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ゴナールエフは卵胞の成長を助け妊娠率を上げる治療薬として体外受精でも使われます
ゴナールエフは女性の卵胞を育てる薬で、他の排卵誘発剤に比べて効果が現れやすいと言われています。
ゴナールエフとHCG製剤を併用した女性のうち、約80%で排卵が認められ、さらに約17%で妊娠したというデータもあります。
男性の精子形成障害を改善するためにも効果があり、男女を問わず不妊症に悩む人への救世主になる薬です。
ゴナールエフは卵胞を刺激して排卵を促進します
不妊となる理由の中でも、多くの女性が悩むのが排卵障害です。
しかし一言で排卵障害といっても様々な理由があります。
排卵障害の一例をあげると、下垂体機能障害があります。
排卵は脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)によっておこなわれます。
しかし脳下垂体の機能に問題があれば、卵胞刺激ホルモン(FSH)も黄体形成ホルモン(LH)も分泌されません。
結果として、無排卵になってしまいます。
ゴナールエフは卵胞刺激ホルモン(FSH)の代わりに卵胞の成長を助けて排卵を促進する薬です。
その効果から別名『遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン』とも呼ばれます。
卵胞発育が遅く、排卵がおこなわれない多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にもゴナールエフは効果的と言われています。
ゴナールエフを使うメリットは排卵を促す働きがあるとされている黄体形成ホルモン(LH)が含まれていないという点です。
ゴナールエフを使用して卵胞をしっかり育ててから、HCGを使用して排卵を促す治療法もあります。
排卵障害に悩む女性には最適の治療薬ともいわれ、他の排卵誘発剤に比べて効果が現れやすいとも言われる薬です。
男性にもゴナールエフは効果を発揮します
ゴナールエフは女性だけでなく、男性の不妊治療にも使われています。
性的成熟が進まず、精子が形成できない低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症(MHH)にもゴナールエフが使用されています。
男性の精子形成にも性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が必要ですが、脳の視床下部や下垂体の機能に障害があると性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が十分に分泌されません。
その結果、精巣内で質が良い精子が作られなくなってしなうことがあり、無精子・乏精子症の原因にもなります。
不妊症の原因は女性だけでなく、男性にもあります。
脳の視床下部はストレスの影響を受けやすく、仕事や日常生活のストレスは性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌に影響を与えます。
男性にとっても不妊症は他人の話題ではありません。
女性側に問題があったとしても、精子の質を向上させることで妊娠率は高まり、生まれてくる赤ちゃんの先天異常のリスクを減らすことにもつながるでしょう。
男性不妊症を検査することで精巣腫瘍のように隠れた病気に気づくこともあります。
もしかして男性不妊じゃないかと気になる場合は病院で検査することをおすすめします。
ゴナールエフは自分で注射することができます
ゴナールエフは月経が開始して3~5日目から始めて、1週間~10日ほど毎日打ちます。
卵胞の成長を観察しながら、成熟が認められるまでゴナールエフは打ち続けます。
その間毎日病院に通い続けるのは大変という人も多いでしょう。
ゴナールエフは病院で注射してもらうこともできますが、自分で打つ自己注射も可能です。
ゴナールエフ注射に使用する針は細く、極度の痛みを伴うものではありません。
ペンタイプのものもあるので、注射に対する心理的ハードルも低いでしょう。
ゴナールエフは腕やお腹、臀部などに打ちます。
自分で打つ場合はお腹が見やすくて打ちやすい場所ですが、発赤や痛みを防ぐために注射部位を毎回変えるようにしましょう。
自己注射であれば、毎日病院に通う必要もないため、不妊治療の負担を大きく軽減することができます。
ただし自己注射の場合でも医師の指示にしたがって、事前に注射方法の指導を受けてください。
またゴナールエフは効果の高い薬ではありますが、高額です。
保険適用になるかどうかは治療内容によるため、不安であれば事前に医師に確認しておくといいでしょう。
(まとめ)体外受精で処方されるゴナールエフの効果って?
ゴナールエフは女性と男性双方の不妊治療に用いられる薬です。
女性の卵胞の成長を助け、さらに男性の精子の形成を促します。
不妊症に悩むカップルの妊娠率を高めると期待されている薬です。
ゴナールエフは無排卵や排卵障害に悩む女性の救世主となる薬です。
ゴナールエフには卵胞の成長を促進する働きがあるため、排卵を促進するHCGと併せて使われることもあります。
ゴナールエフは男性の不妊治療にも使われています。
男性の精子形成にも性腺刺激ホルモンが必要で、脳下垂体や視床下部の機能不全で精子が作られなくなることもあります。
そのようなケースでゴナールエフは精子の形成を促す効能があると言われています。
ゴナルーエフは自己注射できるため、通院の負担を減らしたい人にもおすすめです。
ゴナールエフが保険適用になるかどうかは治療によって違います。
不安な場合は事前に医師に確認しましょう。