卵子が老化すると受精卵になりづらい症状が現れることがあります


老化した卵子は精子と出会っても受精しにくくなり、老化する前の卵子と比べて妊娠する確率が下がります。
女性が生まれながらに持っている原始卵胞は、女性が年齢を重ねていくと、同じ分だけ年をとって老化が進むのです。

女性が年齢を重ねるごとに原始卵胞は数を減らしていきますが、数の減少だけでなく、卵子の質自体が低下すると指摘されています。
卵子が老化する症状を止める方法は存在しないため、不妊治療は年齢を考慮して計画的に取り組みましょう。

卵子の老化が進んだ状態になる前に不妊治療を受けましょう

女性は年齢が若い時の方が、妊娠する確率が高くなります。
自然妊娠であっても、不妊治療を経ての妊娠であっても、年齢が若い時の方が短期間で妊娠が成立しやすくなります。

閉経が訪れるまでの間は、妊娠できる可能性があると誤解されやすいですが、「生理がある=妊娠可能」というわけではありません。

生理があっても老化の症状が進んだ卵子では、妊娠する確率は下がります。
さらに、年齢が若ければ妊娠できるとも言い切れません。

実年齢が若くても卵巣機能が老化していれば、卵子が老化して質が低下することになるからです。
不妊治療は、なるべく年齢が若いうちに受けた方が良いのは事実ですが、年齢だけでは判断しづらい点も多々あります。

妊娠適齢期は人それぞれであり、不妊になる原因も人によって大きく異なってくるからです。
気になる症状がなくても、婦人科系疾患の検査はあらかじめ受けておいた方が安心です。

不妊治療を行っているクリニックでは、各種検査を随時受け付けています。
妊娠や出産を本格的に考え始めた時になって、不妊の原因になる疾患が見つかるケースは少なくありません。

いざという時に慌てることがないよう、不妊を招くリスクを抑えて、事前に備えておくようにしましょう。

不妊治療は治療をステップアップさせながら行います


一般的に不妊治療は、内容をステップアップさせながら治療を進めていきます。
不妊治療は、一般不妊治療のタイミング法と人工授精、高度生殖医療の体外受精や顕微授精などに分かれているのです。

タイミング法からスタートすることもありますが、患者さんの症状や年齢によって、他の治療法から始めることもあります。

タイミング法

超音波検査やホルモン検査で排卵日を予測し、医師の指導のもと、夫婦生活をもって自然妊娠を目指します。
排卵障害が見られる時や卵胞の発育が思わしくない場合は、排卵誘発剤を使い、排卵や卵胞の発育を促します。

人工授精

タイミング法で妊娠に至らなかったり、精子に問題が見つかったりした場合は、人工授精を行います。
排卵日に合わせて精液を子宮内に注入し、自然に近い形の妊娠を試みます。

体外受精

一般不妊治療で妊娠しなかった場合は、体外受精にステップアップします。
体外で卵子と精子を受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。

顕微授精

体外受精では精子の力を使って受精させますが、顕微授精では細い管を使って精子を卵子に注入します。
受精したら子宮内に戻すのは体外受精と同じで、体外受精で妊娠に至らなかった時に移行するのです。

卵子が老化する症状が心配な時は凍結胚移植も視野に入れましょう

卵子が老化する症状が心配な場合は、凍結胚移植について考えてみましょう。
凍結胚移植とは、体外受精させた受精卵を凍結保存して、移植するという不妊治療です。

卵子の老化を止める方法ではありませんが、若い時の卵子を残すことが可能になります。
30歳の女性が25歳の時の卵子を移植できるため、妊娠する確率が上がると期待されているのです。

今すぐの移植では着床しにくいと判断された時や、複数の受精卵が得られた時などに選択されることもあります。
凍結胚移植は凍結する時と解凍する時に、受精卵にダメージを与えてしまう可能性があるのです。

また受精卵を凍結保存するには1年ごとの更新手続きと費用が必要になります。
そうした点も踏まえて、医師と相談しながら検討してみましょう。

(まとめ)卵子が老化するとどんな症状が出るの?

1.卵子が老化すると受精卵になりづらい症状が現れることがあります

卵子が老化すると、精子と出会っても受精卵になりにくいという症状が現れることがあります。

原始卵胞は女性が年齢を重ねると、同じ分だけ年をとって老化が進みます。
卵子が老化した状態を回復する方法はないため、不妊治療には早めに取り組みましょう。

2.卵子の老化が進んだ状態になる前に不妊治療を受けましょう

女性は年齢が若い時の方が妊娠しやすいですが、実年齢が若くても卵巣機能が老化していれば、妊娠率は低下します。

また生理があっても老化の症状が進んだ卵子では、妊娠率が高いとは言えません。
クリニックで検査を受け、不妊症になるリスクを抑えましょう。

3.不妊治療は治療をステップアップさせながら行います

不妊治療はタイミング法から始まり、人工授精、体外受精、顕微授精とステップアップしながら治療を進めます。

患者さんの症状に合わせて治療を行うため、必ずしもタイミング法から始めるわけではありません。

4.卵子が老化する症状が心配な時は凍結胚移植も視野に入れましょう

卵子が老化する症状が心配であれば、凍結胚移植も視野に入れて不妊治療を検討しましょう。

凍結胚移植は卵子の老化を止める方法ではありませんが、若い時の卵子を凍結保存でき、妊娠する確率を上げると期待されています。


仕事や趣味を続けながら、無理のない不妊治療を

監修医情報

六本木レディースクリニック
小松保則医師
こまつ やすのり/Yasunori komatsu

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経歴
帝京大学医学部付属溝口病院勤務
母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
国立成育医療研究センター不妊診療科
六本木レディースクリニック勤務
資格・所属学会
日本産科婦人科学会 専門医
日本産科婦人科学会
日本生殖医学会
日本産科婦人科内視鏡学会

運営者情報

運営クリニック 六本木レディースクリニック
住所 〒106-0032
東京都港区六本木7-18-18 住友不動産六本木通ビル6F
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院長 小松保則医師