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体外受精の採卵では麻酔以外の適用も可能です
不妊治療で体外受精を受けるとき、採卵針を刺して行うために痛みを伴いますが、このときには麻酔を受けることができます。
その方法は静脈麻酔だけではなく、局所麻酔も使用されるのが一般的です。
どの麻酔方法を用いるかは、採卵の方法や痛みへの耐性などで決められます。
また場合によっては麻酔なしで採卵が行われることもあります。
麻酔を行うかどうかは医師によっても判断が異なりますから、確認するといいでしょう。
採卵の際の麻酔は静脈麻酔だけではないのが一般的です
採卵を行うとき、少なからず痛みが伴うもののため麻酔が用いられますが、必ずしも静脈麻酔を行うわけではありません。
では採卵の際に用いられる麻酔の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
この方法は、静脈麻酔の方法のうち麻酔薬を点滴で静脈に注入するものです。
静脈麻酔を行うことで完全に意識をなくすことになります。
主に用いられるのは採卵する数が多い排卵誘発法を行った場合であるほか、極端に痛みが苦手な人に対しても使用されます。
これは神経に麻酔薬を注射し、周辺の痛みのみを感じなくする方法です。
意識ははっきりとある状態で、自分が採卵の処置をされているのも確認できます。
この方法は採卵する数が少ない排卵誘発法を用いたときに適しています。
この方法は、麻酔薬をスプレーで吹きかけることで麻酔薬を行きわたらせる方法です。
麻酔の方法の中では最も簡単で、採卵数が1~3個程度の排卵誘発法を行ったときにはスプレー麻酔でも十分といわれています。
静脈麻酔はいくつかの副作用が予想される方法です
採卵における静脈麻酔=静脈麻酔は、採卵数が多く痛みに長く耐えなければならない場合や、痛みに極端に弱い人にのみ用いられる方法と考えていいでしょう。
そして静脈麻酔にはいくつかの副作用が伴う恐れがあることも覚えておく必要があります。
その副作用の可能性には、以下のようなものが考えられます。
- 吐き気、めまい、頭痛
これは麻酔薬そのものの副作用によって起こるものです。 - 腰痛
静脈麻酔によって長時間姿勢を変えないことで腰に負担がかかり、腰痛を起きすことがあります。 - 全身が震える
静脈麻酔を受けると、体温を保持する機能が低下します。そのため体温を復活させようとして震えが起きることがあります。 - 目がゴロゴロする
麻酔で意識を失っているときに目を完全に閉じていない状態では、目が乾きやすくなって目覚めたときに違和感を覚えることがあります。
- アナフィラキシーショック
麻酔薬の投与によってアレルギー反応を起きし、そのショックで呼吸困難になったり血圧が低下してしまったりなどといった症状を発するものです。 - 全身のしびれ
意識を失って長時間同じ姿勢でいることでしびれが起こることがあります。
痛みの感じ方には個人差があります
採卵の際に使用される採卵針は非常に細いものではありますが、卵巣まで針を届かせる必要があるために痛みは少なからず起こるものです。
しかしこの痛みの感じ方には個人差があります。
静脈麻酔を受けなければ処置ができないほど強い痛みに感じる人もいれば、全く麻酔を行わなくても耐えられるという人もいます。
そのため麻酔方法をいくつか用意して、任意で選べるという医療機関も存在します。
ただし取り扱う麻酔の種類が静脈麻酔のみなどと決まっている、また麻酔自体を行わないという医療機関もあります。
麻酔を行わない方法にはメリットがあり、副作用が全くないことや、処置を受ける女性が採卵の様子や卵子の状態をリアルタイムで確認できることなどが挙げられます。
また意識を失わないことによって、採卵後に本人確認がすぐに行えるため、取り違えなどといったトラブルを防ぐことができるのです。
麻酔を受けられるか受けられないか、どのような麻酔方法を受けられるかなどについては、前もって医療機関に相談しておいた方がいいかもしれません。
(まとめ)体外受精の採卵のときは静脈麻酔が必要なの?
体外受精で採卵を行うとき、伴う痛みを軽減するために麻酔が使われることもあります。
それは静脈麻酔だけではなく局所麻酔も用いられ、採卵方法や痛みへの耐性などで決められます。
また麻酔なしで採卵を行うケースもあります。
採卵の際には痛みが伴うために麻酔が用いられます。
その種類には、採卵数が多いときや痛みに弱い人に用いる静脈麻酔、採卵数が少ないときに適した局所麻酔、採卵数が1~3個程度のときに簡単にできるスプレー麻酔があります。
静脈麻酔は、いくつかの合併症が起こる可能性があるものです。
その主なものとは頭痛やめまい、腰痛や全身の震えなど軽いものから、アナフィラキシーショックや全身のしびれなどにまで及びます。
採卵の際には細い採卵針を卵巣に刺すため痛みが生じます。
ですが静脈麻酔が必要になる人もいる一方、麻酔なしで我慢できる人もいるなど個人差があります。
また医療機関によって麻酔の種類が限られていたり無麻酔であったりなど、対応に違いがあります。