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1978年に世界で初めて体外受精によってルイーズさんは誕生しました
現在の日本でも一般的になりつつある体外受精ですが、その始まりは1978年に誕生したルイーズ・ブラウンさんという女性でした。
ルイーズさんの母親は9年間に亘り自然妊娠を試みたものの妊娠が叶わず、体外受精に望みを託したところ妊娠することができ、帝王切開にてルイーズさんを出産しました。
ルイーズさんは健康に成長し、自然妊娠で2人の子どもを出産していることから、体外受精によって生まれた人は妊娠できないという説が覆されたのです。
世界初の体外受精で生まれた人はルイーズ・ブラウンさんです
ルイーズさんの父親ジョンさんと母親レズリーさんは、9年間自然妊娠を目指したものの叶わず、その原因は母親のレズリーさんの卵管に異常があったことでした。
体外受精はケンブリッジ大学のロバート・エドワーズ教授と婦人科医パトリック・ステップトー氏によって12年間研究が続けられたもので、この方法に望みを託して1977年に体外受精を行い、その後母親の子宮に受精卵を戻しました。
そして翌年の1978年7月25日に世界で初めての体外受精によって、ルイーズ・ブラウンさんが誕生したのでした。
その成功例により、世界中において胚移植法による体外受精の研究が急速に進み、不妊に悩むカップルの望みとなりました。
しかし世間では、体外受精によって生まれた場合は出産ができないのではないか?という懸念がありました。
ところがルイーズさんは結婚し自然妊娠でふたりの子どもを持ったことから、体外受精で生まれると出産が難しいという説は覆されることとなりました。
国内での体外受精による誕生は1983年でした
ルイーズさんの誕生から日本国内でも体外受精による妊娠・出産を考える人が増え、国内で初めて体外受精によって妊娠・出産が行われたのは1983年に東北大教授の鈴木雅洲氏のグループによるものでした。
その女性もルイーズさんの母親のように卵管不全があり13年間妊娠を試みたものの叶わず、体外受精に望みを託したのでした。
無事に出産し成長したその子どももまたルイーズさんのように妊娠でき出産していることから、体外受精によって誕生した人の妊娠出産の可能性は自然妊娠出産の場合とそれほど変わらない例となっています。
その後は体外受精からさらに進んだ不妊治療の方法として、顕微授精による妊娠・出産の方法の研究が進められるようになりました。
顕微授精は体外受精よりも歴史が浅く、行われるようになってからまだ25年ほどしか経っていません。
そのため、こういった不妊治療の方法はこれからもさらに進歩することが期待されます。
体外受精のメリットは卵管に異常がある場合などに有効な方法であることです
体外受精の方法は、簡単に説明すると卵子と精子が出会って受精し胚になるところまでを体外で行い、できあがった受精卵を再び子宮へ戻すというものです。
精子と卵子を体外へ取り出して同じ器に入れ、受精するよう促す方法で、当初では試験管で行われていたことから「試験管ベビー」という呼び名もされていました。
そのため、卵管不全のような卵管に障害がある場合や精子の数が少ないなどの理由によって卵子までたどり着けない場合には、体外受精を行うと妊娠が叶う可能性が出てきます。
現在では体外受精は、高齢で不妊症・両側の卵管が閉塞している・男性不妊症・不妊治療を1年以上行っても妊娠に至らないといった場合で行われることが多くなっています。
そして体外での自然受精が難しくなりやすい、精子側に障害がある場合には顕微授精に切り替えることもあります。
卵子の透明膜に問題があり精子が受精しにくい場合には手助けをすることもあるため、体外受精よりやや妊娠成功率が高くなることもあるでしょう。
しかし体外受精も顕微授精も、卵管や精子にある問題をクリアする手段にはなるものの、卵子や精子の質や子宮内膜の状態について改善する方法には当たらないものです。
そのため、あわせて心配のある部分について治療を進める必要があります。
(まとめ)世界初の体外受精で生まれたルイーズさんとは?
体外受精の始まりは1978年に出産されたルイーズ・ブラウンさんという女性でした。
両親は9年間自然妊娠に試みたものの叶わず、体外受精に望みを託して妊娠、帝王切開により出産しました。
世界で初めて体外受精によって誕生したルイーズさんの両親は、9年間自然妊娠を目指して試みたものの叶わず、体外受精に踏み切り1978年にルイーズさんは誕生したのでした。
ちなみにルイーズさんは自然妊娠で2人の子どもを授かっています。
ルイーズさんの誕生により世界中で体外受精による妊娠出産を望む人が増え、国内でも行われました。
その後、さらに踏み込んだ不妊治療として顕微授精も行われるようになっており、不妊に悩むカップルの希望となっています。
体外受精では、卵子と精子が出会い受精するところを体外で行うため、卵管や精子に異常がある場合はそれらの問題をクリアすることで受精しやすくなります。
しかし卵子や精子の質、子宮の環境を直接改善するものではないことから、あわせて治療が必要です。