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ルティナスは体外受精の治療の際に黄体ホルモンを補充する膣坐薬です
ルティナスは日本では2014年に承認された黄体ホルモンを補充するための膣坐薬です。
黄体ホルモン剤として膣坐薬が承認されたのはルティナスが日本では初めてで、吸収スピードも速く、注射剤によるホルモン剤投与よりも心身の負担が軽減されると期待されています。
処方される際にはきちんと使い方の説明があるため安心ですが、使用に不安がある場合は主治医に相談してみましょう。
黄体ホルモンを補うことは心身ともにメリットがあります
体外受精で不妊治療を行う際に、ホルモン剤を処方されることがありますが、これまでは多くの場合が経口薬か自己注射でした。
2014年に膣坐薬のルティナスの承認が下りたことで、ホルモン剤にもバリエーションが広がったと言えます。
膣坐薬ルティナスが他のホルモン剤と異なる点は、肝臓で代謝されずに直接粘膜からホルモン剤を吸収することができるということです。
効果が出るまでの時間がスピーディであり、肝臓への負担も軽くて済むというメリットがあります。
有効成分であるプロゲステロンは肝臓での分解を受けやすく、体質によっては、経口剤では効果を発揮するのに十分な量を摂り入れることが難しいことがありますが、ルティナスは肝臓を通さないため、吸収率が高いこともメリットとして挙げられます。
またこれまで自己注射でホルモン剤を補っていた方の場合は、その痛みや恐怖といった心身の苦痛から開放されるという点も大きなメリットなのではないでしょうか。
ただしデメリットがないわけではなく、1日3回の使用が決められているため外出先で対応しにくい点や、ルティナス使用後にオリモノがでやすく、オリモノシートの準備が必要であることなどが挙げられます。
ルティナスは1日2~3回、妊娠8~10週目あたりまで使用します
ルティナスは着床率の向上と妊娠の継続を目的にして使用します。
1日2~3回膣から体内へ取り込む必要があるため、外出先や勤務中の使用には工夫が必要かもしれません。
使用の際は専用のアプリケーターを使うため、手が汚れることもなく、スムーズに膣の奥にまで薬剤を投入することができます。
アプリケーターの使い方については、処方される際に詳しい説明が医師からあるため、不安な場合は尋ねてみるとよいでしょう。
ルティナスの形状は錠剤ですが、膣内で水分を含むことで崩壊し、プロゲステロン(有効成分)をスピーディーに膣内に拡散させます。
他のホルモン剤と同じく、妊娠8~10週目あたりまで使用することで妊娠を継続しやすくすることが期待されます。
使用し忘れた場合も他のホルモン剤と同様の対処で、基本は気が付いたその時に使用するのですが、次の投与時間まで3時間程度しかない場合は、成分が膣内に残ってしまう可能性があるため、忘れていた分は飛ばして次の正しい時間に使用します。
くれぐれも1度で2回分を同時に使用しないように注意しましょう。
副作用がある場合は医師としっかり相談しましょう
これまで使用したことがない薬を使用する際は、副作用の情報が気になるものです。
黄体ホルモン剤であるルティナスは、他の応対ホルモン剤と同じような副作用が報告されており、頭痛や眠気・性器からの不正出血などが起こる場合があります。
いずれも使用に身体が慣れてくると副作用を感じにくくなるとされますが、長引く場合は主治医に相談してみましょう。
まれに血栓症の報告もあるというデータがあるため、ルティナスを使用する際には、こまめな水分補給と下半身の軽い運動を心がけることをおすすめします。
めまいや嘔吐などの症状が現れた時や、副作用と思われる症状が強く現れすぎる場合はすぐに使用を中止して、医師に相談しましょう。
ルティナスは吸収が素早く、高い効果が期待できるホルモン剤ですが、膣坐薬であるため使用することに抵抗を感じるという方や、アプリケーターを使用しても上手に投入することができないという方は少なくありません。
どうしても抵抗感があるという場合には、主治医に相談して他のホルモン剤に変えてもらうことも視野に入れておきましょう。
(まとめ)体外受精で処方されるルティナスって何?
日本で初めて膣坐薬の黄体ホルモン剤として承認を受けたルティナスは、まだ使ったことがない人も多いものです。
吸収スピードが速く効果が出やすいことから処方されることがありますが、使用に不安がある場合は主治医に相談しておくと安心です。
ルティナスは膣から吸収するため吸収スピードが速く、かつ肝臓への負担が少ないというメリットがあります。
ただし1日の使用回数が決まっていたり、おりものが出やすかったりすることから、外出先や勤務先では何かしら工夫が必要になるでしょう。
ルティナスは黄体ホルモンを補う薬で、着床しやすい体作りや妊娠が継続できるようにという目的で処方されます。
専用アプリケーターを使用して1日2~3回、妊娠8~10週目あたりまで使用します。
ルティナスの主な副作用は、頭痛や眠気・性器からの不正出血と言われています。
その他めまいや嘔吐を感じる時、血栓症が疑われるような症状がある時などはすぐに使用を中止し、主治医に相談しましょう。