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体外受精で子宮内膜が厚くならない場合ユベラを服用することがあります
ユベラとはビタミンEを補給するための医薬品です。
末梢血管の抵抗を高めて血流を促進し、子宮内膜の増殖を促す効果があるといわれています。
不妊治療が成功しない理由が子宮内膜が厚くならない問題であれば、ユベラを用いると原因が解消される可能性はあるでしょう。
またユベラは黄体機能が改善するともいわれている医薬品です。
体外受精が失敗する原因を突き止めて、必要であればユベラを服用しましょう。
ユベラは不妊治療の末梢循環改善のために使われる薬です
ユベラの有効成分は、トコフェロール酢酸エステルです。
ビタミンE欠乏により発症する末梢循環障害の治療に用いられています。
動脈硬化・静脈血栓・糖尿病網膜症・凍傷・四肢冷感症・過酸化脂質の増加防止に用いられる医薬品です。
ビタミンE補給により末梢循環を改善するのが目的で、体外受精では子宮内膜の増殖を促すために処方されています。
そのほか、ビタミンEを十分に補給できない状態の方や、妊娠中や授乳中、体力低下がある方のビタミンE補給目的でも用いられる医薬品です。
ユベラが不妊治療にも用いられているのは、血流改善効果や、抗酸化作用などがあると考えられているためです。
このような作用から女性だけでなく男性にも処方されることがあります。
ユベラは合成ビタミンEのことで、素材原料を科学的に合成した成分です。
植物油から抽出してから酢酸をつけたものは天然型ビタミンEと呼び、さらに植物油から抽出したものを天然ビタミンEといいます。
ユベラを服用する場合は、1回1~2錠を1日2~3回です。
年齢や症状によっても服用量は調節されています。
ユベラ服用の際に注意したいことがあります
不妊治療の際にユベラを服用する場合は、副作用に注意してみましょう。
ユベラの副作用率は、3,586症例中32例と少なくなっています。
割合は0.89%のため、ごくまれに副作用がある程度で過剰に心配する必要はありません。
副作用が現れた例では、0.1~5%未満で便秘や胃の不快感がありました。
0.1%の割合で下痢、または発疹が報告されています。
ユベラを不妊治療で処方された場合、医師の指示を守って服用しているうえでは、そのほかの副作用の心配はありません。
大量服用や長期服用では、頭痛・吐き気・めまい・かすみ目などの症状が現れることがあります。
そのような症状が現れた場合は医師または、薬剤師に相談してください。
ユベラが処方された際は、医師に指示された用量をきちんと守り服用しましょう。
治療中には勝手に服用を中止したり、増量や減量をしたりしないでください。
持病をお持ちの方、またはアレルギー体質の方、現在服用中の薬がある方は、医師に相談し飲み合わせに問題がないか注意しましょう。
PTP包装となっているユベラでは、シートから取り出し服用するようにしてください。
シートを誤って飲んでしまった場合、硬い部分が食道粘膜を傷つける恐れがあります。
ユベラ以外にも子宮内膜血流を促す方法はあります
ユベラはビタミンEを補給し、末梢の血流改善を期待する医薬品です。
しかしユベラによる血流改善が不十分である場合や、掻爬が子宮内膜の薄い原因である場合は、十分な効果が得られないこともあります。
血流改善不足の場合は、生活習慣の改善やサプリメントの服用でも改善が期待できるため、効果がみられない場合は合わせて対策してみるのもよいでしょう。
適度に体を動かし汗を流すことで、ストレスが発散でき、血流改善効果が期待できます。
子宮内への血流促進では、骨盤内筋肉を鍛える対策も試してみましょう。
おすすめの運動としては、深部筋肉を刺激できるピラティス、筋肉に負荷をかけ続け成長ホルモンを促すスロートレーニングなどの対策があります。
ほかにも血流を改善させる対策として、漢方薬や鍼灸を用いる方法も考慮してみましょう。
骨盤の血流改善として用いられるサプリメントは、L-アルギニンです。
準必須アミノ酸の位置づけとなっている栄養素で、成長ホルモンの生成効果や、骨盤内への血流改善効果などが期待されています。
サプリメントを活用される場合は、内膜血流を測定し、血流不足がある場合におすすめです。
(まとめ)体外受精でユベラを服用するのはどんなとき?
ユベラはビタミンEを補給するための医薬品です。
そのため子宮内膜への血流を促し、子宮内膜が厚くなる効果や、黄体機能改善効果が期待されています。
体外受精が成功しない理由が子宮内膜が厚くならないことなら、ユベラはサポートとして使える医薬品です。
ユベラを体外受精に用いる理由は、末梢循環促進目的があるからです。
四肢冷感症にも用いられる薬で、ビタミンEを補給し子宮内膜の血流促進効果が期待されています。
それにより子宮内膜の増殖効果が期待できる医薬品です。
ユベラで副作用が報告されている割合は、0.89%と少なくなっています。
医師の指示を守り正しく服用するうえでは、過剰な副作用の心配をする必要がありません。
万が一便秘・下痢・胃の不快感・発疹などが現れたら医師に相談しましょう。
ユベラで子宮内膜への血流改善がみられない場合は、生活習慣の改善や、サプリメントの服用で血流改善効果が期待できる場合もあります。
適度な運動や、漢方薬・鍼灸など対策がいくつかありますから、内膜血流を測定し血流が悪いか調べてもらうとよいでしょう。