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不妊症の三大原因には、排卵因子・卵管因子・男性因子があります
不妊症の原因にはさまざまなものがありますが、中でもとくに割合が高く三大原因と言われているのが、排卵因子・卵管因子・男性因子です。その他にも、子宮因子・免疫因子・頸管因子などが不妊症の原因と言われています。
不妊症の原因は女性側にあるケースが半分~6割程度であり、残りの半分~4割は実は男性にあるのです。
そのため原因を調べる場合は、夫婦揃って検査を受けることが大切となります。
排卵障害があるか検査してみましょう
三大原因の1つである排卵因子とは、具体的には毎月の排卵がなんらかの理由で起きなくなっている排卵障害のことを指します。排卵しないと当然、受精可能な状態の卵子が体内に準備されていないため、妊娠することができません。
排卵障害の原因としては、肥満や痩せすぎによるホルモンバランスの乱れ・急激なダイエット・激しい運動・ストレスなどがあります。
強いストレスを感じた時に月経が止まってしまったという経験のある人もいるかもしれませんが、これもまた排卵障害の1つです。
その他、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や黄体機能不全、高プロラクチン血症なども排卵障害を起こすため治療が必要となります。
排卵障害かどうかは実は自分でも調べることができます。通常、基礎体温をつけていると、排卵期に体温が0.3℃から0.6℃ほど下がることに気がつくはずです。
しかし無排卵状態になってしまうと、体温が下がることがありません。例外もありますが、基本的には基礎体温を毎日つけておくことですぐに気がつくことができるでしょう。
卵管に問題がある場合もあります
三大原因のうち、実は一番多いと考えられているのが卵管因子です。卵管とは、卵子と精子が出会い、受精する場所のことになります。
文字通り管状になっており、2本が1対になっているのが特徴です。卵子は精子と出会って受精したあと、この卵管を通って子宮内にたどり着き、着床することになります。
しかしこの卵管は実は驚くほど細いのです。その細さですが、外側はスパゲッティ1本分、内側は髪の毛1本分しかないと言われています。
髪の毛1本が通るか通らないかというわずかな空間しかないため、とても詰まりやすいのです。
この卵管が詰まってしまう卵管閉塞や、詰まらないまでもさらに狭くなってしまう卵管狭窄、卵管周囲がくっついてしまいそもそも管の中に卵子が入っていけなくなる卵管癒着などが卵管因子に相当します。
この卵管に問題が起きる原因としては、クラミジア感染症や子宮内膜症が主に挙げられます。
ちなみに卵管の検査に関しては造影剤を子宮口から卵管に流し込み、レントゲン撮影することで行います。しかし卵管検査は造影剤を流し込む際に痛みを伴うことが多く、つらいと感じる女性も多いのが特徴です。
できるだけ痛みの少ない治療をしてくれる病院を選ぶ方が治療しやすいでしょう。
男性側に原因がある可能性もあります
不妊症の原因は男性女性半々と言われているため、三大原因の残りの1つは男性因子となります。男性の場合は、EDなどうまく勃起できない性機能障害・健康な精子が作られない無精子症・あるいは数が少ない乏精子症・精子の運動能力が低く卵子のもとまでたどり着けない精子無力症などが主に挙げられます。
男性の不妊症検査も女性と同じように婦人科で行えることが多いものの、男性の場合はなかなか進んで検査したがらない場合も多いようです。
しかし不妊症は、男性のみに原因があるケース、男女ともに原因があるケースもあります。
そのためたとえ女性側になんらかの問題が見つかったとしても、ひとまず夫婦揃って同時期に検査を受けた方が治療がスムーズに進むでしょう。
男性不妊の原因としてはさまざまなものがありますが、女性と同じように喫煙や運動不足、生活習慣の乱れなども大きく関わるとされています。
夫婦揃って軽くウォーキングをしたり、お互いに禁煙したり、食事を夫婦でしっかり摂ったりなど、工夫できることはたくさんあるでしょう。
どちらかが負担を負うのではなく、2人で不妊症に対する意識を深めていくことも大切です。
(まとめ)不妊症の三大原因とはどんなものなの?
不妊症の原因として、割合の高い上位3つを三大原因と呼んでいます。すなわち、排卵因子・卵管因子・男性因子です。
不妊症の原因は男女半々とも言われているため、夫婦揃っての検査が重要となります。
排卵因子は排卵障害があることを指しています。排卵するための卵が育たない、あるいは育っても排卵できないなどの状態のことです。
原因としてはストレスやダイエット、他の病気などがあります。基礎体温を確認してみるとよいでしょう。
原因として一番多いのが卵管因子です。髪の毛ほどの細さしかない卵管が閉塞したり狭くなったりなどすることで、受精卵がうまく運ばれないなどの問題があります。
卵管検査は痛みを伴うため、痛みに弱い場合は病院の選定も大切です。
男性側の原因として、ED・無精子症・乏精子症・精子無力症などがあります。婦人科で男性が生殖能力を検査することに抵抗があることもあるかもしれませんが、男性の検査も重要です。
夫婦で協力し治療に対する意識を高めましょう。