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エストロゲンは葉酸では増えません
残念ながら、女性ホルモンの1つであるエストロゲンを直接増やす栄養素はそもそも存在しません。葉酸には造血や細胞分裂を補助する役割があると言われていますが、エストロゲンとは直接の関係はありません。
しかし葉酸はホルモンバランスを整えるのに役立つとされるため、葉酸が役に立つ部分とそうでない部分を見極めることが大切です。
葉酸は自律神経のバランスを整えると言われています
女性ホルモンといえばエストロゲン、と言われるほど有名な存在ではありますが、女性ホルモンには本来エストロゲンとプロゲステロンの2種類が存在します。この2つのホルモン分泌が絶妙に変化しながらバランスを取ることで、女性の体調が整えられているのです。
ちなみに2つの女性ホルモンの変化は生理周期にも現れています。
この2つの女性ホルモンはとにかくバランスが大切です。どちらかが過剰になったり不足したりすると、あっさりバランスを崩して体調に変化が現れます。
とくに更年期になると女性ホルモンの分泌量が急激に減ってしまうため、バランスが崩れた結果自律神経にも作用して、イライラしたり、ストレスが溜まりやすくなったり、精神的にも不安定になっていくのです。そこで役立つのが葉酸となります。
葉酸にはホルモンバランスを整えて自律神経に作用する働きがあると言われています。そのため更年期や、あるいはそれ以外の時期であっても、女性ホルモンが乱れている時に摂取することで心が安定し、バランスがとれるようになると考えられているのです。
葉酸にエストロゲンを直接増やすような効果はないものの、このようにバランスの維持に役立ちます。女性ホルモンを整える目的であれば摂取してもよいでしょう。
葉酸はビタミンB群などとの同時摂取が効果的です
葉酸はビタミンB群に属する栄養素の1つです。このビタミンB群の特徴に、他のビタミンB群と助け合い、お互いの効果を高めるということが挙げられます。
つまり葉酸単独で摂取するよりも、葉酸と一緒に、ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシンなどを摂取した方が、葉酸の働きが強くなると考えられているのです。たとえば葉酸と相性がいい栄養素に、ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシンがとくに挙げられます。
葉酸とビタミンB12はともに赤血球を作ることに関与します。またビタミンB6はたんぱく質の合成や葉酸の代謝に相性のよい栄養素です。
ほかにも亜鉛は葉酸の吸収に必要な酵素の働きを助けると言われています。
すべてが自律神経のバランスを整えることに対して効果があるものではありません。しかしお互いが複雑に絡み合って作用して葉酸が本来の力を発揮します。
葉酸を摂取したい場合は、相性のよい栄養素もまとめて含有している葉酸サプリメントを使用するのが手っ取り早い方法と言えるでしょう。
エストロゲン過剰な状態は体に悪影響となることがあります
性ホルモンはあればあるほどいい、分泌を盛んにしたい、と思っている女性もいるかもしれません。しかし実はそれは危険なことです。
たとえば不妊の原因の1つと言われている子宮内膜症は、エストロゲン過剰になると症状の悪化を招くとされています。またエストロゲン過剰によって乳がんや子宮がんを誘発するともいうデータもあるのです。
そのためムリにエストロゲンを多く分泌させようとする行為は、あまりよいものではありません。
ストレスやムリなダイエットなどでも、女性ホルモンのバランスは簡単に乱れてしまいます。どちらかのホルモンを増やしたり、分泌を促したりといった方向ではなく、あくまで2つのホルモンバランスを整えるという考え方が大切です。
ホルモンバランスの乱れを整えるには、葉酸を摂取するだけでなく、規則正しい食事・運動・たっぷりの睡眠・ストレスを溜めない生活なども重要となります。生活習慣から改善し、良好なホルモンバランスを保ちましょう。
(まとめ)葉酸でエストロゲンが増やせるって本当?
エストロゲンを増やす栄養素は存在しないと言われています。葉酸自体の効果も直接エストロゲンと関係があるわけではありません。
葉酸にはホルモンバランスを整えるのに役立つとされるため、目的を考えた上で摂取しましょう。
女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、量よりバランスが重要です。バランスが崩れると自律神経が乱れイライラなど心が不安定になります。
そんな時、葉酸はホルモンバランスを整えると言われているためなにかと役立つでしょう。
葉酸の属するビタミンB群は、単独ではなく複数の種類を摂取することによって効果を高めると言われています。そのため、ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシンなどに加えて亜鉛などを一緒に摂取すると、葉酸の吸収によいでしょう。
エストロゲンはあればあるほどよいと思われがちですが、実はエストロゲン過剰はかえって害になります。がんのリスクも出てくるため注意しましょう。
量ではなくあくまでバランスが大切です。生活習慣からも見直していきましょう。