目次
体外受精の採卵前は麻酔を受けるために前日から絶食になることがあります
体外受精の採卵前日は麻酔を受けるため、夜から絶飲・絶食になります。
採卵前日は身体を休ませるためにリラックスして過ごします。
採卵は緻密な計算に基づいたスケジュールで行われる大切な工程です。
採卵前に排卵してしまうなど、ケースによっては採卵ができないことも起こりえるので、来院時間や投薬の時間などクリニックの指示は厳守するようにしましょう。
採卵前日はリラックスして過ごしましょう
採卵は卵子を育てて成熟させて排卵する前に取り出すことをいいます。
卵子が排卵してしまうと、取り出すことはできません。
さらによい卵をたくさん育てても、雑に取り出すと変形したり取り残したりすることもあります。
採卵は質がよい卵子をよい状態で取り出すことがポイントです。
そのためには前日の過ごし方にも気を使いましょう。
採卵前日は身体に負担をかけないように早めの就寝を心がけて、リラックスして過ごしてください。
麻酔を使う場合は前日から絶食が必要です。
排卵は緻密な計算によってコントロールされているため、指定された時間は絶対だと考えましょう。
寝坊や遅刻を避けるためにも、前日は十分な睡眠をとってください。
採卵前日には排卵抑制のための座薬を使用することもあります。
点鼻薬や注射など服薬の指示があった場合も指定された時間が重要です。
タイマーやアラームを使用して必ず厳守するようにしてください。
採卵当日は承諾書や替えの下着、生理用品などが必要になります。
当日に慌てることがないように、前日までに用意しておきましょう。
採卵当日はできるだけ休息をとって安静に過ごします
採卵は体外受精に欠かせない重要な工程です。
しかしその一方で怖く感じる人もいるでしょう。
採卵は膣から卵巣に針を刺して、卵胞中の卵子を回収する工程です。
実際の処置は超音波モニターを見ながら行い、5分から15分程度で終了します。
採卵で痛みがあるかどうかは個人差です。
細い針を使うため、痛みを感じなかったという人もいれば、針を刺すときは痛くなくても中で針を動かすときに痛みを感じたという人もいます。
これは卵巣の位置も関係しています。
卵子が採取しにくい位置にあれば、針を動かして回収するため痛みを感じやすくなります。
局所麻酔を使うケースと静脈全身麻酔が必要なケースがありますが、痛みの感じ方や卵巣までの距離、採卵に対する恐怖心などは人それぞれです。
医師と相談のうえ麻酔を使うかどうかを決めましょう。
採卵後、局所麻酔の場合は自分で内診台から降りて安静室に移動することができます。
全身麻酔の場合はストレッチャーでの移動です。
採卵自体の時間は短くても、採卵後はしばらく安静にしなければいけません。
朝早くから採卵しても、帰宅はお昼前後になると思っておきましょう。
とくに全身麻酔の場合は後から気分が悪くなったり、麻酔が残ったりすることがあるため、運転は控えて安静に過ごすようにしてください。
胚移植後も治療は続きます
体外受精は精子と卵子をシャーレの中で出会わせ、自然に近い形で受精させます。
受精後卵割が順調に進むと胚移植のステップに進むことができます。
新鮮胚移植の場合は採卵の2~5日後が胚移植日です。
胚移植はカテーテルを使って胚を子宮に戻して行います。
採卵と胚移植が終わったら妊娠判定を待つだけと思いきや、まだ治療は続きます。
胚移植後に行われるのが黄体補充です。
通常、排卵後の女性の身体は黄体ホルモンと、卵胞ホルモンが多く分泌されて妊娠する準備に入ります。
しかし採卵を行った場合はこれらのホルモンの分泌が不足するため、クリニックで補充する必要があるのです。
あわせてホルモンが十分に補充できているかどうか調べるためのホルモン値の測定も必要です。
その後の受精卵が順調に着床すれば晴れて妊娠です。
残念ながら陰性であった場合であっても、なぜ不成功であったかを分析して次の治療に生かすことができるのでムダにはなりません。
(まとめ)体外受精の採卵前日はなぜ絶食するの?
採卵の際に麻酔をつかうため、採卵前日は夜から飲食が禁止されます。
採卵にも影響があるため体外受精に関する投薬や来院のスケジュールは絶対厳守です。
必ずクリニックの指示を守るようにしましょう。
採卵前日はよい卵子をよい状態で取り出すためにリラックスして過ごしましょう。
飲食や薬の服用についてはクリニックの指示に従ってください。
採卵は緻密な計算で行われています。
とくに時間の指定があるものは絶対に厳守するように心がけましょう。
採卵は針を刺して卵子を回収する工程です。
卵子の位置や状態によって痛みの感じ方は違います。
採卵後は病院で回復を待ってから帰宅します。
採卵当日はムリをせずに安静に過ごしましょう。
体外受精時は胚移植をして終わりではありません。
受精卵を育てるために必要なホルモンを補充して妊娠に備えます。
ホルモンの値を見ながら、妊娠判定を待ちましょう。
陰性であったとしても結果を分析することで次の治療に生かすことができます。