体外受精の準備周期は検査や調整のために必要です


体外受精の準備には、体の健康状態を知るためにさまざまな検査が行われます。
女性では卵巣や子宮のチェックが行われ、男性も精液の検査があります。
感染症や内臓の機能のチェックなど安全な妊娠のための検査も行います。

また体外受精の本番周期のホルモンバランスを整えるために薬の服用なども必要です。
準備周期には避妊を行います。

体外受精は準備周期で可能性を高めます

体外受精を行う時には、卵子を受精させることだけでなく、受精卵を戻した時の安全性と着床の可能性を高めることも大切です。
そのため体外受精を始める前には準備周期を設けて、夫婦の健康状態を検査したり、女性の体を妊娠しやすい状態にしたりします。

検査で行う内容としては、肝機能や腎機能・感染症の有無・甲状腺ホルモンやクラミジア・風しんの抗体など多岐にわたります。
また男性の精液や感染症の検査も行います。

夫婦の健康状態を検査することは健康で安全な妊娠には欠かせません。
こうした検査を行うことで妊娠するのに問題がないかを確認してから体外受精を進めていきます。

さらに準備周期ではホルモンバランスを整えて、受精卵を胎内に戻した時に着床しやすい環境を作ります。
受精卵が健康であっても、女性の体が妊娠に適した状態になっていないと着床まで至らないケースもあるためです。

受精卵の準備と女性の体をとりまく環境の準備、この二つが揃ってこそ、体外受精の可能性が高まります。
もちろん、男性の健康状態や精液の状態も大きな影響を与えることとなるため、夫婦で協力して準備周期を乗り越えることが必要です。

体外受精の準備周期は1ヶ月程度となります


体外受精の検査やホルモンバランスの調整などの準備は、初めて受診してから1ヶ月ほどかかります。
月経から月経までの1周期の間に行うため、基本的には1ヶ月後にはじめての体外受精となるでしょう。

ただし採卵周期に受精卵を戻す場合には、高ホルモン状態という着床しにくい状態になっている場合があります。
そのため受精卵を凍結して、女性の体内のホルモンバランスが良い状態になった時に合わせて受精卵を戻す方法が採られることもあります。

また準備期間に行った検査の結果、風しんのワクチン接種が必要となった場合には1ヶ月で体外受精の周期を始めることは出来ません。
ワクチン接種を行った場合には、2ヶ月間準備期間を設けて、その間は避妊を行う必要があります。

体外受精の前の準備期間に避妊を行うのは、安全性を高めるためと着床しやすくするために必要なことです。
長く妊娠を待ち望んでいた夫婦にとっては、避妊をするなど考えられないことかも知れませんが、将来の安全でスムーズな妊娠のためには守らなければいけません。

体外受精の準備周期にも通院が必要です

体外受精を行う場合には、夫婦での通院や夫婦どちらかの通院など、何度かクリニックまで足を運ぶことが必要となります。
仕事などで、時間に制約がある場合でも体外受精の利用はできます。

しかし一定の回数の通院は避けられませんし、タイミングを合わせて病院へ行かなくてはならないこともあるため、時間の調整などが必要です。
また刺激周期に排卵誘発の注射が必要な場合には毎日通院を繰り返すことになる人もいます。

自然周期の人でも途中から数回の注射が必要となることもあります。
体外受精では指導を受ければ自己注射が可能となるため、通院が難しい場合にはこうしたものも利用すると良いでしょう。
自己注射が怖くて出来ないという場合には、病院で行うことになります。

準備周期の後、受精卵を戻してからも通院の必要はありますし、ちょっとした変化があり次第病院に指示を仰ぐこととなるでしょう。
準備周期から本番周期、さらに妊娠を確認してからも、安全に妊娠を継続させるためには通院や病院との連携が大切です。
また夫が通院する回数もあり、体外受精は女性だけに任せておけば良いということではありません。

(まとめ)体外受精の準備周期とは?

1.体外受精の準備周期は検査や調整のために必要です

体外受精の準備としては、健康状態のチェックや妊娠に関係する機能の検査などが行われます。

またそれとともに避妊をして本番のホルモンバランスを整えることも必要です。

2.体外受精は準備周期で可能性を高めます

体外受精を行う時は、受精した後の卵子が上手く着床しやすい環境を整えることが大切です。

そのため準備周期には夫婦の健康状態を検査したり、女性の体の調整を行ったりすることで妊娠の可能性を高めます。

3.体外受精の準備周期は1ヶ月程度となります

体外受精の検査や女性の体の準備が整うまでには通常1ヶ月程度かかります。

ただし女性の着床しやすいタイミングのためやワクチン接種などの問題でそれ以上の期間がかかることもあります。
準備周期には避妊を行い、安全に妊娠できるように備えます。

4.体外受精の準備周期にも通院が必要です

体外受精を行い無事に妊娠までたどり着くためには、準備周期からの何度かの通院を繰り返すことになります。

排卵誘発の必要がある場合には通院回数が増えることもあります。
安全な妊娠のためには病院との連携は避けられず、夫婦での時間調整が必要です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
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院長 小松保則医師