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ウトロゲスタンは体外受精において受精卵が着床しやすくする膣坐薬です
ウトロゲスタンは受精卵が着床しやすい状態を手助けする薬です。
黄体ホルモン剤と呼ばれる、女性ホルモンプロゲステロン(黄体ホルモン)の補充のために用いられるのが一般的です。
膣内に挿入する膣坐薬となっています。
誤って経口摂取しないように注意が必要です。
ウトロゲスタンを使用する場合、肺移植前から使用し、妊娠11週頃まで継続していくことになります。
ウトロゲスタンを使用することで体外受精の成功率を高めます
ウトロゲスタンは黄体ホルモンの働きを補うために用いられるホルモン剤です。
黄体ホルモンの働きを補う必要性があるのはなぜでしょうか。
黄体ホルモンとはプロゲステロンとも呼ばれる女性ホルモンで、女性ホルモンエストロゲン(卵胞ホルモン)とともに、妊娠のプロセスには欠かせない役割を担っているのです。
受精卵が着床するためには、子宮内膜がしっかりと厚みがあることが重要だと考えられます。
受精卵が子宮内膜に潜り込んで根を張った状態を着床と呼びます。
子宮内に受精卵がしっかりと留まる場所がなければ、胚移植した受精卵が着床することができないといえます。
女性の身体には生理周期があり、まずエストロゲンが子宮内膜を少しずつ厚くしていき、排卵期のあとにはプロゲステロンがさらに子宮内膜を厚くしていくといわれています。
そのためプロゲステロンは着床しやすい状態を作るのに欠かせないといわれているのです。
ウトロゲスタンはプロゲステロンの作用をサポートして、体外受精の成功率を上げるために使用されています。
ウトロゲスタンは正しく使うことが大切です
ウトロゲスタンを体外受精に用いる場合、有効成分200mg配合のものを1回に1カプセル、1日3回使用します。
手を清潔にしてから膣の奥の方まで入れます。
飲み薬ではないので、間違っても飲用してはいけません。
薬を使用後に眠気やめまいが起きる可能性があるため、車の運転などは避けて安静にしていると良いでしょう。
ウトロゲスタンを使用する場合は胚移植の2日~7日前から使用を始めて、肺移植後にも9週ほど使用します。
妊娠11週目までの使用が目安です。
自分の判断で使用をやめることはせず、決められた期間内で使用を続けることが大切です。
ウトロゲスタンの使用を忘れてしまった場合の対処については、かかっている医師の指示に従いましょう。
一般的には、使い忘れに気が付いた時点で次の使用時間まで間があれば使い忘れた分を使用します。
一度に多量のウトロゲスタンを使うのは良くないため、次の使用の時間が短いときには使い忘れた分は飛ばして使用します。
誤った使用方法は効果をなくすだけではなく、副作用に繋がることもあるため医師に教わった正しい使用方法で使うことが大切です。
ウトロゲスタンの使用には注意点もあります
ウトロゲスタンは薬ですので、当然使用における注意点もあります。
まずは副作用についてです。
ウトロゲスタンの主な副作用として挙げられるのが卵巣過剰刺激症候群・不正子宮出血・外陰膣部に生じる痒みなどです。
卵巣過剰刺激症候群というのは、卵巣の過剰反応によって卵巣が膨れ上がって起きるものです。
腹部の張りや急激な体重増加、吐き気などが自覚症状として現れる可能性があります。
まれにですが、手足のしびれやふくらはぎの痛みや腫れ、胸に鋭い痛みが出ることもあります。
ウトロゲスタン使用していて、なんらかの体調不良を感じたら医師に相談することが大切です。
またウトロゲスタンの処方は保険適用外です。
これはウトロゲスタンに限ったことではなく、体外受精そのものが保険適用外になることがほとんどです。
体外受精にはプロゲステロンのようなホルモン剤を使うほか、ホルモン剤に頼らず自然なタイミングに合わせる方法もあります。
ウトロゲスタンのようなホルモン剤の使用は、費用を増やすことになります。
成功率にも関わることですので、料金だけで決めることはせずに、治療方針は医師とよく相談して決めるとよいでしょう。
(まとめ)体外受精の治療に使うウトロゲスタンってなに?
ウトロゲスタンは膣坐薬で、女性ホルモンプロゲステロンの補充のために用いられる薬です。
ホルモンの補充を行うことで受精卵が着床しやすい状態を作り、体外受精の成功率を高める役割があります。
体外受精の治療で、ウトロゲスタンは黄体ホルモンの働きを補うホルモン剤です。
黄体ホルモンには子宮内膜を厚くして着床を助ける働きがあるため、ウトロゲスタンを使うことで妊娠しやすい状況を作ります。
ウトロゲスタンは膣内に挿入して使う膣坐薬です。
1回1カプセル、1日3回使うのが基本となります。
自分の判断で多量に使ったり、途中で使用をやめたりするのは良くありません。
医師の指導のもと、正しく使用することが大切です。
ウトロゲスタンは薬であるため、副作用が起きる可能性があります。
使用中に不調を感じたときには必ず医師に相談するようにしましょう。
ウトロゲスタンは保険適用外の薬なので、費用がかさむこともあります。