。
成長とともに新しく卵子が作られることはなく、女性が年を重ねるのと同時に卵子の加齢が進みます。
35歳を超えると、卵子の分割率や着床率、妊娠率の低下は避けられません。
その結果、妊娠反応でも陰性が出やすくなるのです。
35歳以上の女性で体外受精が不成功になる人の7割以上は卵子の異常と考えられています。
そのため女性が若い間に卵子を凍結保存しておくという方法を選ぶ人もいます。
胚の染色体異常の検査として着床前診断がありますが、日本では一般的ではありません。
原因がはっきりしないまま治療を続けるしかないのが、今の不妊治療の現状です。
治療を続けることに不安を感じるときには、医師と相談の上治療の方針の見直しも必要になるかもしれません。
子宮が原因で体外受精に成功しないこともあります
体外受精がなかなか成功しないケースでは、子宮の環境に問題があることも考えられます。
たとえば子宮の内膜が厚くならないことも原因です。
通常であれば、子宮内膜細胞は胚を受け入れるためにエストロゲンやプロゲステロンの影響を受けて厚くなっていきます。
着床には8ミリ以上の厚さが必要で、6ミリ以下の厚さでは1割も着床しないと言われています。
子宮内膜が厚くならない場合、採卵周期は誘発剤の影響で内膜が厚くならないことがあるため一度胚を凍結させて子宮を休ませる手法が採用されることもあります。
さらに子宮内膜ポリープや子宮筋腫も原因です。
子宮内膜ポリープは妊娠や流産によって起こるほか、体外受精時の炎症も原因となります。
子宮鏡検査では子宮内をファイバースコープで見ることでポリープを発見することができます。
子宮筋腫は33歳以上の女性に散見される症状です。
多くの場合の筋腫は妊娠に影響が少ないものですが、筋腫ができることで着床しづらくなると言われています。
さらに子宮内膜症やレセプターなども妊娠を妨げる原因です。
なかなか体外受精が成功しないという場合は、子宮鏡検査やMRIなどの検査をしてください。
妊娠するためにまずは胚にとって良い環境を作ることを優先しなければいけないケースがあることを理解しましょう。
妊娠しない原因がわからないこともあります
体外受精がなぜ成功しないかわからないときには、さまざまな検査で不妊の原因をさぐります。
体外受精が成功しない原因によってとるべき対策は違います。
子宮内を整地して着床率を上げる手法やアシステッド・ハッチングで胚の成長をサポートする方法などが一般的におこなわれる治療法です。
ヒアルロン酸を含んだ培養液で胚移植する方法や二段階で胚移植する手法なども登場して、不妊治療の種類も増えました。
しかしいろいろな治療法を試みても妊娠しないケースもあります。
卵管因子や免疫異常、ホルモン異常なども妊娠しない原因です。
女性ではなく、男性の精子に異常があるケースもあるでしょう。
現在医療技術で体外受精が成功しない原因が把握できないことは珍しくありません。
ただし原因がわからなくても生活習慣や食生活の見直しで妊娠に至ったケースは数多くあります。
不妊治療は早く始めることで、それだけ効果も期待できます。
気になる場合はパートナーと相談して、早めに検査や治療を開始してください。
(まとめ)体外受精しても妊娠反応が陰性なのはなぜ?
卵子や子宮が原因で体外受精が成功しないことはよくあります。
35歳以上の不妊の多くは卵子が原因と言われていますが、不妊の原因がはっきりしないケースも少なくないのでさまざまなアプローチの治療を試しましょう。
体外受精の不成功の原因は卵子異常かもしれません。
卵子も身体と同様に年をとります。
35歳以上で体外受精が上手くいかない人の7割以上は卵子の異常が原因と言われています。
妊娠にしにくいのは子宮に原因があるかもしれません。
子宮内膜が厚くならないケースやポリープ、子宮筋腫によって妊娠しにくくなっていることがあります。
場合によっては妊娠よりも治療を優先することも考えましょう。
妊娠に至らないケースでは卵管異常やホルモン異常などが原因として考えられます。
ただし体外受精が不成功になる原因がはっきりわかるとは限りません。
新しい治療法にチャレンジしたり、生活習慣を治したり、様々なアプローチで妊娠を目指しましょう。