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体外受精に必要な子宮内膜の状態を作るためホルモン補充を行います
女性ホルモンの働きによって月経から排卵、受精し、着床したら妊娠成立という流れが進んでいきます。
まず体外受精させた受精卵を移植するため人工的にホルモン剤を投与してホルモンの働きを補うことで子宮内膜を厚くし、着床の準備をするのです。
この方法により受精卵が着床、妊娠成立した場合でも妊娠8~9週まではホルモン剤の投与を続ける必要があります。
ホルモン補充により人工的に排卵を作り出します
体外受精の治療の中にはホルモン剤を投与する「ホルモン補充周期」があります。
ホルモン補充期間では2種類のホルモン剤を使って架空の排卵を作り出し、こうすることで子宮内膜を着床に必要なだけの厚さにしていきます。
詳しく説明するとエストロゲンで子宮内膜を厚くし、プロゲステロンで排卵後の状態を人工的に作り出すという内容です。
それからホルモン補充による方法は日にち調節が簡単であり、胚移植決定までに必要な来院日数も1~3回で済むというメリットを持っています。
胚移植までの大体の目安として治療内容の一例をあげておくと、まず貼り薬のホルモン剤をメインとして内服薬と塗り薬を補助的に行います。
それを続けて14~15日目には子宮内膜が7~8mmの厚さを持つようになるのでそこで採血を行い、十分なホルモンレベルに達していれば胚移植が行う準備に入ります。
その状態が整ってから5日ほど必要になるので月経後19~20日での胚移植になることが多いのです。
ホルモン補充による副反応もあります
ホルモン補充を行っていると薬による副反応の起こる場合もありますが、人によっては起こらないこともあります。
副反応の例としては、吐き気・おう吐・胃痛などがあげられますが、ホルモンの働きによるもののため、とくに心配はありません。
慣れてくるものなので、症状が軽いと思えば様子を見ていてもよいでしょう。
しかし症状が重い時や異変があり不安に感じる時は飲む時間を変えたり使用の中止したりすることが必要になるので、担当医に相談しましょう。
それからホルモン補充すると3~4日経った頃に少量の出血があるはずです。
これは月経にあたりますが、普段のものとは違ってくるので気づかない場合もあるものです。
ホルモン補充周期の体の変化を確実に知るためにも、治療とあわせて基礎体温をはかっておくようにしましょう。
またホルモン補充周期で胚移植した場合まれに少量の不正出血が起こることもあります。
これはエストロゲン製剤によって子宮内膜が育ってきたとしても、排卵が抑制されることでプロゲステロンが分泌されないことで子宮内膜の維持が難しくなり、途中で剥がれることで発生します。
もし不正出血が現れたらホルモン補充周期のリセットが必要になる可能性もあるため、出血が見られた時には担当医へ相談しましょう。
内臓を温めてホルモン補充をサポートしましょう
体を温めることは妊娠に大切なポイントですが、ただ重ね着をしていればいいというわけではありません。
重要なことは血流をアップして内臓を温めることで、ホルモン補充周期のサポートにも役立ちます。
そのために自分で行える方法があるのでぜひ実践してみましょう。
まず食事で気を付けたいことは冷えた物ばかりとらないことで、夏場にはよく冷えた飲み物や口当たりのよい食べ物ばかりとりたくなりますが、できるだけ室温以上の物をとることがおすすめです。
他に血流アップに役立つ食品として、たんぱく質を多く含むものを積極的にとりましょう。
なぜなら栄養素の中で最も熱を発生しやすい栄養素だからですが、もちろんその他の栄養素もバランスよくとる必要があります。
他に血流アップを助ける方法として適度な運動があり、ウォーキングやストレッチのような手軽に行える内容を継続していくことです。
ジムなどへ通っても構いませんが無理のある強度の運動では継続が難しくなるため、気持ちよく終えられる「もう少しやれそう」という程度で辞めておきましょう。
(まとめ)体外受精で行うホルモン補充は何のため?
女性ホルモンの働きで月経や排卵、妊娠が起こるため人工的にホルモンを補充して着床しやすい子宮内膜を準備させます。
体外受精に必要な卵子を育て採卵するために行われる方法で、妊娠成立してからも8~9週までは投与継続が必要です。
体外受精のホルモン補充周期で2種類のホルモン剤を投与することにより架空の排卵を作り出して、体外受精の受精卵移植に十分な厚さの子宮内膜にしていきます。
だいたい月経より19~20日後くらいに胚移植を行うことが多くなっています。
ホルモン補充による副反応は薬によるもので、その症状として吐き気・おう吐・胃痛などがあります。
慣れてくる症状ですが、症状が重かったり異変があったりする時はすぐに担当医に相談して使用する時間帯を変えたり使用の中止をしたりしましょう。
血流をアップさせて内臓をあたためるためには毎日の食事の中では特にたんぱく質を積極的にとり、他の栄養素もバランスよくとることです。
適度な運動も血流アップに最適で、ウォーキング程度の運動を継続して行いましょう。