体外受精で行われることのあるゾンデ診は胚移植のための準備です


体外受精にチャレンジしていると、その中で「ゾンデ診」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
これは胚移植のための準備のひとつで、ゾンデという医療器具を使って行い、スムーズに胚移植をするためのいわゆるリハーサルです。

ゾンデ診では子宮の大きさや形を計測して胚移植に備え、そのなかではお腹を押さえることもあります。
またゾンデ診の前には膀胱に尿をためておくことが必要です。

ゾンデ診により胚移植をスムーズに行う準備をします

体外受精ではさまざまな診察や検査を行いますが、そのひとつにゾンデ診があり、これは医療器具の「ゾンデ」を使って行う診察です。
ゾンデとは別名ブジーとも呼び、子宮などの器官内の探索・計測・拡張のために使われるゴム製または金属製のものです。

ちなみにゾンデは体外受精の診察だけでなく、外科的治療の診察などにも使われています。
体外受精の診察のひとつとして行われるゾンデ診では、子宮内の大きさや形、角度や位置などを調べて計測し、胚移植をどのように行うのが良いか最良の計画を立てるために行われます。

ひとりひとり子宮の形などは違っていることから、全く事前に情報がないままで移植をすることはとても難しいでしょう。
いきなり本番の移植を行って失敗し、大切な胚を無駄にすることがないように行われている診察です。

ゾンデ診前には膀胱に尿をためておく必要があります


ゾンデ診を次回行うというとき、医師や看護師から診察内容や注意事項について説明があるはずですが、そのなかに当日は尿を膀胱に溜めた状態で受診することが伝えられます。
子宮の内診を受けるときは尿を出しておくように伝えられることが多いものの、ゾンデ診の場合は逆になるのです。

なぜ膀胱に尿をためておく必要があるのかというと、尿が溜まっていない状態では膀胱がしぼみ、腸が広がっている状態にあり、エコーでの診察が行いづらくなるからです。
腸はエコーを通さない臓器であるため、少しでも膀胱に尿をためて膨らませることで腸を押しやり子宮が見えやすい状態をつくる必要があります。

できるだけ多く尿を膀胱にためておいた方が膀胱が大きく広がるので診察がしやすくなり、逆に尿の量が足りない場合はスムーズに検査ができないため、別料金で違ったカメラを使用しての検査になることもあります。

診察が難しいと、また別の日を設けて再診が必要になる可能性もあるでしょう。
この膀胱に尿をためた状態は、胚移植のときにも同じように必要になるため、検査のときに慣れておくのもポイントです。

より胚移植を行いやすい状態を準備しましょう

当日になって急に尿を我慢しようとしても思うようにいかず、我慢の限界が先にきてトイレに行ってしまうということも少なくありません。
応急処置として少しだけ排尿し我慢する方法もありますが、排尿しすぎたり尿漏れの心配があったりと難しい方法ではないでしょうか。

そのため、ゾンデ診の前に尿をためる練習をしておくこともひとつの方法です。
一般的に尿がたまりやすいと言われている状況は、汗をあまりかかない涼しいまたは寒いとき・朝に体が冷えたときで、どうしてもそれらの条件に合わなかったときのために、自分に合った利尿作用のある飲み物を見つけておくこともおすすめです。

どのような飲み物を飲んだあと、いつくらいまでなら我慢ができる状態でいられるかを試して知っておくと失敗が少ないでしょう。
利尿作用があると言われている飲み物には、コーヒー・紅茶・緑茶などのカフェインを含むものが多く、砂糖や人工甘味料を多く使ったコーラなどのジュースも利用作用が期待されています。

しかしこれらの飲み物は妊娠を目指している人にとって、大量に常飲することはあまりおすすめではないため、あくまでゾンデ診や胚移植で膀胱に尿をためる目的のときに口にしておく程度にしておきましょう。
カフェインをとりすぎると体を冷えやすくし、カルシウムを排出させてしまうことがあるからです。

(まとめ)体外受精で行う「ゾンデ診」とは?

1.体外受精で行われることのあるゾンデ診は胚移植のための準備です

ゾンデ診は体外受精で胚移植をするときに、スムーズに行うために実施するリハーサルのようなものです。

ゾンデという医療器具を使って子宮の大きさや形を計測し、胚移植に備えます。
そしてゾンデ診を受ける前には尿をためて膀胱を大きくしておくことです。

2.ゾンデ診により胚移植をスムーズに行う準備をします

体外受精の診察のひとつとして行われるゾンデ診は、ゾンデという医療器具を使って子宮の大きさ・形・角度などを計測するものです。

胚移植前に行っておくことで、本番がスムーズに進むよう計画が立てられます。

3.ゾンデ診前には膀胱に尿をためておく必要があります

ゾンデ診を受ける時には膀胱に尿をためておく必要があり、これはエコーを通さない腸を押しやって、子宮の状態を見やすくするためです。

十分な尿がたまっていないとエコーがしづらくなり、別料金で他のカメラを使うこともあります。

4.より胚移植を行いやすい状態を準備しましょう

ゾンデ診に向けて尿を膀胱にためる方法を練習しておくと、当日焦ることがないでしょう。

尿がたまりやすい条件には汗をあまりかかないときや朝に体が冷えた時があり、利尿作用のある飲み物を飲むこともひとつの方法です。



仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

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院長 小松保則医師