体外受精注射は指定した時間に打ちます


体外受精の際には排卵促進剤が使われます。
その際に使うのが、hMG製剤で、ヒト閉経期ゴナドトロピン製剤と呼ぶものです。

注射は自己注射が可能で、その日のうちに打つことができれば時間は問いません。
不規則な時間帯に打っても問題なく、自己注射することができなければ、近くのクリニックに注射を依頼することもできます。

ただし排卵促進剤の投与を中止し、卵胞の成熟を促すhCG製剤の注射は時間厳守です。
必ず決められた時間に注射を打つ必要があります。

注射に使われる主な製剤について紹介します

体外受精時に卵胞を成熟させる成分として注射する製剤には、hMG製剤とFSH製剤の2種類があります。
卵胞を成熟させるための注射製剤とは、人の尿からFSHとLH成分を抽出し、精製した製剤です。

卵巣機能が低下した女性は、脳下垂体からFSHとLHの分泌量が上昇するため、これらが多く含まれる人の尿から成分を回収しています。
このうちLHの割合が高いものをhMG製剤と呼び、LH成分を含まないものをFSH製剤といいます。

hMG・FSH製剤は人の尿から生成された薬ですが、感染症などの報告例はいままでありません。
海外では人の尿を使わず、遺伝子組み換えにより製造されたリコンビナントFSH製剤が使われています。

日本でもリコンビナントFSH製剤として、2005年にフォリスチムが認可されており、活用することが可能です。
hCG製剤とは排卵促進剤で育てた卵を排卵させるための製剤で、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのhCG製剤が使われています。

この注射を打つと24~36時間後に排卵が起きるのが特徴です。
胎盤からhCGを抽出し作られています。

体外受精の刺激法はメリット・デメリットがあります


体外受精で注射を打つ方法とは、刺激法と呼ばれるものです。
内服薬を利用し効果が穏やかな低刺激法もありますが、一度に採取できる卵子の数を多くしたい場合は、刺激法を用います。

刺激法のメリットは、一度に多数の卵子が採取できることで、良質な胚が育つ可能性が高まるといえるでしょう。
複数の胚は凍結保存が可能となり、その際にダメでも期間をおいて凍結胚を移植できます。

凍結胚は長期間の保存が可能で、1人目が成功したら、保存している凍結胚で2人目の治療にも使うことが可能です。
刺激法では排卵誘発剤を兼用することが多く、使わなければ採卵数がひとつとなるためメリットは得られません。

注射は作用が強くなるため、卵巣機能に問題がないことが選択する条件です。
デメリットとして挙げられるのが、毎日注射を打たなければならないことです。

肉体的や精神的な問題が生じる可能性があり、経済的な負担も考える必要があります。
自己注射については事前に練習が必要です。
注射自体は一般の人でも簡単に扱える、自己注射キットが利用できます。

排卵促進剤について紹介します

体外受精を利用する際には、排卵促進剤を利用することがあります。
排卵促進剤とは、排卵障害がある方に適用される薬で、より良い卵子を得るために使われているものです。

また一度の排卵数を増やすことも可能なため、体外受精の凍結胚としても活用されています。
排卵促進剤には、飲み薬・注射・点鼻薬と種類があります。

飲み薬は効果が穏やかで副作用が少ないことから、最初は飲み薬から始めることが多くなっています。
飲み薬でも効果がなければ、作用が高い注射薬を選択する必要があるでしょう。

飲み薬は卵胞を育てる薬もあるため、排卵促進剤に頼らない体外受精でも選択されています。
薬の費用は飲み薬より注射のほうが高くなるため、費用についても確認する必要があります。

自己注射キットを使用して注射する場合は、1クール数万円程度の費用を考えておきましょう。
点鼻薬と注射を兼用する場合では、ロング法と呼ばれています。
一方で点鼻薬を用いないショート法という治療方法もあり、体外受精では一般的な方法です。

(まとめ)体外受精の注射を打つ時間とは?

1.体外受精注射は指定した時間に打ちます

体外受精では排卵促進剤を打ちますが、hMG製剤はその日のうちに打てば大丈夫です。

自己注射または近くのクリニックで打ってもらうことができます。
しかし卵胞の成熟を促すhCG製剤は時間厳守のため注意しましょう。

2.注射に使われる主な製剤について紹介します

体外受精時に使われる注射には、卵胞を成熟させるためのhMG製剤とFSH製剤、排卵を促すhCG製剤があります。

卵胞を成熟させる製剤は人の尿から成分が抽出されたものと、遺伝子組み換えにより製造されたものが利用可能です。

3.体外受精の刺激法はメリット・デメリットがあります

体外受精で注射を打つ方法とは、刺激法と呼ばれるものです。

作用が高く、一度に複数の採卵が可能となり、凍結保存して何度か分けて移植することができます。
注射を毎日打つリスクや、自己注射についても考慮しておきましょう。

4.排卵促進剤について紹介します

体外受精で利用する排卵促進剤では、注射以外にも飲み薬のみの治療法や、点鼻薬と兼用する方法があります。

メリット・デメリットを把握した上で、それぞれの特徴とかかる費用などを比較しながら適切な治療法を選択しましょう。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

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院長 小松保則医師