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体外受精のクロミッド法は投薬で排卵を誘発します
クロミッド法(排卵誘発法)とは無排卵症などの排卵障害がある女性に対し、排卵誘発剤(クロミッド)を投与することで排卵を起こします。
体外受精に用いられる薬剤のなかでは副作用のリスクが比較的低く、hMG製剤を連日注射して排卵を促す高刺激法に対し、低刺激法と呼ばれています。
また通院回数が少なくて済むため、高刺激法ほど費用がかかりません。
クロミッド法が有効と診断された患者さんが妊娠する確率は、自然妊娠に近い30%前後といわれています。
クロミッド法は低リスク・低コストで体外受精を受けられます
クロミッド法は排卵障害を抱える人、より自然に近い排卵で体外受精を希望する人、コストを抑えながら治療をしたい人に利用される方法です。
副作用のリスクが低いことでも知られており、低刺激法と呼ばれることもあります。
また高刺激法に比べて通院回数が少ないので、経済的にも肉体的にも負担が軽減される不妊治療であるといえます。
クロミッドとは無排卵症などが原因の不妊治療において処方される排卵誘発剤のことです。
クロミフェンクエン酸塩を主成分とし、排卵に必要な卵胞刺激ホルモンと黄体刺激ホルモンの分泌を促す効果を期待できます。
正しい周期で排卵を起こすために、一定期間服用する必要があります。
クロミッド法によって期待される主な効果は、以下のとおりです。
- 排卵の誘発
- 排卵数の増加
- 月経周期の安定
クロミッド法のスケジュール例は下記を参考にしてください。
- 月経3日目から毎日1錠ずつ内服
- 採卵の前々日でいったん中止
- 月経6日目より超音波でモニタリングを行い、場合によっては少量のhMG製剤を適宜投与(状況次第で投与を中止します)
効果の表れ方は人によって異なります。
状況によっては高刺激法に用いられるhMG製剤を使うことがあります。
その分、効果は期待できますが副作用のリスクも高まるので信頼のおけるクリニックとよく相談して決めましょう。
どんな治療法にもメリットとデメリットがあります
クロミッド法は身体的負担が軽く、副作用の発生頻度が少ないなどのメリットをお伝えしました。
しかし薬剤を使用して治療をする限り、副作用がまったく起こらないと断言できないのも事実です。
クロミッド法に対する理解を深めるには、メリットだけでなくデメリットについても知ることが大切です。
体外受精・不妊治療を専門としたクリニックでは、治療を始める前に必ず説明会を開いてくれます。
メリットとデメリット、それぞれについて納得したうえで不妊治療に臨みましょう。
- 排卵数が少ない
- 子宮内膜が薄くなる
- まれに副作用が起こることがある
高刺激法と比べ排卵数が少なく、妊娠する確率が低くなるというデータがあります。
また子宮内膜が薄くなってしまうと着床率の低下や経管粘液の減少などを招き、結果として妊娠を妨げてしまうケースがあるといわれています。
副作用については下記の症状が報告されています。
- 眠気・目のかすみ
- 発疹・かゆみ
- 頭痛・腹痛
- 食欲不振
- 便秘
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
なかでもとくに深刻なのが卵巣過剰刺激症候群です。
腹部の張りや痛みを伴いますが、これは大量に排卵したことによる卵巣の腫れが原因です。
クロミッドの服用を辞めれば症状は治まりますが、飲み続けてしまうと重症化するのですぐに使用を中止しなければなりません。
服用後に少しでも違和感を抱いたら、飲むのをやめましょう。
クロミッド法でストレスのない妊活を始めましょう
クロミッド法で妊娠率を上げるためには、治療を続けやすい環境を整えることが大切です。
体外受精は短期間で結果が出にくいこともあるので、一定の期間治療を続ける覚悟が必要になります。
ストレスなく治療を継続するためにはどうすればいいのかを考えなければなりません。
どんな治療を受けたいかイメージを固めましょう。
体外受精は体調や年齢によって結果の出方も違います。
思うような結果が得られず、時には気持ちが落ち込んでしまうこともあるでしょう。
そんな時にきちんと寄り添ってくれるクリニックであれば、不安な気持ちも解消されます。
信頼できるクリニックかどうかは、ホームページを見た時にある程度判断することができます。
見るべきポイントとしては治療法についての流れが記載されていること、料金が明確であること、メリットとデメリットについて説明がされていることなどです。
共感できるクリニックを見つけたら、まずは説明会に申し込んでみましょう。
クロミッド法は患者さんの負担が少なく、自然妊娠に近い出産が期待できる不妊治療です。
クリニックとの信頼関係を築くことで、より穏やかな気持ちで妊活生活を送りましょう。
(まとめ)体外受精のクロミッド法はどんな治療をするの?
他の体外受精と比べてリスクやコストが少なく済むのがクロミッド法の特徴です。
自然の摂理近い出産を望む方、排卵障害を抱える女性にクロミッド法が選ばれています。
クロミッド法に適した患者さんであれば、妊娠成功率はおよそ30%です。
クロミッド法は排卵障害に悩む人や副作用のリスクを回避したい人、低コストでの治療を望む人に利用される治療法です。
患者さんの負担が少なくて済むのが特徴です。
状況によってhMG製剤が使用されることがあり、その場合は副作用のリスクが上がります。
経済的・身体的負担が軽いといわれるクロミッド法ですが、デメリットも存在します。
重い副作用が起こる可能性はゼロではありません。
どんなリスクがあるのかを理解した上で、信頼できるクリニックで治療を受けましょう。
体外受精の中でもクロミッド法は負担の少ない継続しやすい不妊治療です。
さらに快適な妊活を続けるためには環境を整えることが必要です。
クリニックと信頼関係を築き、ストレスのない妊活生活にしましょう。