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体外受精の2回目の成功率は56%です
体外受精は回数を重ねるごとに成功率が高まっており、1回目の成功率は31%だったのに、2回目となると56%まで上昇します。
その後も緩やかに上昇は続き、回数を重ねれば重ねるほど妊娠する割合が高いといえます。
1回目や2回目で受精することができなくても、胚移植すれば7割が4回目までには受精する可能性が高く、8割は7回目で妊娠に至っていることがわかっています。
女性の年齢によって成功率は左右します
体外受精の1回あたりの成功率は、25~30%程度だと考えておきましょう。
この数値は全体の成功率ですから、すべての女性に当てはまるものではありません。
統計的なデータでみれば、2回目は56%まで上昇し、10回行えば79%まで上がることになります。
確率だけをみれば、回数を重ねれば妊娠できる可能性が高まると感じるでしょう。
もっとも大切なことは、女性側の年齢が若いことです。
若い女性が中心に受診するクリニックでは、当然成功率も高まります。
一方で幅広い年齢の方を対象に治療を行っているクリニックでは、成功率は低くなってしまいます。
どのような治療方法をやっているかによっても変わってくるため、クリニックが提示する成功率は、あくまでも参考程度にみておくようにしましょう。
1回目の成功率が25~30%だとすれば、逆に妊娠しない人の確率は70~75%いることになります。
体外受精の成功率は思ったより高くないのが現状であるため、できるだけ女性側が若いうちに治療を初めて、回数を重ねられるということが大切です。
日本の体外受精は海外と比べて成功率が低いです
実は日本の体外受精の成功率は、海外と比べて高くはありません。
その理由は、体外受精の内容に影響されています。
日本では低刺激排卵誘発法を利用するケースが多く、この治療法では1回の排卵で1~2個の採卵しか行えません。
この治療のメリットは、排卵促進剤を使わないため、薬の作用が穏やかで副作用が少ないことです。
ところが1回で卵子を1~2個しか採取できなければ、それだけ受精する確率も減るというものです。
自然な方法でできるだけ副作用が少ないのは重要ではありますが、排卵促進剤を使えば十数個程度は採卵できるため、それだけ受精率も高まります。
通常の排卵で1個の卵子が排出されるのは、たまたま条件がそろった卵子であるのみです。
受精に適した卵子であるわけではなく、自然妊娠でも排卵で受精し成長できる割合とは、たった5%しかないと報告されています。
低刺激排卵誘発法を選択し、体外受精が1回目、2回目と少ない回数しか行えない年齢であれば、チャンスは確実に減ってしまうでしょう。
排卵促進剤には副作用もありますが、同時に妊娠できる確率が高い卵子を獲得できることにもつながります。
体外受精の確率を上げる方法のひとつに凍結胚があります
体外受精で以前主流となっていたのが、新鮮胚移植の方法です。
採卵した周期に移植も一緒に行ってしまう方法で、新鮮な胚なのだから、当然着床率も高いように感じるでしょう。
しかしそのタイミングでちょうど子宮が胚を受け入れる環境になっているとは限らず、成功率はそれほど高くはありません。
新鮮胚移植で上手くいかなった方には、凍結胚を移植する方法をおすすめします。
周期をずらして移植する方法のため、子宮が着床に供えたベストタイミングで移植ができます。
凍結胚を移植するためには、当然クリニックの施設を比較する必要があります。
設備が整っていなければ新鮮胚を選択せざるを得ないため、必然的に成功率が低下する可能性があるでしょう。
そのため凍結胚を移植できるクリニックを選ぶことが、成功率を上げる方法のひとつともいえます。
周期を開ければ、その間にホルモン補充療法で子宮内膜の状態を改善することができます。
移植日も調節できるため、なかなかタイミングが合わない方にとって最適です。
凍結胚移植は、同年齢の新鮮胚と比べて、約20%の確率で成功率が高まるといわれています。
(まとめ)体外受精で2回目の成功率とは??
体外受精の成功率は、1回目より2回目のほうが増えており、回数を重ねるごとに増加します。
8割の方は7回目までには妊娠できている確立となるため、この回数を上限にして利用されるのもよいでしょう。
体外受精の成功率を上げるには、女性側の年齢が若く、早い段階から治療を開始する必要があります。
1回目より2回目と回数を重ねるごとに成功率は高まるため、何度も治療を受けられる年齢であることが大切です。
日本において体外受精卵の成功率が低い理由は、排卵促進剤を使わない方法が主流だからです。
通常の排卵でも5%程度しか赤ちゃんまで成長できないといわれていますから、排卵促進剤を使わない方法だと、1~2個しか採卵できないため確率が減ります。
体外受精で成功率を高めるには、凍結胚を移植する方法を選択するのも、改善策のひとつです。
子宮が着床に備えているベストなタイミングでの移植が可能となり、成功率が高まります。
新鮮胚移植と比べて成功率が高まるともいわれている方法です。