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体外受精時の筋肉注射の痛みは注射の種類と薬液の性質が原因です
筋肉注射は刺激が強い薬を大量に入れることができるため、強い痛みを伴うことがあります。
排卵誘発剤やホルモンの注入など体外受精に注射は欠かせません。
注射前後のマッサージなど筋肉注射の痛みを緩和する方法もありますし、自己注射を選択する人もいます。
メリットや料金、リスクなどを理解したうえで、自分に合った注射方法を選びましょう。
筋肉注射が痛いのは他の注射にはない特徴があるからです
不妊治療の中でも辛いとこぼす人が多いのが筋肉注射です。
筋肉注射は筋肉内注射とも呼ばれ、腕や太腿・おしりなどの筋肉に垂直に、深く打って薬液を投与する注射のことです。
皮下注射や静脈注射は針を寝かせて刺すのに対して、筋肉注射はより深く、垂直に近い角度で刺します。
皮下注射や静脈注射、筋肉注射はそれぞれ特徴があります。
注射の種類によって薬の吸収速度などが違うため、薬に合った注射方法を選択するのです。
たとえば即効性を期待するのであれば静脈注射を選択しますが、持続性が欲しい時などは筋肉注射が選ばれます。
さらに粘度が高い薬液や油性の薬は作用が強く、血管内に直接入れることができません。
そのようなケースでは筋肉注射が選ばれるのです。
筋肉には毛細血管やリンパ管が多く存在します。
よって皮下注射の2倍の速度で薬液を浸透させることができます。
さらに筋肉注射は多量の薬液をいれることが可能です。
他の注射比較した場合、筋肉注射は作用が強い薬を、より深く多く入れることができる注射です。
その結果、身体にかける負担も大きく痛みを強く感じてしまうのです。
筋肉注射の痛みを緩和する方法もあります
不妊治療は場合によって長い道のりになります。
その中でも回数が多い筋肉注射が少しでも楽になれば、不妊治療の負担も減るのではないでしょうか。
一説には筋肉注射を打つ側の工夫によって筋肉注射の痛みを緩和できると言われています。
針を刺すときに皮膚を引っ張るように伸ばす方法や、軽く爪を立てるように皮膚をつまむと感覚が分散して痛みを感じにくくなるともいわれています。
しかしこの手法は患者側が痛みを減らすためにすることができる手法ではありません。
患者の立場でおこなうことができるのは注射前後のマッサージです。
注射後のマッサージには薬剤の吸収を促進させ、痛みを緩和する効果があります。
ただし薬剤の種類によって注射後に揉むかどうかは違うので必ず医師の指示に従ってください。
さらに注射で刺される部位をあらかじめつねっておくという方法もあります。
これは注射する部位にあらかじめ痛みを与えておくことで刺された時の痛みを緩和する方法です。
また呼吸を止めず、できるだけリラックスして身体の力を抜くことで筋肉を弛緩させる方法もあります。
痛みの感じ方や薬への反応は個人差があります。
痛みがあまりにも強い時には医師に相談して、注射の場所を変えてもらったり、いつもと違う人に注射してもらったりと工夫してみましょう。
注射の負担を減らす自己注射を選ぶ人もいます
体外受精には欠かせない注射ですが、長期間にわたる不妊治療では注射に通うことも負担になります。
体外受精が決まると卵子を育てるために排卵誘発剤やホルモン剤などの薬を使います。
採卵時にできるだけ多く状態がいい卵を取るために、体外受精に注射を欠かすことはできません。
毎日注射に通う負担を減らすために採用されているのが自己注射です。
自己注射には皮下注射と筋肉注射があり、それぞれ薬剤も違います。
自分で注射することに不安があるという人には、抵抗感が少ないペンタイプの注射も登場しました。
筋肉注射の場合は病院での指導が必要になりますが、ペンタイプであれば比較的抵抗感を持たずに注射することができます。
それぞれの薬の効果や値段などを比較検討して選びましょう。
仕事をしながら不妊治療をおこなっているケースでは、注射するために婦人科に通うのも大変です。
不妊治療によって生活にストレスが生じれば、治療にも影響を与えるでしょう。
医師に相談して自己注射も視野に入れましょう。
(まとめ)体外受精をするときの筋肉注射ってどうして痛いの?
筋肉注射は他の注射と比べて効果が高い薬を多く入れることができます。
その結果として、身体への負担は少なくありません。
注射の痛みを減らす工夫や自己注射など、医師と相談しながら自分に合った治療方針を決めましょう。
筋肉注射は他の注射と比較して、強い作用がある薬をたくさん入れることに適しています。
とくに粘度が高い薬液や油性の薬液を入れるときには筋肉注射が使われます。
筋肉注射による異物感や痛みは強い薬を大量に入れることが原因です。
筋肉注射の痛みを緩和するためにはいろいろな方法があります。
注射前後のマッサージやあらかじめ注射部位を抓っておく方法などがあるため、いろいろ試して自分に合った方法を探しましょう。
注射のために病院に毎日通う不妊治療は、日常生活に大きな負担を与えます。
そのようなケースでは、自己注射を選択する人も珍しくありません。
筋肉注射やペンタイプの注射などいろいろな種類があるので、料金や効果を比較して選びましょう。